「純文学 ガールズラブ」を含む小説

俺には白川りんがわからない。俺と付き合っていながら、別の何かを見つめる彼女が。

　未だ東京が帝都と呼ばれた明治末葉に鳥籠と揶揄されたマグノリア女学校があった。 　多くの少女達が羨望する名門には全国各所から名の知れた令嬢が集う。 　その年の、マグノリアの香り立…

　小高い丘の上にある白い城館の名はティレル城と呼ばれている。 　この城では見目麗しき少女とメイドが生活をしていた。 　十九世紀中葉、イギリスはロンドン。 　侯爵令嬢のアリスは己の…

　私は孤独主義者として生きてきた。 　厭世家だった。社会不適合者だった。 　きっと人は一人でも生きていける。だから私は孤独でよかった。 　だのに、彼女は私の中へと入ってくる。 　…

ユカは金木犀が匂う季節になる度にかつての恋人、サチを思い出す。 サチの遺児でもあり叔父の娘でもあるリカとの交流もあり、彼女のことを忘れられずにいた。 ジャンルは恋愛にしています…

少し昔、自殺者の増加を憂慮した神はある仮説をたて、私たちから生贄をえらび、毎日饗宴を開くことにした。ある夜の生贄は私だった。白い部屋。最期までの時間をもう一人の孤独な少女ラビと過…

私たちは普通の恋ができない。 絶対幸せになんかなれない。 絶対誰かを傷つける。 恋したくて恋した訳ではない。決して。 でも私たちは恋の衝動には逆らえない。 歪みきった愛が私た…

飛び降り自殺を図る17歳の女子高生×突然現れた天使。 廃ビルの屋上から飛び降り自殺を図ろうとしていた女子高生の前に、突然“天使”を自称する少女が現れる。白い翼、金髪のツインテー…

ふたりの愛は果たして永遠なのか……。 ラブシリーズ４部作の完結編です。

・あらすじ 　夏休みのある日、近所の公園にバスケをしにきた藤原夏美は五月雨冬華にバスケットボールを後頭部に投げつけられる。一度は試合に敗れた夏美だったが、冬華のある発言をきっか…

月に憧れる街灯と、街灯を羨ましく思う月の擬人化百合です。

喫茶アネモネに、毎週日曜日だけ訪れる可憐な女性、ミズキ。　白いカンカン帽が特徴的な彼女は、いつも客たちの目を引く存在だった。　アネモネでアルバイトをする藤木 すみれ(ふじき すみ…

カクヨム公式自主企画「百合小説」応募作品。 幼馴染同級生の片恋話です

小島夏帆は遠藤遥香に恋をする。 特別な理由も事情も何もない。ただの一目惚れ。高校生のありふれた恋愛。 けれど二人は同じ性を授かっていて、その関係性が「友人」を超えることなんてあり…

脳に神覚野という、神の存在を知覚する部位を持つ人類の話。この人類はレム睡眠中に神覚野が活性化し、けいれん発作を起こしながら神や魂、死後を知覚する。しかし、人口の1%は神覚野に障害…

灯花（ともか）が元カノの美桜（みさくら）のSNSを巡回して十年が経つ。女子高の王子様的存在の美桜には盾となる彼女が必要で、編入生の灯花は都合が良かった。灯花は本心を隠しながらそれ…

望んだ夢を見られる装置にまつわる、依存と自立の物語です。

社会に混迷を与えた感染症の流行から三年が経った冬の日。ユウは一人、寒空の下二日酔いの頭を抱え秋葉原駅電気街口の広場に立った。世間はこの三年でいろいろ変わった。それは止まっていたも…

スラムに暮らす少女の日常と、突如現れた宝石の瞳