嘘でもいいから
小森秋佳
嘘でもいいから
遥香の事が好きだ。
私がその恋心を初めて自覚したのは、高校一年生の春。入学式。所謂、一目惚れだった。
偶然にも私の隣の席に腰を下ろした遥香。ふっくらとした頬、整った鼻筋、色の薄い唇。きめ細かな肌は光が跳ね返りそうなくらい真っ白で——。低い位置で一つにまとめた黒髪がそよ風に靡いて、彼女の綺麗なうなじが微かに覗く。なんだか見てはいけないものを見たような気がして、あわてて目線を逸らせば、今度はその瞳に吸い寄せられる。どこか遠くの方を見つめる、彼女のくりくりとした双眸は、思わず見入ってしまうほど透き通っていて——潤んだその目に、窓ガラス越しの艶やかな桜の薄紅を見た気がした。
彼女の容姿に目を奪われたのは私だけではなかったようで、高校が始まって数週間は、男女問わず大勢の人間が遥香のもとを訪ね、熱心にアプローチを試みた。けれどそのどれもが不発に終わったのは、ひとえに彼女の会話能力の低さが原因だった。自分から会話を広げる姿勢はこれっぽっちもなく、その癖聞かれたことにはどれもしどろもどろに答える。肝心の内容も殆ど要領を得ず、ずっと隣の席で小耳にはさんでいた私がようやく彼女の素性をわかってきた頃には、遥香に声をかける者はすっかりいなくなっていた。
私が遥香と同じ吹奏楽部に入ったのは、件の話で分かった数少ない彼女の手がかりの一つがそれだったからだ。実際、高校に入ったら音楽をやりたい、青春らしい時間を謳歌してみたいとは常々思っていた私だった。けれど、その音楽と言っても私が考えていたのは軽音楽とか、そういうジャンルの音楽で、最終的に私がそれとは正反対に位置する吹奏楽を志したのは、やはり遥香という人間への興味が大部分を占めていた。
遥香と初めて会話を交わした日の事を、今でも鮮明に覚えている。部活説明会や楽器体験会、入部届の提出と一つずつ階段に足をかけ、晴れて私は吹奏楽部クラリネット担当の位置に辿り着いた。入部後最初のオリエンテーション。もちろん打算的にこの楽器を選んだ私だったので、同じ楽器を志望していた遥香の隣に座らされる。部長や顧問の挨拶、年間行事の説明なんかを耳に入れながら、高校からの楽器初心者でやっていけるのかな、などとあれこれ考えているうちにいつの間にか全体のお話は終わり、後は最終下校時刻までの自由時間。ふと隣を見れば彼女は沢山のメモが書かれたプリント——オリエンテーションの冒頭で全体に配られたものだ——に何度も目を走らせているようで、その瞳はこれから始まる三年間への希望で満ち満ちていた。
彼女のその顔に心を奪われつつ、何だか不純な動機で吹奏楽部を志望した自分が情けなくなって、あくまで罪滅ぼしの体で彼女に話しかけた。それが気になるあの子との最初の会話。
「あの、遠藤さん」
一瞬何と呼べばいいか迷って、彼女の苗字を口にする。その声に気づいたのか、遥香はやけに緩慢な動作でその顔を私に向けた。
「私、小島夏帆って言って、同じクラスなんだけど。クラは一度も吹いたことなくて。ほら、遠藤さん、話聞いた感じ中学でも吹部だったらしいから。多分、色々聞いちゃうこともあると思うんだけど、仲良くしてください」
好きな人を目前に、声が上ずってしまうのを感じながら言葉を紡ぐ。それを聞くと、遥香はこれまたゆっくりと目を細めて、
「——知ってる」と一言。
「隣の席、だよね」
ゆったりとした声が耳を撫でる。
私の全神経が、目の前の遥香に集中する。
「こちらこそ、よろしくね。——えっと、夏帆ちゃん」
その瞬間、私の心臓はまた、天使の矢に貫かれた。
別に私に特別な事情があるわけではない。これまでだって男の子を好きになったこともあるし、テレビに出ている顔立ちの整った俳優に現を抜かしたなんて経験もないわけじゃない。
そんな私が、遥香のことをこんなにも好きになってしまったのは、ある種の運命——なんて考えはおこがましいだろうか。
彼女に恋をしてから、あっという間に一年が経った。あの日宣言した通り、私は遥香に何度も教えを乞うた。その動機は必ずしも純粋なものではなかったけれど、彼女と共にクラリネットを鳴らしているうちに、その技術も、私たちの仲も、みるみる深まっていったように思う。
高校二年生の夏休み。受験を来年に控えた私たちにとって、この四十日ちょっとの長期休暇は、まるでこれが最後の晩餐だ、とでも言うように眩しいくらいの輝きを放っていた。
私たちの思いに応えるかの如く、太陽が熱い眼差しを地面に向ける。日傘を差すも、アスファルトの照り返しに目を細めている様子の彼女に私は声をかける。
「遥香。ごめん、待った?」
サックスブルーのワンピースを身に纏う彼女はこちらに顔を向けると、今度は笑みを浮かべ目を細める。
「ううん、全然。でも、待ち合わせの時間まであと五分あるよ?」
「遥香だって早めに来てるじゃん」
「だって、待ちきれなくて」
そう言って彼女ははにかむ。その仕草がたまらなく愛おしかった。
彼女と長らく時間を共にするうち、分かったことがあった。遥香は別に、人と会話するのが苦手という訳ではないということだ。ただ単純に、かなりの人見知りなだけ。今では、彼女とは何の障害もなく話せている。その事実が、彼女が私の事を受け入れてくれた証明のようでなんだか嬉しかった。彼女の事を名前で呼び始めたのは——いつからだっただろうか、気づいた頃には「遥香」「夏帆ちゃん」と、互いに互いの名前を呼び合う仲になっていた。
「昨日のドラマ、見た?」
「どっちの?」
「九時からの」
「ああ、見た見た。まさかヒロインがね——」
「そう、ビックリ。変な声出ちゃったもん」
他愛もない話をしながら、示し合わせたように近くのショッピングモールへ歩みを進める。週末に二人で遊ぶとなると、大体はこのショッピングモールに向かった。二年生になってクラスが変わってから頻度は落ちたけれど、それでも何度も行っている。楽器屋さんでショーウィンドウの高級楽器を眺めて、服やアクセサリーを買って、併設されたレストランでランチを食べて。することと言えば毎回決まっているけれど、不思議と飽きることはなかった。
休日のショッピングモールは案の定大変な賑わいを見せていて、老若男女様々な人間がそこかしこにたむろしている。誰もが思い思いに休日のひと時を、ここで楽しく過ごしているようだった。
私は前方を歩く遥香に目を向ける。学校ではいつも結んでいる髪を今日は下ろしてきていた。そしてヘアアイロンでもかけたのか、ふんわりと巻かれたロングヘアが、彼女の歩みに従って微かに揺れている。休日の遥香も、やはり可愛らしい。学校とは違う彼女の装いを独り占めしているようで、変な優越感が胸に広がる。
私は、遥香が好きだ。
心の中で改めて、その言葉を思い浮かべる。その「好き」は、友人としてのではなく、紛れもない恋愛感情。私は遥香に恋をしているんだ。
彼女と過ごす時間は、まるで万華鏡の中に入り込んだかのように煌めいて見えて、あっという間に過ぎ去っていく。瞬間瞬間の彼女の一挙手一投足が愛おしくて、私の心はどうしようもなく、遥香に雁字搦めにされている。
この気持ちに嘘偽りはない。だからこそ私は、遥香に嘘をつき続けている。
私はただの君の友人だと。それ以上のものは何もないと。何てことない顔して会話を交わしている。
「どしたの?髪に何かついてる?」
私の視線に気づいたのか、遥香が後ろを振り返る。
もし、私が遥香に自身の恋愛感情を告白したらどうなるだろう。きっと困惑し、どう振舞えば良いのか分からなくなるだろう。彼女にそんな負担は掛けたくなかった。それに、その告白はきっと、今後の遥香の恋愛事情に水を差すことにもなるだろう。
罪悪感がない、と言えば嘘になる。でも、このスタンスを変えるつもりは全くなかった。
理由は単純明快。
「いや、そういう訳じゃないよ」
だって私は。
「遥香がすごい、可愛くて」
君の事が好きだから。
「——ありがと」
一瞬の沈黙の後、少し顔を赤らめて彼女はこう付け加えた。
「夏帆ちゃんも、可愛いよ」
顔が熱を持つのを感じる。
ふと、横のお店の窓ガラスに視線が泳ぐ。
そこには光を反射して、薄手のカーディガンにデニムパンツを合わせた、ミディアムヘアの女性が映っていた。
顔の熱が引いていくのを感じると共に、今度は自然と口元に笑みが広がる。
こんな嘘ばかりの私でも、遥香は可愛いと言ってくれた。
単純な喜びと、何だか救われた心地がして、私は視線を窓ガラスから離す。
向けた先には、私の名前を呼ぶ遥香。
よし、と口だけ動かすと、私は何食わぬ表情を携え、少し先で待つ彼女のもとへ足を走らせた。
時刻は午後三時を回り、小腹が空いた私たちは近くのカフェに入った。
二人でキャラメルラテと、シェア用にサンドウィッチを注文し、飲み物だけカウンターで受け取って席に着く。
少し歩き疲れちゃったね、などと軽口を交わしながらラテを飲む。コクのあるキャラメルソースと柔らかなホイップクリームが口の中で交じり合い、濃密な甘さが染み渡っていく。
「夏帆ちゃん」
同じようにラテを口にすると、遥香は私の名前を呼んだ。
「どうしたの?」
「実は、相談したいことがあって」
マグカップをテーブルに置きながら、彼女は少し下を向いてそう答える。
「何、改まって。良いよ、何でも聞くよ」
私はそう言って微笑む。遥香から相談事とは、意外にも初めての経験だった。彼女の力になれるのであれば何だって聞くつもりだった。
ありがとう、と言って、彼女は私の目を見る。
「実はね、——好きな人が出来たの」
「そう、なんだ」
その五文字を、何とか口に出す。
「好きって言ってもまだ気になってる段階っていうか、その、すごい好きっていうのでもないんだけど——」
聞いてもいないのに遥香はその相手の事をペラペラと話し始める。
喉が渇いた。ラテをまた啜る。甘ったるい。
「山岸順太くんって言って。同じクラスの人なんだけど、夏帆ちゃんは知ってる?」
「ごめん、わかんないや」
「そっか、そうだよね。去年は違うクラスだったし。正直私も今年同じクラスになった時は別に何ともなくて、ただの穏やかな人だな、みたいな印象だったんだけど」
「うん」
「文化祭、先月あったでしょ。その時うちのクラス焼きそば作ることになって、私調理係だったんだけどたまたま彼も一緒で」
「野菜切ってたね」
先月行われた文化祭。調理系の模擬店はその大変さから滅多に出ることが無かったが、今年は遥香のクラスがそれをやり、大いに盛り上がっていた記憶がある。
「そう。それで、山岸くんは調理担当だったの。彼、実家が焼きそば屋さんなんだって」
「何それ」
二人で笑う。私の笑みはぎこちなく見えなかっただろうか。
面白いよね、と遥香は話を続ける。
「それで自然と色々話す機会が増えて——さっきの実家の話もその時聞いたんだけど——、話しているうちにその人柄?って言うのかな、何か良い人だなって思うようになって。良い言葉が見つからないんだけど、うん、そんな感じ」
「へえ」
「それで——、告白された」
告白。その言葉が、私の体に重くのしかかる。
「いつ?」
「先週」
「なんて?」
「えっと、口に出すの恥ずかしいな——、あなたの事が好きです、付き合ってくださいって」
「返事は?」
「まだ。待ってもらってる」
自分でも考えたんだけどよくわかんなくて、と口にする彼女の言葉が耳をかすめていく。
分かっていた。理解していたはずだった。
高校生という多感な時期。誰かを好きになるということは至極当たり前というか、ありふれた話だ。ましてや遥香はかなり美人の部類だ。私みたいに一目惚れしてしまう人間なんてごまんといるだろう。
そして、彼女のことを好きになる人間も彼女が好きになるであろう人間も、——普通に考えれば、それは男だ。
私じゃない。
「それで、相談って言うのはね——」
遥香は私の思いに気づくはずもなく、はにかみながら言葉を紡ぐ。
「告白とか、正直初めてで。夏帆ちゃんなら、返事どうするかな?」
ああ。
彼女の投げかけるその言葉。
彼女が湛えるその微笑み。異性に恋する乙女の顔。
それを聞いて、見て、否が応でも思い知らされる。
私は、どこまで行っても、遥香の友人。
それ以上の関係にはなれないんだ。
胸の内を囲っていた壁が音を立てて崩れる。黒々とした汚い欲求が溢れ出る。
彼女を好きだから嘘をつく?それをずっと続けていく?
そんなの嘘だ。本当はすぐにでも口にしたかった。遥香が大好きだって。恋してるんだって。遥香を独り占めしたかった。他の誰にもあげたくない。私だけの遥香が欲しかった。二人で勉強して、楽器を吹いて、お出かけして、これまで何度もしてきた行為を、「恋人」としてしたい。自分に嘘をつかずに、好きなだけ遥香を愛したい。愛したかった。
それでも私が「好き」の二文字を伝えられなかったのは、別に彼女の今後を思ってとかいう理由じゃない。怖かった。その一言で、今の関係が崩れてしまうのがどうしようもなく怖かった。遥香の恋人になりたいという欲求と同じくらい、今の遥香との関係も大切だった。自分本位の、勝手な理由だ。
その山岸順太という人は、きっと遥香の言う通り優しい人間なのだろう。人見知りな遥香と、異性という関係値でそんなに会話を交わせるようになるには、相当な時間がかかったはずだ。それが出来たというのは、彼が遥香のことを心から愛している、何よりの証拠なのかもしれない。
それでも、遥香が、他の人に取られるくらいなら、私は——。
「私は——」
遥香のことが好きだ。
愛している。
付き合ってほしい。
言葉が、うまく出てこない。
今、ここで言えば、きっと遥香は考え直してくれる。
なのに、なのになのに、言葉が出てこない。
どうして。
「——実はね、このこと相談するのは、夏帆ちゃんだけにしようと思ってるんだ」
「へ?」
唐突に遥香が話し始める。変な声が出てしまう。
「えっと——他の友達とかは」
人見知りな遥香ではあるが、部活やクラスメイトで仲の良い友人は何人かいるはずだ。実際その友人たちと一緒に出かけた経験もあった。
「知っての通り、いるにはいるんだけど——」
遥香は少し照れたように頬を赤らめる。
「高校来て、初めて出来た友達が夏帆ちゃんだったから。部活も一緒で、去年はクラスも一緒で、長いこと一緒にいるし私なんかより私のこと知っているんじゃないかって——」
そこで言葉を切り、遥香は一呼吸する。
「——まとめるとね、その、夏帆ちゃんのことは、一番信頼しているから。親友、だから」
そういって遥香は、一段と顔を赤らめる。
一瞬呆気にとられた後、私は大きく息を吐き出す。
ずるいな。
そんなこと言われたらさ、もう、どうしようもないじゃん。
「好きだよ」
「え?」
さっきまではどんなに頑張っても言えなかったその言葉を、私は淡々と口にする。
確かに我を通すことも出来た。告白の返事を人に聞いている時点で相手と付き合う自覚がないんじゃないか、とでも言えば、少なくとも遥香と相手を引き離すことくらいはできただろう。でも。
「私は、遥香の事が好き」
だからこそ、私が言うべきことはそんなことじゃない。
「それって、どういう——」
「親友として、ってこと。変な勘違いしないでよね」
胸がずきずきと痛む。涙が出そうだ。でも全部知らんぷりをする。
「だから、遥香の恋、私応援するよ」
遥香の事が好きだからこそ、私は、遥香の幸せを願ってあげるべきだ。
たとえ、自分に嘘をつくことになったとしても。
「あ、ありがとう!」
そう言うと、遥香は今日一番の笑顔を浮かべた。
彼女の幸せそうな笑みを見て、私は自分の選択が正しかったことを自覚する。
「高校生の恋なんてどう転ぶかわかんないんだし試しに付き合ってみなよ。それで、嫌だってなったらすぐ分かれちゃえばいいんだから」
「もう、物騒なこと言わないでよー」
「もし泣かされたりしたら、私のもとにおいで。代わりに私が付き合ってあげる」
「冗談もほどほどにしてー!」
二人でひとしきり笑う。胸の中にあった黒い感情は、いつの間にか引っ込んでしまったみたいだ。
ふと喉が渇いた気がして、マグカップを口に運ぶ。クリームが完全に溶け切ったラテは程よい甘さで、幾分か飲みやすくなっていた。
「お待たせしました、サンドウィッチになります」
タイミングを見計らったかのように、カフェの店員がサンドウィッチを私たちのテーブルに運んでくる。
「どれも美味しそう。夏帆ちゃんはどれ食べる?卵、ハム、これはツナかな?色々あるけど」
「ハム」
「はい、あーん」
「——美味しい」
「ほんと?じゃあ私もハム食べようかな」
「お返し。口開けて。はい、あーん」
「え、ちょっと待っ——美味しい」
「でしょ」
二人でサンドウィッチを口に運ぶ。先程まで甘い飲み物を飲んでいたからか、塩気の効いたサンドウィッチはやけに美味しく感じる。
半分ほど食べたところで、遥香が口を開く。
「私、告白、受けることにする」
「いいじゃん」
「彼の事はやっぱり気になるし、夏帆ちゃんの言う通り、物は試しだもんね」
「その意気だよ。——キスしたら教えてね」
「な、夏帆ちゃん!そういうあれは、その、まだまだ先だから!」
「何を想像してるのかなー?」
顔を真っ赤にする遥香をからかいながら、私は幾度となく脳裏をかすめるその思いを口にする。
「大好きだよ」
「ん?何か言った?」
「別に。何でもないよ」
きょとんとした顔の遥香に、私は笑みを投げかける。
私は遥香の事が好きだ。だからこそ。
嘘でもいいから。
君の幸せを、一番に願ってあげたい。
嘘でもいいから 小森秋佳 @Shuka_Komori
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