流石に三股はダメかもしれないが

泉ゆう

もしかしたら大丈夫かもしれない


 宣言しよう。私は女の子が大好きだ。勿論、性的な意味で。


 文武両道。容姿端麗。高身長でナイスバディでハスキーボイス。自分で言っててズルくないかと言いたくなる完璧さだ。


 男には興味がないと言っていると周りの女の子からは超クール!カッコいい!王子様!ともてはやされた。正直言ってめちゃくちゃ気分がよかった。


 だが集まってくる子の中にソッチのケの子なんてほとんどいなかった。


 だが!それでも巡り合ってしまったりする!巡り合ってしまっては、もう!それは運命だ!わかるだろう?!いくら世界が優しくなってきたとはいえど、私達を本当に理解してくれる人間など極々少数だ。お互いに理解し合える人間となれば更に少数だ!


 私は優しい人間でありたい!世界が救えなくとも私なら救える人間がいる!だったら手を差し伸べることを迷うことなどあるだろうか?!これは私として当然のことをしたまでだ!


 「浮気?」


 ちょっと待った。待ってくれ。語弊がある。私は確かに3人の女性と関係を持った。年下、年上、同い年。それぞれ年も外見も大きく異なる。これを踏まえて考えて欲しいのは私が私利私欲のために3人と関係を持ったかどうかだ。


 はっきり言って私はこの外見を含めた能力を活かせば独り身でも生きていけると自負している。それなのに何故パートナーを求めたと思う?


 シンボルさ!私達の様な生き方もあると世間に知らせるためのシンボルだ!年下だろうと年上だろうと同い年だろうと同性だろうと!関係ない!それをわかってもらうには行動するしかない!そうだろう?!


 「でも三股じゃん。」


 そこだよ。敢えて、敢えて言おうと思う。愛する人が多いというのは、罪なのだろうか?


 愛するということは素晴らしい。生きている以上植物だろうが動物だろうが他者を求めなければ繁栄することはできない。他者を求め愛することで種は繁栄する。愛イコール繁栄だ。つまりは愛は多ければ多いほど豊かになれる、ということだ。


 その上で先に述べた私が救える筈の少数派の人間の愛を受け取らなかった場合。その愛はどうなる?繁栄に繋がるのか?絶対とは言えないだろう。それが現実なんだ。私ならばそれを、


 「で?」


 いや、だから。


 その、えーと。


 ごめんなさい。三股してました。許して下さい。


 「「「許さない。」」」


 ですよね。

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