概要
彼女はまるで毎日が二日酔いのようだった。
社会に混迷を与えた感染症の流行から三年が経った冬の日。ユウは一人、寒空の下二日酔いの頭を抱え秋葉原駅電気街口の広場に立った。世間はこの三年でいろいろ変わった。それは止まっていたものが動き出したような変化だ。これまで保留されていたことに決着をつけ、曖昧さを排斥するような流れが世界中で渦巻いている。そんな中、ユウの心は三年前のあの日からこの場所で止まっていた。あの日、最後の言葉の残して消えた硝子。その言葉の意味を知りながらも手を伸ばすことができなったのは何故か。もう一度その足を前に進める為、ユウは硝子と出会い過ごした学生時代を追想する。
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