「殺伐」を含む小説

私が鏡を見るたびに髪を梳いてくれる琉唯姉。でもその姿は私には見えない。他の人には見えるらしいけど、見ると発狂して二度と正気には戻らない。だからほんとうはなにを見たのかわからない。

美しい髪を持つ女を殺し、その頭皮を自分に移植することで完全な美を体現しようとする女、『天牛』。今回の目標は、美しい黒髪をもつ『鴉』と呼ばれる女暗殺者だった。天牛は鴉を人気のない路…

※ 2021/4/16 改稿版 公開 【殺伐感情戦線：第11回】お題「霧」 感染症の流行を抑えるために投入された医療ナノマシンによって汚染された街があった。 空中に漂うナノマシ…

※最新作連載中です！ この世界では人間を食べようとする怪物がいる。 そして彼らを倒すために、人間たちはまるで進化でもするかのようにして「呪い」を作り出した。 呪いに身を染める…

「それ」はいつも霧に紛れて私のところへやってくる。 わかっているのはただ二つ。 彼女は「処女の血」を求めてやってくる、ということ。 私が「血の巫女」に選ばれたということ。 人々は…

昔々、ある国に、深い霧が出る山があった。 それは、人ならざる者たちが跳梁するに相応しいほどの、白。 麓の村では、そこに怪生が出ると噂されていた。 そこに、霧に穴を開けたような、黒…

気がついたら、私は病院のベッドにいた。 奪われた記憶。深い霧に覆われているように曖昧な「私」の中で、ただ貴女の笑顔だけが輝いている。 不自然に守られた世界で、見え隠れする貴女を追…

夏休みまっただなかのある日。優良乃（ゆらの）は、友人の昼子（ひるこ）のために、アイスクリーム屋さんへ買い出しに行っていた。ある事情から大好物なのになかなか食べることができない昼子…

友人のアキとともに自殺を試みた「私」は、目を覚ますと見知らぬ場所にいた。四方を霧に囲まれた、凝固した海。〈霧海〉と呼ばれるその世界で、「私」は不思議な少女ルルに出会う。並んで海面…

ややドライで殺伐としたところはあるが、基本的にはほのぼの日常ものファンタジー。 主人公である若い狩人の「俺」が、『隣人達』である『巨人』の『ねぐら』や『なわばり』や『外』でダラダ…

※ 2021/4/17 改稿版 公開 自他関係なく人に対して生理的嫌悪感を抱いている”私”は、無理強いされた合コンの席からすぐに逃げ出した。 家にいる”彼女”。会社で近づいてく…

前野さん主催の一次創作企画「殺伐感情戦線」のために執筆した作品です。 テーマは「贖罪」です。 ※本作品には性的描写が含まれております。

殺した彼女が、無言のまま私を見つめている。 時を止めたように動かず、ただ私に無音の呪いをかける。 私は彼女が訴える通りに動く。それが夢か現かも分からぬまま。

空から襲来する〈天使〉は、人間の重ねた罪の結晶と信じられていた。罪を償いきれば〈天使〉もまた消える――そんな教えに歯向かい、自らの手で戦うことを決めた少女たちがいた。三年前の戦い…

愚かで運動神経も悪く気が利かない女の子。ただ、彼女はひたすら美しかった。なにものにも代えがたい美と笑顔を持っていた。そして美は絶望の中でこそ輝いた。

第十回殺伐感情戦線。テーマ、贖罪。 大丈夫。素直に謝れば、きっと許される。

殺伐感情戦線に投稿した作品群です。 各話一話完結。

伊庭坂日織は、人差し指と親指を曲げて円を作ると、別の世界を映すことができた。 ”私”と日織は、それを2人だけの秘密として、『ここではないどこか』の観測を繰り返す。

前野さん主催の一次創作企画「殺伐感情戦線」のために執筆した作品です。 テーマは「穴」です。 ※本作品には性的描写が含まれております。