この恋を栞に挟み込んで

2月某日、小説家のとろろは締め切りに追われていた。
一度は就職を志し企業勤めをしていたが上司からのパワハラにあい３か月足らずで仕事をやめたのだ。
ニート生活を送る中で何気なく書いた小説が新人賞の佳作を受賞し少ないながらも収入をえながらなんとか食つないでいた。
とろろが書いているのはいわゆる”転生モノ”と呼ばれる俺TUEEE系の主人公が異世界で無双しながら大勢のヒロインに好意を寄せられて世界を旅していくといったストーリーだ。
「ダメだ…全く続きが書けない」
何かヒントになるのではないかと思い、過去の読者レビューを覗く。
・最初からチートでハーレムねwwよくあるやつ
・最初は期待していたけど、作者も出てきたスキルの名前覚えられてないだろ
・埋もれるやつ
・私は好きです！
反応サイトのブラウザをそ…続きを読む