「純文学 愛」を含む小説

私の作品を読んでくれるすべての読者へ。 そして私作品の最初の読者だった、作曲家の少女へ。 路上シンガーの男がとある少女とであう話。 全二話。 （山川直人『コーヒーもう一杯…

人は必ずしも恋に落ちる 恋を知って愛を知る 僕は知らない 知らないのだ

愛というものの曖昧模糊としたものの 下世話であったり 真摯であったり 真面目であったり 悲しみであったり いろいろなもの 色々なものが混ざり合って最後は幸せに。

散文のようなものです、 派生するかもしれないし、しないかも

私小説。世の中に背を向けて、好きな女のことだけを見て生きて行こうと決めた、その日の出来事のスケッチ。 主人公・小暮はシュノーケリングを教えてくれる女の足ヒレを見ながら、一生それ…

大学の教育学部に通う3年の鈴本華は毎日平凡な日々を送っていた。 写真の道を諦めたこと以外は。 中学の時から熱心に取り組んでいた陸上部での部活動は、怪我を理由に断念。しかし幼馴染で…

短編です。一話完結。 悲しい親子のお話。

ここ数日、私はこれから語ろうとする物語をどのように書き始めれば良いのか、そう思案すればするほど頭が困惑し、時には叫びたくなるほどの苦悩を抱え、それがために食事が通らぬほど、そのこ…

ふと顔を上げると、辺り一面が真っ黒い世界で覆われていた。 何も聞こえず、何にも触れられず、自分の名前すらもわからない。 これがいつから続いているかも覚えていない。憶えているのは…

チコ、美しい母は僕の事をそう呼んだ。僕は母の美しい横顔を見る度、その瞳の奥に眠る憂いを子供ながら感じないことは無かった。そんなある日僕達親子の前に一人に日本人が現れた。カオルと呼…

　芹澤馨は少年の頃より絵が得意だった。しかしあることからそれを隠すようになりやがて絵を描くことを忘れてしまった。 　しかし年月が過ぎ青年になった彼は詩人を目指す文学青年になったが…

　終戦が過ぎ年老いた私は黒い木炭を握りながら白い画用紙の表面へ線を入れていくと、いまでも先生と出会い過ごした日々を思い出す。 　先生の名は滝次郎、それは私の愛すべき友人であり、誇…

南仏ニースから戻ってきた百合子は絵画と向きうことができない日々を過ごしていた。そんなある日、自分の部屋へ帰る途中で白い大きな屋敷を見つけ、そこで突然、暗闇の中から老婦人からフラン…

ーーころころと肌をすべるみづまりのやうに、あなたはわたしのこころをたづねて来た。 通学のために自転車で通り過ぎる道筋の軒先には、いつも少女が座っていた。 わたしは、それを気に…

ポテトチップスはおいしい。

瞳の色が変わる女性・市島鱗子にまつわる話、「泡沫夢幻」。竜神の寵姫・乙姫の話、「水滴石穿」の二編。 泡沫夢幻――その慈愛に溺れていく、満たされていく。逃れがたい、幸福な夢。／水滴…

『高専共通システムに登録されているパスワードの有効期限が近づいています。パスワードを変更してください。』 　そんなメールを無視し続けていたある日、高専生の東雲秀一は結瀬山を散歩し…