「秋らしい」を含む小説

街外れの工房では、収穫祭の夜に向けて魔女がカボチャのランタンを作っていた。 丁寧に彫られた顔と、色とりどりのリボン。 特別製のランタンに入れる灯火はろうそくではなく、その年に死ん…

春、希望の春。新入生は着なれない制服に身を包みながら、キラキラと目を輝かせている。きっとこれから始まる高校生活へのちょっぴりの不安と大きな大きな期待を胸に抱えながらも、それでもど…

天文二十一年(一五五二年)――。 越後の虎、長尾景虎の初上洛に随行した若者がいた。その名は景乃。景虎の双子の妹にして、上杉家の当主。男装の麗人は、都で運命の出会いを果たす。 相手…

土曜・日曜更新 香川県高松市某所――高校を卒業した新名月子は人生初のアルバイトで訪れた、奇妙な空間で困っていた。おどろおどろしい提灯軍団（チョウチンズ）に追いかけられ、走りなが…

彼氏にフラれた花野 菜月は悲しみに暮れるある日不意に決意した。 「死のう」 思い至るが早いか付き合い始めた思い出の地に向かった菜月。いざ飛び降りようとしたその瞬間、背後からかけら…

大学２年生の星空瀬梨香は５年前――中学３年生の時の初恋の相手、星波つむぎのことを諦めきれず日々悩まされていた。瀬梨香はつむぎに想いを伝えられないまま、５年前の冬に突然つむぎにいな…

　中学二年の秋、麻由子と瀬里奈は憧れの先輩たちが空き教室でキスをしているところを目撃する。瀬里奈はショックを受け、泣き出してしまい、麻由子もその映像が頭から離れず夜も眠れなくなる…

仕事を辞めて“俺”が夜勤スタッフになった安い老人ホームの二〇一号室には、悪魔がいる。 老人は真夜中だけ美しい若者の姿になり、「女の命を吸ってずっと生きてきた」と語る。 ひとりの女…

学校帰り、小学生のぽぽろは、紅葉色の小さな龍を拾った。 亡くなったおばあちゃんの雰囲気を纏う不思議な女性・さらさんと一緒に、 龍のお世話をすることに。 しかし、この龍には大切な…

ひょこひょことお茶目な刑事たちの元に、「祠が壊された。犯人を突き止めよ」と命令が来た。 あまりにも不敬な犯罪に、二人の刑事は思わず現場へと跳んでいく 秋めく森に、無惨にも壊さ…

高校では地味な図書委員。 でもネットの裏顔は——世界最強(元)ゲーマー。 柑利 憂（かんり　ゆう）。有犂高校に通う高校2年生。 普段は話すのが苦手で、図書室の隅で静かに本を読む…

写真を撮るのが好きで、少し人と関わるのが苦手な大学生――月城直陽《つきしろなおはる》。 いつも同じバス停から同じバスに乗り合わせる朝霧《あさぎり》あまね。 梅雨時の混雑したバス…

　文字通り「カクヨムを使い始めて思うこと」を、つらつらと書き綴っていきます。 　エッセイですから、順番に読む必要はありません。最初の方は飛ばして、どうぞ興味のある記事からお読みく…

あれは明治23年10月のことでした。先生と私は風土病の科学調査のため、山梨県のK村を訪れました。顕微鏡や様々な試薬を携えた私たちは、しかしまったく予想もしなかったその病の真相に直…

大正十二年、秋。 近代化の熱気と古き闇が混ざり合う帝都・東京では、ある奇妙な噂が囁かれていた。 深夜、どこからともなく死者の断末魔を記録した「呪いの円盤」が響き渡り、それを聴いた…

「私」は、天才と謳われたジューガー・リャンが何をしたかったのか知りたくて、ある秋の日の昼下がりに、かつての彼の主を訪ねる。その面会の中で、「私」は、今は亡きジューガー・リャンがや…

新人戦も終わった秋、高校2年の悠は、部活を辞める決断をする。 彼が辞める理由とは―

西暦三〇一六年。 「秋」は人の感情を乱すとして違法になった。 禁止資料室で働く青年・向井実は、ある日AI職員ユイと出会う。 禁じられた季節に惹かれる彼女。封じ込めた郷愁に揺れる彼…

佐藤海斗は、いつものように学校の門をくぐった。夏休みも終わりに近づき、校庭には薄く秋の気配が漂っている。友達と笑いながら歩く中、彼の目に映ったのは、静かに校舎を見つめる鈴木柚葉だ…

秋犬様の自主企画向けに執筆しました。 【第２回】「ラーメン×現ファンorSF×アクション」 https://kakuyomu.jp/user_events/8221398411…