電シャ

イタチ

第1話

電シャ



逃げる、私は逃げていた

鼻からは

私が先ほど、ぶつけた時に、血管でも切れたのだろう

呼吸の邪魔になるような

鼻血が、漏れだし

口に入り

ぽたぽたと

顎から落ちるのを感じる

逃げなくてはならない

一刻も早く

誰にも捕まらないように

私は、命に代えても

つかまるわけには、

そう、逃げなければならないのだ


ゲームとは、もはや時代にそぐわないのでは無かろうか

子供は、鬼ごっこや隠れん坊を忘れ

自然の摂理を、覚えていないのも関わらず

幻獣を、求めて、車道を、歩き回るような

現実と、非現実を、越えてしまっている

その姿は、もっぱら、子供よりも大人が多く

ただの老人介護を必要とする

夢遊病者のようではないか

私は、携帯で、今日のノルマを、金も、知識も支払われないと言うのに

日課のように、繰り返している

この時間を、別のことに使えば、もう少し

有意義なことが出来るのでは無かろうか

学校のチャイムまで、後30分長

40分は、余裕であるのでは無かろうか

騒がしい、教室内で、私は、広い

と入っても、30センチ無いほどの

パネルを、操作して、その上のマスに

草を生やさせ、良く分からない動物を、動かしている

そのすべてが、実際に、使用された

世界の兵器から、名前を取っているのだから、物騒きわまりない

其れは、擬人化

と言うよりも擬獣化と、言うべきだろうか

文字にすると、擬態化のような、ニュアンスに見えてしまう

しばらく、空想上の盤面で、遊んでいると

前の扉から

数人の生徒が、入ってくる

髪の短い

生徒に混じって、鬱蒼とした

長い髪

前が、隠れて見えない

一見すると

美術系統の部活に属しているか

学校の範囲外で、活動してそうであるが

彼女は、歴とした

陸上部であり

何を隠そう、期待の長距離選手

である

実に、煩わしい

何を好き好んで、あんな苦しみの

自殺行為を、繰り返すのか

常軌をいしている

本当に、疑い

同じ人間か、疑問にさえ思う

ただ

私は、一応、短距離で、陸上部に、在籍はしているが

普段より、その影は薄く、ただでさえ

居ても居なくても同じような

存在であったのが

ついには、私の意志で

幽霊部員と繰り下げ最早なっている

私の前まで、その海藻のような

長い髪が揺れて

現れる

ちらりと揺れる

目は、黒く

化け物じみている

通称 ギョロ子と言われた時代が

懐かしいものである

「やあ」

其れは、小さく

私でなくても聞き間違えるだろう

私は、イヤホンから漏れる

GBMとパンジャンドラムの声を

無視する形で

軽く挨拶をする

時刻は、事業まで、後

五分ほどか

彼女は、前の席に座る

私は、板を仕舞うと、

ホームルームが、始まるのを待つ

何とも、暇な時間である


放課後、私は、いつもの通り

授業が終わると、そのまま鞄を持ち

帰宅を開始する

それぞれが、何かしらの理由を持ち

個別に移動しているが

私は、さして意味もない

いつものように、ぶらぶらと、帰宅をするだろう

それぞれが、部活に向かう中

校舎の端

玄関に、向かい歩き続ける

床を蹴る度に

何か、いらただしげな

感情が、私の中にうずまく

玄関の下駄箱の前には、二メートルはありそうな

巨大な水槽が、あり

其処には、琵琶湖大ナマズが

狭そうに、泳いでいる

その、巨大な、モンスターを、後目に

私は、上履きをはきかえて

玄関を出ると

背後から、声の群が大きくなり

数名の運動部が、更衣室で着替えたのだろう

半袖短パンで、

勢いよく

走っていく

其れを眺めながら

私は、帰路に帰る

私の家から、学校までの距離は、三キロほど

其れは、直線に直せば、一キロもないほどであるが

現実は、其処まで直線ではない

将来、人間が、空を飛べたとしても

交通整理を考えれば

直線も難しいのかも知れない

まず持って、スピードの問題がある

人間が歩いて、ぶつかったとしても、子供が泣くことがあるのだ

そのスピードが、もし、ルール上

定められて仕舞えば、

大変なことが起きるのは、目に見えている

ルールとは、ルールを、助長させるものだ

自転車に、またがると、そのまま、ただでさえ、蛇行している、道を、九十度に、幾度も曲がりながら

結局、寂れた商店街の

ゲームセンターに向かう

ただ、筐体で、遊ぶこともなく

GBM代わりに、UFOキャッチャーの視察や

クーラーの利いた、店内で、軽くゲームをして

帰る程度である

一昔前は、到底、気の抜ける場所ではなかったが

今では、逆に、この場所に来る人間の方が、少数派であるような気がする

もし、金髪のヤンキーでも見かけたら

其れは、かなり珍しい分類にはいるし

礼儀や、マナーが悪い人間を、ここしばらく見ていない

お茶を片手に、適当に、ゲームを、続ける

店内の、同じ騒がしい音が、繰り返される

ぽつりぽつりと、さわっている人間はいるが

どれも、其れを楽しむと言うよりも

過去の遺産に触れている

と言う側面が、強い気がする

其れは、そのときだった

目の前に、人影があり

通りすぎるのかとも考えたが

其れは、動くことなく、其処に立ち止まっており

私は、不審に、思い

手持ちの携帯のゲーム版から、

顔を、上げると

其処には、老婆が立っている

其れは、私の顔を、まるで、機械かフクロウのように

じっと見ている

其れは、感情が、欠落しているようにも

また、それ故に、こちらが、感情を、勝手に考えてしまっているようにも感じる

その姿は、何処のおとぎ話に出てくるのかというような

黒いぼろぼろのマントであり

私は、目を疑う

コスプレか浮浪者か

「あんた、ゲームは好きかい」

ゲームセンターで、聞くことだろうか

電気ゲームよりも、アナログゲームの方が

どちらかと言えば、好きであるが

近年その差は、無くなってきている

たとえば、昔から、オンラインオセロや

トランプがあるように

其処にあるのは、感触と、相手が、画面かどうかと言う違い

後は+α其処に行き着くまでの行動が、画面の場合、ある意味ごっそりと抜けている

この老婆は、店員であり、何かのイベントだろうか

ここの従業員は、やる気のないおじさんしか

見たことがない

「あの、何のゲームですか」

老婆は、其れは其れは、にんまりと

そう言う型どおり

裏切らないような

口をきれいに、汚く歪め

「簡単な、鬼ごっこだよ」

と笑った

そのあまりにも、自然な、迫真の演技に

私は、何か、嫌な感じがした

其れはまるで、まったく

どうも、嘘に感じられなかったからだ

ボケ老人かとも思ったが

その話し方は、快活であり

生前は、さぞ快活であっただろう

「ただ、鬼から逃げるんじゃない

鬼を、追うゲームだ

やるか少年」

最早青年期に入ってはいるが

しかし、老婆から見れば、少年かも知れないし

私の人格形成は、それこそ、そう言うことに当てはめれば、まだ少年なのかも知れない

年齢的には、どうだろうか

「其れは、参加費は必要なんですか」

老婆は、首を振る

其れはいやらしく、にんまりと笑いながら

それこそ、毒ガスが、辺り捲き散らかされているんじゃないかという風に

その体からは、異様な雰囲気が、物体となり

物理として、存在しているような気さえする

いや、陽炎のように、空間が、黒い服のせいか

その出で立ちの演技のせいか

そうゆがんで、筐体が見える

「時間は、どれくらい」

世の中の、ゲームには、殆どが、一時間以内

である事が多い

其れは、技術的なこともあるだろうが

人は、そうそう、他人と、そう、何時間も

同じ事ができるほど

適応できないことも多い

それこそ、そう言うことになれている人間だって

時には、挫折する事が、結構な割合である

それでも、一日かかるような、ゲーム

は、存在する

其れは、テーブルトークアールピージーTRPG

と言うTTRPGが、本当の表記で、正しくすればいいのではと思う

ような、元祖RPG系のアナログゲームだったり

前に述べた、会話で、話を進めて行くものとは違い

其処に、いろいろな、物理的物品を、中心に

回す

ボードゲーム

ほかには、最近もっとも多くの人間が、使用しているだろう事は

所謂 機械ゲームで言うところの

周回とも言えるレベル上げや

レアな物を、一人ではなく、複数人で、獲得するように

仕組まれたゲームなどを、オンラインで、やることが

やはり、人口的に多いのではないだろうか

しかしながら、老婆が、言うのは、どの程度の物か

イベントであれば、一日使用して、屋外で、スタンプラリーのように

いろいろな場所に行き

謎を解いたりするような物もあるが

しかし、さすがに、一晩中やれるほど

私には、学生を、逸脱したような、行為は行えない

私は、飽き性であるし

睡眠不足は嫌なのだ

老婆は、湿り気のある口を開く

「一生」

私は、ここにいるのをやめなくてはいけないだろうか

これは、ゲームのイベントの宣伝文句だろうか

揺りかごから地獄まで

と言うような転生的な搾取か

それとも、ゲームサークルの誘いなのだろうか

どちらにしても、私は、帰るのを、やめなくてはならなさそうである

「其れは、ゲーム内容

なのですか

比喩ですか」

私の前に、老婆は、裾から、箱を出す

其れは良く言く

靴のはこのようであった

「これは」

老婆は言う

「このゲームは、鬼ごっこだ

やりたければ、この靴を、持て

さすれば、ゲームは、始まるだろう」

何処に、一生と言う文字が、付くのだろう

それは、犯罪者という意味で、一生追われるのか

其れとも、町中でやるから、一生終わらないのか

または、金持ちが、殺人鬼でも、町に、離して

莫大な金をかけて、死ぬまで、終わらないように

整備されているとか

「何が、一生かかるんですか」

私が老婆に聞く

気持ち悪く、老婆が鳴いた

これは、実は、人間の皮をかぶった

別の化け物を、私はそう、何となく目の錯覚を引き起こしているんじゃ無かろうか

老婆に見えているだけで、話しているだけで

実は、筐体の機械音を、僕は、勝手に、そう誤認して

まるで、僕に都合が良いように

そんな、マンガじみた、妄想を、白昼夢のように

堂々と、夢の中で、見ているのでは

手で、何となく、強めに指を、こするが

感覚はある

夢で無いという絶対的な、払拭は、存在しないが

今現在、其れを夢だと、断言できる証拠は、

私には、あまり用意できないだろう

「貴様は、数字を知っているな」

数字を知っていない人間がいれば、其れはある意味恵まれているのかも知れない

世の中を支配する洗脳

其れが、文字だ

文字にすれば、其処には、何もない

しかし、まるで、言語のように、この世の中を、人を

動かしている

恐ろしい存在だ

動物は、数を数えるのだろうか

「まあ、一応 詳しいかと聞かれたら

その程度によりますが」

老婆は続ける

「一度知ったら、それからは、逃れられない

もし、数字のない世界にいっても、

其れは、認識し続ける

其れは、洗脳とも、また、必要だと、生命が考えるからだ、エロのように」

この老婆、何が言いたいのか

生命には、あらがえない、知的とは逆の物が、あるというのか

いや、科学的物的証拠とでも言うのか

「其れは、そうなるように、人間が、選ばれてきたからに過ぎない

昔は、車がなかったようにだ」

何の話をしている

懐古チュウか

私は、この話を、さらに、深く聞くべきだろうか

「つまり、このゲームを、始めると言うことは、

ゲームが終わっても、おまえは、終わることができない

そして、其れが、おまえだけでなかった場合

其れは、延々と、終わりを迎えない」

つまり、人気のゲームが、なかなか終わりを、迎えないようなものか

かなり強気の会社である

そう言うのは、結構・・・

「ゲームの概要を、聞かせてもらえるか」

老婆は、腰を、隣の椅子に、座らせ

歳なんでな

と、言うと

「実に簡単な、話だ

これを、履いた者を、追いかけて、タッチ

すればいい」

「そうなると、どうなるんだ」

老婆は言う

「簡単な話 ロスト

ゲームオーバーだ」

「其れはどうやって、判断する

その機械が、最新鋭の靴だとか

または、服でも着るのか」

首を、老婆は振る

「このゲームを、始めた者は

このゲームを始めた者に

タッチされると消える

そして、タッチされた人間が、使用していた

能力を、得ることが出来る」

チュウニビョウか

そうなると、何かしらの能力が、あることになる

鬼ごっこで、何が、使用されるんだ

「能力は、成長するのか」

うなずく老婆

人形のようである

「ああ、走れば、走るほど成長する

しかし、相手を、捕まえても、成長は、するがな

カンストは100

こうなると、操作する人間が、目で追いつけない可能性はある」

僕は、其処まで話を聞いて、二つの疑問を呈した

一つは、そのゲームの最終目標

たぶん最後の一人だろうが

しかし、先ほど言った

逃れられないを、洗脳めいた

もしくは、昨日、知らないことでも知れば常識

的な意味合いかは、分からないが

しかし、一生という言葉

これは、何を持って、終了とするのか

そして、これは、ジョーダンかと思われるのかも知れないが

ロストとは、ゲームにおいて、何なのか

さすがに、死

死ぬ

なんて、不親切な、事は、言わないだろう

これは、言葉のあやであろう

ゲームで、死んだからと言っても

物語で、人が死のうと

私自身の現実まで、それが響かないから

人は、其れを、行動するのだ

老婆に、訪ねると

指を二本出す

ピースをしているわけではないだろう

「一つ」

そう言って、指を折り曲げる

「この大会の趣旨は、夢を叶えることだ

最後の一人

逃走王に、成った者は

夢を一つだけ

かなえられる

そして、その夢からは、誰も逃れるこっとはできない」

どこだ、何処までだ

そして、なんだその設定は

何処ぞの少年マンガか

エロげーの類か

古代より、神や魔物に、願いを、かなえてもらう話は

暇がない

しかし、都市伝説跋扈する現代

いかに、にわかな怪談師が、増えようとも

しかし、現代伝説で

そんな、夢物語は、大抵科学に、抹消され、惨殺している

其れは、バチカンの奇跡認定協議会のような

かたっぱしから、オカルトを否定するようなものだ

嘘くさい

一体、どういう理屈だ物理だ理由だ存在だ

もしも、其れになったとして、其れをいって、莫大な、料金を請求されたり

では、そう言うことで、と終わることが、大半だろう

残るのは、非現実と、現実に、取り残された

阿呆な読者と言うことになる

して、そこら辺は、如何に

老婆は、けたたましく、其れがまるで、馬鹿だとでも言うように

また笑った

「単純明快じゃ

宇宙の心理

新たなるエネルギー

物理を、超越しても

感情世界には行けない

数字では、計れない

別の物を観測する

良い実験として、行うんじゃ」

じゃあわざわざ鬼ごっこではなくても

そう私が聞くと

「まあ、趣味とは、そう言うものだ

血みどろの残虐エログロナンセンス

でも、100人ハーレムでも、問題は、無い

やり方でやれば、何でも、変わらない

ホラー作家がかけば、どんな、事もホラーになるように

恋愛に命を懸ければ、すべてが、恋愛に結びつつ

其れは、数字でも文字でも

何でも、かんでも

そして、たまたま、鬼ごっこでもやれば、良い暇つぶしにでもあるし

どうせならと、作品に、主義主張と個人的趣味を、入れるように、エロ的な何かで

鬼ごっこが、緩和材として、入ったらしい」

私は、頭が痛くなってきた

「あなたは誰なんですか」

老婆は言う

「ただのセールスマンだ」

黒い服装コスプレだろうか

それは、地獄のセールスマンとでも言えそうか

仏教よりも

キリスト権のような気もするが

鬼が、スーツなんて、着た日には・・

「もう一つ

死について」

老婆は、まるで、ろうそくを消すように

指を、最後の一本を、隠す

「死ぬ

そうでなければ、割合が取れない

計算とは、実験とは、一定の行動を、繰り返し

其れの平均を、求めるようなものだ

一回だけでは、正しいのか分からない」

「しかし、死ななくても、観測は出来るんじゃないか」

首を振る老婆

「出来ない、人の死に関する

意味は、無い

しかし、そこで消滅する情報量は、確固たる

素材だ

必要だ」

「しかし、おまえたちの言う

願いは、どの程度、かなえられるんだ」

すべて、老婆は、そう言いきった

「程度問題があるだろう

宇宙をもう一つ作ってとか

全知全能になりたいとか

おまえたちが、計りたい物があるという事は

おまえたちにだって、分からないことが、あると言うことだろう

だとしたら、おかしいじゃないか

その我々には、理解しがたい技術力で

何とかしていれば、こんなゲームを、しなくてすむんじゃないのか」

老婆は、それに対して

「其れは、間違いだ

人間が考えることは、私たちは、制作実現可能だ

其れは、貴様等の考えが、我々の次元以下だからだ

しかし、だからと言って、素材が、存在しないわけではない

君たちは、マンガや小説

ゲームを、するだろう

それらは、物体ではない

非現実を、たぐり寄せるための物だ

本好きは、何もかかれていない

いや、かかれていたとしても、その紙が、好きなわけではないだろう

何かしらの、何かがかかれていなければ、いけない

君は、原爆の数式が書けるかい

タイムワープの仕方が分かるかい

色が、色として存在する理由を、説明できるかい

この世に存在しない存在について、証明できるかい

いずれ出来るかも知れないが

果たして、別の次元に、進入できるかどうかは、話は別だ

我々は、絵をかくだけで、宇宙を、こしらえることが出来る

今君の前に、アラジンのように、空飛ぶマントを、出現させることだって」

まじか

「しかし、面倒だから、やらないよ、それに絵心がないんでね」

老婆は、私をみる

「それで、やるのか

やらないのか」

老婆は、箱を持っている

「何人参加するんだ」

老婆は首を傾げる

「さあ、参加したいだけの人数だ

始まりは、始めたいとき

それ故に、終わりは、分からない」

私は、頭を抱える

其れでは、終わりようがないではないか

たとえ、一人でも、さらに参加者が現れないとも

限らない

その上、ゴール条件が、長すぎて、対価として

あまり、欲しくはない

「期間は、一ヶ月

場所は、この都市

一帯

地図の区切りとしよう

最後に残ったもので戦えば、一人くらいにはなるだろう」

僕は反論する

「いや、そうはならない

参加する時期が、終わりの数秒前だったら

どうなる」

老婆は

「まず、練習という言葉がある

一輪車に初めて乗る人間と

そうでなかった場合

子供の頃からの音楽家と

そうでないのと

その程度の違いは、あるだろう」

つまり、練習しなければ、対戦相手にもならない

つまり、早ければ早いほど有利だと

「まあ、過去に、一秒で、乱入して、王者を、負かした素人も居たから、遊びたい奴だけ

やっている風でもある」

もうだめかも知れない

やる気がそがれる

「もしも、世界の破滅なんて、願ったら

大変なことにならないか

おまえ等じゃなくて、僕たちが」

魔女は笑う

「其れが私たちと何の関係があるのでしょう」

駄目だ、駄目かも知れない

そんな奴が、果たしているかどうかは、分からない

しかし、果たして、こういう場合、勝のはどういう人間なのか

これは、ゲーム的に

身体能力なのか

それとも、技術的なものか知的な記憶の問題か

「ちょっと待て、過去に、行われたと言ったが

何が行われたんだ」

老婆は、「さあ、かくれんぼ 大富豪 まあ、比較的

鬼ごっこが多い

そのときの一例として

世界を望んだもの

不老不死

全く、文字で、そう記すだけなのだから、笑えてくる」

全く笑えない

「其れは、世界が同じなのか」

老婆は首を振る

本は、数あれど、その世界観は、皆同じか

本を書く人間は、現実にいるが

本は、共通した世界にない

其れが使用する道具や思想は、同じかも知れないが

世界観は異なる

その差を、君たちが、理解することは出来ない

そして、本だと気づくこともないだろう

なぜなら、そうなるように、進化しているからだ」

エロのように

私は、頭を抱える

「じゃあ、俺が死んでも、それは、作者が書いた通りじゃないか

わざわざ、何かする必要もない

それも作者が考えたこと

意味はあるのか」

絵の中の登場人物は、

別に、作者が、全部知っているわけではない

そして、われわれは、その絵に、実験させるのだ

どういう行動を起こすか

絵は、ストーリーではない

そう見ることも出来るが

見ないことも出来る

背景は、語ることも出来るが

語らなくても良い

でゅゆあんどすたん」

下手な英語が聞こえてくる

実は、和製英語何ではないかと疑いたくなるほどの

発音だ

「長々と、喋ってきたが

死とはロストとは、絵から消失する事で良いんだな

それに意味はあるのか」

さあ

女は、答える

時間は長く

話してしまったのか

電子音の中から

夕暮れの曲がサイレン音となり

ここまで聞こえてくる

長居しすぎてしまった

ほんの15分ほど

遊んで帰るはずが

どこかの劇団員のおばあさんの

度胸試しに、つき合ってしまったようだ

最近では、ラノベも読むのだろうか

いや、昔から、人間の感情など、あまり変わっていないのかも知れない

例えば、ジェイホラーは、日本の物と言うよりも

海外の物を輸入している

ゾンビが、某国では有名だが

それは、商業主義と言うだけで

その国民感情は、さして変わらないだろう

怪談話を、例に取れば、世界各国、その本質は、あまりにも変わらない

のっぺらぼうと幽霊

どちらを怖く感じるか

それは、作り方にもよるし

出し方にもよる

どちらも、恐怖として語られるが

それは、どちらを選んだかにもよるだろう

私は、その普遍性を、感じながら

その場を、去ろうとしたが

しかし

何となく、気になり

「これ、本当」と聞くと

老婆は、箱をつきだした

私は、その中に、ただのシューズか

それとも、白い紙が、ぐしゃぐしゃになっているのか

そう考えたが

どうも、興味を、多少引かれる

これで、あけなかったら、夜眠れないかも知れない

勉強できないかも知れない

ご飯食べられないかも知れない

私は、逃げるように、その場を後にした

部屋の机の上

鞄の置かれた横に、

見たことのないメーカーのロゴが書かれた

茶色い段ボールの箱が置かれている

私は、もらったは、良いものの

いざあける段階になり

あけずに、机の上に置きっぱなしになっている

なんと言うことだろう

宿題を、しながら、思案に思う

あんな事になるとは、この時、予想だにしてさえ居なかった


道を歩くと、向こうから妙な、人間がやってきた

それは、大道芸か何かのように見えるが

妙なことに、其れは、蚤か何かのように

人の頭上

一メートルは、確実に、飛び跳ねて、歩いている

意味が分からない

トランポリンでは無さそうであるし

足には、小さなバネのようなものが

遠くから見ることが出来るが

そんな高性能なものが

この世の中にあるとは、知らなかった

私は、あのよる、不意に、段ボールを、あけると

銀一色の

白銀に近い、存在が、暗い蛍光の下に、置かれ

紐で結ぶようになっているようであった

果たして、誰がこんな派手なものを、付けるのだろうか

そうは、思ったが、実際に、装着してみなければ

これが、ただの、銀一色のスニーカーだとも限らない

私は、紐をゆるめると

ぐにゃりと、妙な、感覚に陥る

しかし、其れは、紐の素材が、妙だという事にして

そのゴムのようなものを、解いて

靴下を履いた

足を、運動靴に、入れる

何の変哲もない

くつである

少し、部屋を、歩くが

靴である

靴以外に存在しない

ただの靴

くつ くつ ぐつである

なんと言うことか、やはり

私は、あのばあさんに、こっぴどくだまされたのだ

これは、あの老人の自己満足のために、わざわざ見も知らない学生に、靴を渡す程度には、その料金も

キャッシュバックされたのだろうか

私は、其れを、箱に仕舞うと、寝ることにした

学生の朝は、早いのである

寝なければ、継続は出来ない

継続するほどのことか、はたはた疑問である

技術が、自然を、越えた瞬間は、いまだにない

継続可能なのは、せいぜい、人間の生体を継続させているくらいであり

いまだ、共存さえ出来ていない無能集団である

眠い

無意味なことを考えれば考えるほど

無駄に、脳味噌に積み込んだ

無駄が、こぼれていく

無駄に、無駄を積み込んだ

無駄が

無駄となり、無意味に期していく

其れはまるで、感情に、動く人間のように

元素は、喋らない

喋るように、感じることは出来るかも知れないが

人間は、科学に、使われているのだろうか

知っているだけなのだろうか

流行廃りの中

我々は・・・


日曜日だと、気が付いたとき

土曜日が無くなって早久しい事に、気が付く

最近、時間の感覚が緩くなり

これだったら、日曜日さえいらないほど

頭が混乱している

時刻は、なんと言うことだろう

いつも起きる時刻である

こう言うときだけ、時間は、遅く調整しても良いものだろうが

私は、暇つぶしに、外にでてみることにした

どうせ、家にいても、大差はない

靴を履くと、表にでる

何処までも、いつもの通りであり

徐々に歩けば歩くほど

人通りは、多くなっていく

その中で、私は、誰とも無い

誰でもない人間として、歩いていく

何か目的もないが

とりあえず、ショッピングモールで、買いもしない

服を見ながら

ぶらぶらするつもりである

辺りは、食べ物を持ったもの

にこやかなもの

様々である

しかし、一様に、皆何かしらの

意志を、もって行動して言うはずだ

夢遊病者だって、そうだろう

何も考えなければ・・

いや、そうだとしても、本能で、反射的に、動かないとも限らない

脳と体は、違うのだ

体があるから脳は動くのか

脳が体を動かしているのか

実は、脳だけでは、人間は、形成されないなんて事があるとすれば

一部のSFは、破綻する

波の中

体を持った脳達が、独自に

もしくは、波に揺られるように、行動している

私は、その流れの中で、其れになろうとしているとき

前方に、妙なものをみた

明らかに其れは、妙である

何であろうか

道の真ん中に、何かが付きだしては消えている

大道芸人の一つかとも考えたが

妙である

其れにしては、周りの人間は、それに気にもとめていないし

なおかつ、あんなところで飛んだら

危ないことこの上ない

となると、幻覚や、幻想を、疑うが

其れは、肉眼にはっきりと、写る

白い服

白い帽子

目には、見たこともない

白いサングラスのようなものを、付けている

本当に、人間か

昨日の今日である

演劇関係者の可能性もあるが

世の中には、そう言う趣向をもっている人間もいる

しかしだ、其れが、個別ならまだしも

行も人が多いところで、あれだけ誰からも、存在を

認識されていないなど、意味が分からない

やはり、これは、夢の続きだとでも言うのか

手をこするが、感覚がある

夢ではないのかも知れないし

やはり確認は、取れない

其れは、徐々に、近づいてくる

全く何と言うことだろう

私の目には、徐々にあがっていく

その謎の男の足に

あの白い靴を、見たのである


これは、宇宙人が、人間が喪失するときに出来る

歪みを、対価に、行われる超オニゴッコで、ある。






白い男は、私の方へと、向かってくる

それに、何の意味があるというのだろうか

私を、追っているのか

そう言えば、鬼ごっことか、あの老婆は、言っていた気がする

そうなれば、もう、それは、私があの箱を、手に取った瞬間から、始まったことになる

何て言うことだ、さわらなければ良かった

しかし、その後悔と同時に、

前方から、ジャンプ男が、まるで、歩くように、人の中を、進んでくる

殺し合い

そんな文字が浮かぶ

非現実

鬼ごっことは言っても

これは、さわられれば、消えるという

何と言うことだろうか

そこで、私は、疑問に思うことがあった

私という存在が、タッチを、意識せず

相手に触れた場合、其れは、消滅するのだろうか

もし、相手が、ゲーム参加者だとして

無意識に、握手とか、すれ違ったときに

当たった場合

いや、両者の手が、同時に相手に、触れたら

それこそ、同時に消えるとか

引き分けになるんだろうか

いや、大体

相手が、選手かどうかも分からない

これは問題だ、砂浜で、コンタクトレンズ

的、話にならないだろうか

どうやって探せばいいと言うのか

まさか、確認のために、誰彼かまわず

さわりまくるなんて、犯罪じみているとしか言いようがない

相手との距離が近くなる

私は、一時撤退を考え

相手が、来そうにない、さらなる人混みに紛れ

逃げるように走る

シルバーの靴は、やはり、普通の

ごく一般的な靴で、何か性能があるようには思えない

どこかに、スイッチかボタン、ダイアルでも、あるんだろうか

それとも、喋るとか

まさか、念じるとか・・

こういうものは、遺伝とか鍛錬とか、言うが

もし、空想上の武器や妄想だとしたら

果たして、何にするだろうか

相手は、バネのように、行動している

其れは、将棋で言うところの桂馬なのだろうか

使いずらそうである

上に飛んだときに、石でもぶつけられたら

逃げようがないではないか

「いた」

背後で声がした

見つかったのかと思ったが

どうやら、あの男が、誰かとぶつかったらしい

それで、身動きがとれなくなったようだ

私は、これ幸いと、人混みから隠れるように、露地に行き

一件の商業施設に、紛れ込んだ


何もないような、空間

いや、実際には、ごったな机や、箸スプーン

ウェイトレス等々が、がやがやと、色々なものを運んだりしている

ここは、パフェの殿堂

「クルオシイ」

三百種類を越えるパフェの品ぞろえながら

基本は、生クリームのみの

「本白」と呼ばれるものが存在しており

其処から、多大なる種類がカンブリア大爆発のごとき

広大に、広がるのだ

其れは、しょっぱい物から良く分からない物まで

一種 スーパーの食材売場のような、体を要しているが

其れもそのはず

この店の下には、ここら辺で、もっともやすいと噂の

「安平」が、店舗を構え

繰雑な音声が、ここまで聞こえてくる

基本から少しはずれるのに使用されるのが

触感

または、別の素材と言うべきところか

甘さの種類を、二分するのであれば、前に申し上げた

生クリーム

そして、カスタードの黄色が、混入される

乱雑なる、パフェの一種デパ地下のような

繰雑な、詰め込み方からは、離れ

その二つがおりなうことにより

其れは、食べやすいと言う満足感よりも

高級なケーキでも食しているかのような

一種 味のミルフィーユを、楽しむまでに、押し上げられている

一つの味を、混ぜることにより

別の味を、出現させる

しかし、大抵は、それに意味など求めてはいない

コンビニのケーキに、おいしさを求めているか

其処にあるのは、大量のそこそこの生クリームを、食べれるかどうかであり

高級感など、求めていないのだ

それは、大袋のポテトチップスのように

途中で、味に飽きるだろう事を、見越して、濃い味になる

それ故に、かみしめて、一口を、食べることなど

存在しない

使用方法が、明らかに違う

そういう意味では、ケーキの世界を、パフェに、主力として持ち込んでいるのは、面白いことと取れる

普通 パフェという物は、下に行けばいくほど

すっきりとした、シャーベットや、コーンフレークのような、しゃりしゃりとした触感

そして、ヨーグルトに類する

さわやかな酸味を、有することで、飽きを

無くすことが出来る

しかし、驚くべきことにこの店の場合

容器が大きくなればなるほど

上から下に行くに辺り

甘さ控えめ

すっきりとした

いや、最早、同じ生クリームではない

全く別物と、言って良いほどの

生クリーム類が、使用され

白一色に、言われそうな、其れは

しかし、明らかに、わずかな、微細な色の変化を、称えている

そう、恐ろしいのは、この場所は、あくまでも、客に、味わいを、強要する教養が、必要なことになる

格好は、それぞれだが、しかし

その面構え

意気込みは、

まるで、歴戦のラーメン屋にも似た

一種独特な存在感であり

主婦女子高校生子供家族

オッサン

等々

千差万別な人間の目は

なぜか皆同じように、何かを見たような目をしている

其れは、この場所に、躾られたとも・・・

私は、パフェが来るまで

ボーと

窓を見ていると

不意に、妙な物が、目に映った

其れは、UFOから、降りてきたような

または、少女マンガから、出てきたか、出勤前の

ホステスのような

真っ白な服

子供が見たら、歓喜して、マジックで、衝突してくること間違い無しである

そんな、服装が、まるで、看板か何かのように

二階の店の窓から

外に見える

私は一瞬目をそらそうとしたが

明らかに、そいつは、こちらを見ている

私が見ていなくても、其れは、明らかに、私へと、視線を向けている風であったが

私は、其れを、わざとミリ単位で、ずらすことで、私は何も見ていない知らない

別の誰か何じゃあーりませんかと、言うスタンスを、机の上でとる

其れは、ベストスタンスと言っても、過言ではないはずだ

しかし、スーパー安平の音楽が、わずかに流れるような

中で、何かが、聞こえてくる

其れは、UFO-キャッチャーで、キャッキャと金が吸い取られている人間に近い

少なくとも、職人か何かのように

目がとんがった、必殺仕事人のような捕食者の目ではない

「おーい

鬼ごっこやろうよ」

私は、周りの人間が、それに気が付かないことに、最大の不信感を、覚えながら

しかし、確実に、幻想のような物が、目の間にいる

ストーカーでもこんなにダイナミックではない

いや、ストーカーなら、こんな、ダイナミックなわかりやすいことはしないのか

これはどちらかと言えば、遊び

そう、遊びに誘う、同級生のようなものであるが

しかし、少なくとも、目の前の、白い男は、

到底そんな年齢とも思えない

遊びに年齢など存在しないが

しかし、目の前のガラス戸に写っては消える

其れは、到底、見ず知らずの人に向けて良い態度ではない

大人であれば、遊び方を、変えても

分からないようにしても良いはずだ

何をやっているだ

もしここで私が、このよく分からない

ビックリ大道芸人バネ人間と、鉢合わせしたとして

其れで、「はい、タッチ」と、タッチされかねない

しかし、其れが、何なのか

何を知っているのか

と言う、情報交換なら、まだ意味はありそうだが

しかし、奴は、のんきにも

・おにごっこしよう・

と言う、単語を、自ら発している

つまりは、やる気満々

殺す気、満々の

サイコパスみたいな

素直なやつではないだろうか

そんな、飛び出したら、止まらない鉄砲玉

のような奴が、いきなり、やっぱやめたと

さわって、来たとしてもおかしくはない

私の出来ることは、逃亡だ

泣く泣く

お金を、千円

置くと

私は、いそいで、店を出ようとした

「みーつけた」

私は、そのとき、もっと早く行動していればと言う思いと

しばらく、窓に、男の影が

写っていなかったことに、失念していた

不覚である

「ちょっと待て、こちらに来るな

触るな

何があるか分からない」

男は、面白そうに、こちらに手を出してくる

何て奴か

子供か、子供なのか

だから、あんな靴をとって、しまうんだ

手に

「やめい」

ウェイトレスが、店員が

迷惑そうに見ている

客の目も何となくそういう風に見えてきた

「まあ、すわろうじゃないか」

男は、勝手に、飽きたのか、私が居た席に戻ると

パフェが一つ運ばれてくる

「・・いい」

何が良いのだろうか

男は、私に何か目で訴えてくる

何という奴だろうか

自分よりも年下と、思われる人間に

こいつは、パフェを、強奪しようと言うのか

「自分で払ってください」

つめたいねぇ

と言う相手を無視して

私は、押し黙る

ここでもし、店員でも呼ぼうものなら

その隙に「はっい ターィッチ」

とか、言われかねない

其れは、断固阻止しなければならない

知らない人に、ついて行ってはいけないのである

其れが、昨日の今日である

知らない、箱は、もらってもいけないし

受け取り拒否して、お金を払ってはけないのだ

「何、食べないの

じゃあ」

男はそういうと、ウェイトレスに、手を挙げると

僕と同じ物を

と、もう一つ注文した

してくれた

「僕は君の分も払うよ

何せ大人だからね」

何処にも大人な言動はない

其処まで大人というのであれば、さりげなく何も良わなければいいのだ

其れをわざわざ言うところに、大人の美学でもあるというのだろうか

「それで、君は、いつから始めたんだい」

私は、これは言って良いのか、それとも駄目なのか考える

昨日の今日で、こんなところであったのだ

初心者殺し何て言うのが居るのかどうかは分からない

何せ、始まりが何処にあるのか、分からない

もしかしたら、前のゲームの生き残りが居てもおかしくはないのだ

そのときの、装備がそのまま受け継がれていたら、目も当てられない

しかし、その反面

あの老婆は、最後の最後で、分からない

ただ、ゲームを、長く遊びたいだけ、何て言うことも言っていた

つまり、プロも素人もあまり関係がないと言うことだろうか

では、なぜ目の前の男・・

いやいや、まだ何も分からないではないか

「昨日、箱をもらいまして」

男は、スプーンを、持つと

「君も災難だね」

そういって、また、銀色の棒を、ガラスの丸い

器に、入れる

「何か聞きたいことはないかい

有料で教えて上げるよ」

何という大人だろうか

うそうそ、と言っているが、こいつが知ろうとではないと言う保証も、逆も待たしかり無い

「あなたは、どうして始めようと、と言うか、これは

どういうルールなんですか」

男は、めを見ひきらく

「君、箱の中の説明書も、見なかったのかい

死ぬよ

いやはや、良く生きていたね」

と言う言葉が、重くのしかかる

いや、そんなもの・・・

そういえば、包み紙が

いや、そんな物はない

無かったはずだ

しかし、記憶がない

ぽっかりあいたように

まるで、何も見ていないような

そう、私は、興味を完全に失っていた

「まあ、ギャグはおいておいて」

何がギャグなのか、私には、到底分かりかねたが

しかし、明らかに、関係者っぽい人間だ

何かしら、何かを知っているらしい

「君、駄目だよ、こういう世界で、自分が素人なんて分かっちゃったら

僕みたいに、すぐに、殺しに来ちゃうから

ただでさえ、服装の白い男の

顔が白く見える

青白い程

「なーんてね」

全く笑えない

それこそ、ですゲームのおきまりのようなせりふに

まさかと

少々、胸をときめかせた自分が、バカのようだ

いや、バカなのだ、そんなしょうもない

非人道的なことに、喜ぶのは

推理小説感情派とゴジラが暴れて喜ぶような壊滅主義者だろう

どう言うわけか、ゴジラは、森ではなく

都心に現れるのは

そういう場所だけ、クローズアップされるだけか

それとも、自然主義なのかも知れない

第一、そんなことを言う人間など

大抵はチュウニビョウだ

精神病棟に、送られてもおかしくない

夢遊病者の一種だろう

其れが、趣味趣向でもあれだが

まじ

になれば、それこそ、ロスト案件だ

問題なのは、発想とは、基本チュウニビョウ患者ともいえる

そのもうもうたる物が

戦争兵器に、思えてならない

レイザービーム

ゴーストパワー

核爆弾

竜巻発生装置

パンジャンドラム

暇がない

発展とは、科学とは

戦争という

驚異的な疎外感による

緊急避難が、見せる妄想

そういうとき

ただでさえ、駄目だと言われる政府が

高速道路 新幹線 施設を、作るように

兵器を、生みだした結果が、これだ

これは、そういう物があるから、使ったのか

使う予定だったのか

現実に、日用品として使われている物は

確実に存在する

それにしても、目の前の男の言動は、無いだろう

その歳で、年若い物に

うそを平気で言えてしまうなんて

パンクを通り越して

バーストである

「何だい、その面白い顔は、

君、そんなことをしていたら、本当に、つかまっちゃうよ

目立つからね」

そのまま帰ろうとも思ったが

しかし、本当に何かを知っていないとも限らない

度重なる裏切りも

私の心を乱し

その隙に何かをねらって居るとも限らない

または、こいつは、寄生虫に、寄生されたかのように

誰かに操られている駒とも

そう思わなくても、動いて居るとも限らない

なぜなら、何か良く分からない

超常的何かが、起こっていれば、洗脳のような

ことをする奴が居ても分からないではないか

「まあ、僕も、昨日もらって、表にでたら

ビョーンビョーン

飛び跳ねるんだもん

おもしろくておもしろくて」

何がおもしろいのか、分からない

もしかすると、ただ

バネが、ついている

靴を、もらっただけなのではないか

「あの、すいません、そのバネのような

靴は、あなたが望んでもらったんですか」

男は首を振る

「ッチッチッチ

違うよ、これは、バネの靴ではない

人間に、目視されない靴なんだよ」

透明人間

其れは古来より

夜這いや覗き

強盗

等々

犯罪行為以外で、あまり使用されてこなかった

反則的なものであり

時に、光学迷彩として、使用される

光景が、作られてきたが

しかし、今のところ、まじかで見て分からないのは

だまし絵か擬態昆虫くらいだろう

「先ほど、ウェイトレスに、何か言っていたじゃないですか どうして見えるんですか」

男は、不適に笑う

実に不敬だ

「単純な話だ

そういうもんだろ

こう言うのは」

そんなわきゃねーだろう

と、言う思いは、置いて置いて

其れがもし本当だったら、不思議なことが、もう一つある

「じゃあ、何で、僕には、あなたが、見えたんですか

それとも、参加者には、見えるとか

だとしたら、不利ですよね

そこら辺、どういう感じなんですか」

教えてくれるとは思えない

それこそ、重要な、情報だろう

別の情報交換の方が、良いだろうか

何か・・ルールとか

「これは、何を隠そう

一般人には、見えなくなるような

そんな、マカ不可思議な装置なんだ

すごいだろう」

何て言うすごい装置だ

それで、何が、出来るというのだろうか

「それで、何が出来るんですか

やはり、不利ですよね

参加者に見えるのは」

男は言う

ふてくされながら言う

「そうは言っても、そういう昨日だから仕方が無いだろう

配られちゃったんだから

その内、見えなくなるとか」

そういえば、老婆が、レベルが上がると言っていたな

しかし、良く分からない

だとすれば、初心者と経験者の間に、それなりの

ブランクが、開くはずだ

其れは、経験値的に不利では無かろうか

「どうして、僕だけ、見えることが、分かったんですか

何か、目印かGPSみたいな掲示板でもあるんですか」

男は、パフェを、飲み込み

「感だ」と嘘くさいことを言う

そんな馬鹿な

何処の世界に、感で、相手を見分けるすべがあるんだ

何か、隠していることがあるんじゃないか

其れこそ、まだ知らない機能があってもおかしくない

例えば、脳内に、話しかければ、勝手に、マップがでたり

解説したり

赤い点で、居場所を教えてくれたり

なんとなく、脳内に、ゲームの説明

と言うが

僕が、頭の中で、そう、考えたに終わった

「どうしたんだい、難しい顔して

一般人がいくら考えたところで

バトルロワイアルは、泥仕合だよ

ああ言うのは、国とが軍とかマタギとか

そういうのに慣れた人間同士が、行うから、見れるわけで

知らない素人が見せるのは

見るに耐えない

素人喧嘩だよ

其処で、君は、一体どういう

靴を、持っているんだい」

私は、考える

教えてもらった手前

知らないとはいえないが

しかし、ここに来て、私は、疑問というか

問題を知る

この靴が、一体どういう、性能を、装置を、何かを、

持っているか

私は、今のところ全く知らないのである

「あのすいません」

なんだい、と男

「その、何か、やり方はあるんですか

その何かを、出現させるためのスイッチとか」

男は、真剣に僕に言った

「さあ、適当じゃないかな

気づいたら出来ていたし」

そんな馬鹿な話があって良いものだろうか

店に来るときは、飛んでいなかった

それに、一つの靴に、そんなに、性能が、あるのだろうか

そういえば、老婆が、何か言っていた気がする

「君は、何が望みだい

なぜ、このゲームを、やろうと、考えたんだ

僕は一つ

世界平和だよ」

嘘くさい

何を持って平和か

分からない時点で、その願いは、本当に、かなうのか

かねられるのか

もしかして、幸せに暮らしました

お終い

とか、いい加減な、ことを、運営は、するんじゃ無かろうか

「ちなみに、質問良いですか」

私は、なぜ見ず知らずの人と

こんなに話しているのだろう

もう、パフェが来ているというのに

手が着けられていない

落ち着かないのである

油断も分からないし

「何だい、答えられることなら

何でも答えよう」

口に白い生クリームが付いている

「世界平和って、どうする気ですか

あなたは、何を持って」

男が、指を振る

何か、おかしいだろうか

「無言 其れが、世界平和と言うものじゃないか」

そんなわけがあるか

そう思う反面

一応聞いてみることにする

「人は、言葉があるから、物がスムーズになる

一方

其れがあるから、傷つくのだ

言葉がなければ、人は、人を思案する

其れは、肉体言語だよ」

ひょろひょろとした体で、どうしてその単語に行き着いたのか

それとも、細マッチョなのか

細マッチョだというのか

「それ、戦争に、なりませんか、わかり合えないって

なって、今現在、均衡を保っているのは、

相手を牽制し合っているからです

そのパワーバランスが崩れないように

必死になっているというのに

其れだったら、国境と、言語を、統一してしまえば

争いも起きないんじゃないですか

少なくとも、戦争と言う意味に置いてはですし

内乱がないとは言いませんが」

其れもそうだね、僕が一番になったら

其れも考えて見るよ

男は、そういって、僕に、手を伸ばしてきた

「友情の握手だ」

僕は、原子力の核融合を、綺麗だからと言って、

触るような奴ではない

かといって、ここで逃げたら

また追いかけられそうである

人によって、目的は、違うが

しかし、ここで、こうして、だべっているのが、目的ではないとしたら

話は違ってくる

「目的は何です

僕に触れて、能力を、奪おうと考えているんですか

あなた、能力もう、誰かから奪っていますね」

そして、握手に関しても、もし

相手が、其れをタッチだと考え

もう一人が、単なる握手だと考えた場合

其れが、相手にとって、鬼ごっことしての

タッチに、なりかねない

もし、両者が、タッチだと考えた場合

ドローだとしたら、やるだけとくと言うことになる

もし握手する寸前で、別のところを触れた場合

其れは、確実に、作戦として、奇襲として

成功しているが

其れが到底、走って逃げる鬼ごっことして、情けないと思わずには居られないが

「どうしたんだい

怖いのかい」

挑発か、挑発なのだろうか

相手は、そういって、無言の威圧のように

手を差し出してくる

「あの、すいません」

なんだい

「これ、タッチすることで、鬼ごっこになりませんか」

男は、さも心外そうに

「最近の子供は、潔癖性と聞くが

しかし、握手も・・・ほんまや」

男は、危ない危ないと

手を引っ込める

無自覚か、それとも、天使の策略か

赤ん坊のような、無邪気な顔して

其れが、本気なのか

それとも、策略か

行き着く先は、進化の果てか

私は、帰ります

と言って

立ち上がろうとした

「待ちたまえ、君を呼び止めたのは、他でもない

共同戦線を、張らないか」

私は、振り返る

白いクリームが付いていなければ、多少ましだが

しかし、怪しい口車であるように思う

「あなたどうして、二つの能力を持っているんですか」

男は、言う

「どちらも使えない能力だからに違いない」

そんな、何の力になるかも分からない

人間と、接触した日であった


男の名前はキガラシ  ゴロウ

通称キジと、呼べと言われた

あの後、もう一度、話し合いを、行ったが

結局

ゴロウと言う男が、限りなく

感で動く人間であること

そして、相手の言うことを信じるのであれば

能力は、二つ

バネのように跳ねる靴

と、一般人に見えなくなることが出来る

ただ、実体は、存在するようで

普通に、歩いていたら

突き飛ばされるという

其れは、良く言う

透明化の時に

トラックに引かれる類の人間では無かろうか

「何に使えるんですうか」

私が、聞いたが

首を傾げるばかりで

のぞきじゃないかなと、真顔で言っている

もちろん、敵方の視察だとも言っていたが

この男は、私に存在が、見られていることに

気が付いていないのだろうか

脳の一部まで消えているという事はないだろうな

そのことについて、ああ、確かに

そうかそうか、ダブルでお得

と言っていたが

やはり不安だ

わざとなのか

どうなのか

ルールに置いて、詳しいことは、分からない

「僕をタッチしないんですか」と聞くと

「まあ、おいおい」と恐ろしいことを言う

僕たちは、結局

二杯目のパフェを、食べて

それから、店の外にでた

もちろん僕は、後ろにいる

「まあまあ、そんなに、恐縮しないでよ」

たぶん

パフェをおごって、もらったことを言っているのだろう

「しかし、君の能力が、知りたい物だね

気になるね」

僕の能力と言うよりも

機械の能力だろう

表にでると

恐ろしいことに、夕暮れの影が迫っている

太陽が、遠いせいだ

遠ければ昼も夜も無いだろう

いや、一日中夕暮れのような空の可能性はあるが

そんな可能性は、ごめん被りたい

誰かが望んでも

そこら辺に、諍いはありそうだが

あの後、モモ談義に、花が咲き

結局、長々と、人の求めるべき物とは何か

其れは、生物的に正しいのか

科学的である物なのかと、談義したが

しかし、一向に、答えなどでることもなく

ただ、其処には、良く分からない

機械を、足に装着したことのある

男が二人、存在していたに過ぎない

結果、この時間まで、だらだらと、不毛な論争を、繰り返してしまったという事になる

私は、階段で、彼の背中をみる

実に、白い

白々しすぎるほどに

私は、ここで、タッチしたら、本当に、消えるのだろうかと、疑問に思うが、

其れはやめておいた

やったところで、何かしらの、罪悪感が生まれたらどうすればいいと言うのだ

正義感とは、其れをやる理由が必要であるが

しかし、私には、そんな大義名分など存在せず

もしやるとすれば、行動を、起こさないようなことだろうと、考えた

「ねえ」

前で声がする

階段の入り口が見えてきた

「君はこれからどうするつもりだい」

どうするとは、鬼ごっこのことだろう

「もし、君を、捕まえようとする物や

君自身が、捕まえなくてはならなくなった場合

それでも君は、逃げるのかい」

男の背中は、振り返らない

もしここで本当に、消えても

この嘘くさい男に意味はあるのだろうか

私は、揺れるような、めまいを覚えながら

ゆっくりと、階段を下る

悪意

好奇心

実験

私は、ゆっくりと、足を、下へと伸ばす

「まあ、とくに、理由が、ありませんから」

私は、表にでると、夕暮れが、辺りを包み

近代的な、施設を、闇にとかしている

早いところでは、ライトが点灯アップされている

「この後、どうしますか」

私は、何気なく聞いてみた、もう両者、変えるという感じである

しかし、不意に立ち止まったと思った

その背中は、倒れるように、私へと向かう

其れは、刹那、私の顔の横を滑り

私が、とっさによけなければ

すぐに、後から迫った

手が、私を、捕らえたに違いありません

「何するんですか」

私の、声に反し

「あーあ 残念無念失念呆然と

君に、言わなければ行けないことがある」

私は、そのとき、目の前に、その男以外に、

数人の影を見た

見たそれぞれ、白い靴を、履いている

「私は、一つの能力を、有していて

其れが、二つだと、しかし

実際には違う

私は、誰からも見えていて、其れは、君もそうだし

私もそうだ

つまり、一般人に、見えているという事になる

其れがどう言うことか、君には分かるかい」

全く分からない

何が得だというのか

「君には、分かるまい

何せ、僕は、お金持ちだからね」

何の話だろう

これが、このゲームと何の因果関係を

結ぶというのか

「君が、靴の箱を持って、移動している姿を、僕は、監視カメラで、確認した

其れも、僕は、この靴の存在を、知った、一週間後の話だ

この靴は、奇妙きてれつだと言っても良い

一見して、ただの跳ねる靴だが

技術者に聞いても、全く原理が分からないと言う

其れは、レントゲンを撮っても、普通の靴

としか言い様がない

其れこそが、不可思議、なのだ

では、一体どうやって、これは、バネのように飛ぶのか

私は、この靴を受け取ったとき

から、上表収集を、始めた

君は知らなかっただろうが

今日この一体にいる人間の殆どは

すべて、僕の支配下にある

桜のようなものだ

其れは、パフェの店内でも、同じ事がいえる

私は、靴の正体を知るため

この町の、至る所になる

監視カメラを、さらに増設し

監視を続けた

理由としては、防犯の向上

だが、実際は、おかしな靴を、所有している人間を、探るのが目的である

そして、ゲームセンターから、君が、出てきたのを

私の主が、発見し

君にコンタクトを、取るように指示したのだ」

「ちょっと待ってくれ

其れじゃあ、君は、靴を受け取ったのかい

だとしたら、そんな大事な被験者を、わざわざ、危険なところに、送る意味は、何処にあるんだい」

男は、さも嬉しそうに、首を振る

「君は、勘違いしている

先ほどの言葉は、言葉のあやと言う奴だ

もちろん、そんな、いや、能力は、あくまでもたとえ話だ

実際の能力は、別だ

しかし君に知らせるわけにはいかない」

じゃあ、君は何なんだ、なぜ、ジャンプしていたんだ

君も靴をもらったんじゃ

男は、首を振る

背後で、白服たちが、現れ、何かを、出している

「君は、私がどういう風に見えたんだい」

私は思う

「まるでトランポリンのようだったと」

そう

男はうなずき

私は、人混みの中

そして、一階から二階に

飛んで見せた

私の身体能力を使えば、この程度

そう言うと、彼の背後に、小形な、トランポリンが、組み上がる

「実に簡単なことさ」

そんなことをしなくても、

普通に話してくれれば、良かったのに

そんな言葉は、自信満々に言う

その白い男には、夕暮れ時の暗さを前にしても

意味を見いだせずにいた

其れが、白銀財閥との接近である

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