「苦しみ」を含む小説

ショートショートです。全２話。 適材適所がテーマ。産みの苦しみからは逃れられない。だけどそれが楽しいよね、みたいな話。

ここは暗く冷たい死の監獄。誰かの死に向かって毎日は過ぎて行く。 ‟トレスウィリ” それは死刑囚の管理・監視・処刑を生業とする人々の蔑称である。彼らの行いはこの世で最も神に近い神…

これは短編小説です。 　※　※　※　 ――主なる神は言われた、「見よ、人はわれわれのひとりのようになり、善悪を知るものとなった。彼は手を伸べ、命の木からも取って食べ、永久に生…

小学校高学年の頃、友達が出来なかった山桜凛(やまざくらりん)と、高橋杏(たかはしあん)は公園で友達になった。 凛は有名私立大学付属のお嬢様、かたや杏は市立小学校に通う平民だった。…

世界と運命に嫌悪を抱く少女から見た景色と、その家族の対話を記した短編小説

この物語は一言の殺害宣言から始まる。 主人公はなぜ、仲間を殺すことになってしまったのか。 主人公の本当の気持ちとは何か。 誰しもがもつ現状への不満、そしてそれに対して何もできない…

ここは、冥界カウンセリングルームα。 冥界入り口の振り分け担当が、天国行きか地獄行きか現世戻りかの振り分けに迷った魂や、聞き分けなくゴネる魂が送り込まれる場所。 冥界カウンセリ…

病気で二十歳までは生きられないと宣告された佐山那津(サヤマナツ)は、死ぬ前に子供の頃、療養中に山の社で出会った美しい黒い羽を持った小さな神様ミツキにもう一度会いたいと願った。願い…

日記帳に込められた、同性である「彼」への切ない恋心が魂となって、彼の新しいルームメイトである僕の身体に宿ってしまった……というパラレルラブストーリーです。

男に飼われている猫のジル、男の恋人の譲。 二人はどのように男を愛し、どのように苦しみ、何に幸せを見出していくのか。

自殺した「私」は、幽霊あるいは死神になった。 苦しみながら、泣きながら、辛くなりながら。自殺したのに。 まだ続きがあるのか、あるのかと。 悲しみ、苦悩し、絶望する。 これは、そ…

電シャ 逃げる、私は逃げていた 鼻からは 私が先ほど、ぶつけた時に、血管でも切れたのだろう 呼吸の邪魔になるような 鼻血が、漏れだし 口に入り ぽたぽたと 顎から落ちるのを感…

｢君とは友達になれない｣ ある秋の日。友達だと思っていた彼に言われた言葉だった。その時まだ幼かった僕にとっては、これ以上の苦しみと悲しみを、しかも瞬く間に受けるものはなかった。…

　親愛なる友人(ディー・フレディア)──通称”ドール”。 　それは、小国グラシアで伝統的に作られる。人間のように動き、心を持ち、成長もする人形だ。親は生まれた子にドールを与える習…

　これは、ヤンデレ女神の愛と呪いを受けた青年の、愛と優しさと苦難の異世界転生ダークファンタジー。 　誰よりも優しく、尊き男になろうとする青年・亘尊（わたりたける）は、異世界・…

　その世界の人々は現実を捨てた。皆一様に仮想空間へと逃げ込み、己が肉体を電子ポットに投げ込んだ。メタバースが発展したその終着点、尽きることなき電子の資源や食料、あふれ出る通貨。彼…

悲しみと嘘の幸せで混沌とした生活を送っている僕。 吃音で人に理解されない孤独に苦しみ、自己不信に陥ることもある。家に帰るとyoutubeで現実逃避をして、自分は幸せだと脳が勘違い…

頂いた書き出しをお題として1,000文字ほどの小説を書いていく企画の作品です。 雨が好きだと言った彼女。 僕は彼女が大好きだったが、彼女はいつも何かを憂いていた。 その苦しみを…

【15000PV突破！　ありがとうございます！】 二〇二一年初夏六月末早朝。 蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構の…

人に興味のない男子高校生は、孤独を知ることもなく平穏な生活を楽しんでいた。そんな中、中学からの同級生であった、ひばりに出会い付き合い始めるが、ひばりは病気で余命が一年しかなかった…