「神 長編」を含む小説

遠い時代の小さな村で、記憶のないまま目覚めたスミレは、村の神社で見つけた人形に触れてから誰ともわからない子どもたちの夢を見るようになって……普通とは一味違う、思いもよらないタタリ…

この身は人にあらず。立ち所に癒える傷、百を越えても姿は十七、八のまま。 遠方と心を読む異能の女は、西方の神に告げられた。 「あなたを、このアンバーシュの妃に貰い受けます」 この世…

　季節は夏。 　同じ図書館の常連の唐澤由美子から肝試しに誘われ参加したフリーターの森繁悟史。そこは怨霊の住みかと近所で有名な場所であった。特に何事もなく終わったに見えたが参加者の…

彼は誕生した。たった一つの唯一無二の存在として。それから幾星霜の時を経て、数多の世界を創生した彼は異物に気づいた。 その異物は我が物顔で、自身が創生した世界を好き放題していた。…

　日本の神話が描かれている『古事記』を創作した持統（じとう）天皇は夫を裏切ったスパイ――。 　日本人の父親と中国人の母親の間で生まれたリー・シュンは両親の復讐を果たすために日本…

死者を蘇生させる人工ウイルスにより、レッドソウルと呼ばれるゾンビが誕生する―― 東京湾の中心に建設された人工島に建てられた＜ウイルス性新薬研究施設＞にて、死者を蘇生させる人工ウイ…

グラサンをかけたガタイの良い黒尽くめのおっさんの声から始まる物語。 少年は即死亡。 ステルス性浮遊空間に飛ばされる... 神無木の生まれた時から存在する『生活』と新しく構築され…

　文章力を上達させるのにいちばんいい修業法は？ 　それは大好きな作家（それも文章の上手い作家）の作品を何度も何度も読み返すこと。そして模倣すること。 　僕の場合はC・L・ムーアで…

世界は小さく、故に広かった。地図の果ては『未知』の帳で縁取られていた時代。 精霊と人はともにあったが、人は万物に精霊が宿ることを知らずに生きていた。 精霊には数多の王がおり、その…

神父のギデオン・ローレンスは戦時中に起きた事件をきっかけに、神への信仰を失い、世界中をさまよっていた。流れ着いたある街で、教会の遺跡を発掘するよう依頼されるギデオン。発掘現場に赴…

中国大陸の東に浮かぶ島々、日本列島。この島では中華文明とは違った国家が太古から築かれていたが、ヨーロッパで近代化がほぼ完了し世界へ乗り出そうとしていた時期に王朝交代が起こり、以降…

北の民の少女リムセは、シラカンバの森カントコトロへ足を踏み入れる。彼女をいざなうのはシラカンバの化生、月神の御使いである青年。リムセは彼に、胸に秘めていた希いをうちあけるのだが—…

時は現代。 人間の少年、御影 司は日本妖怪の大連合『百鬼夜行』を率いる立場にある少女の姿をした妖怪、幽吹に魅入られた。 地獄から送り込まれる冥鬼軍。 母、御影 月夜との対…

　時は、世暦二百九十九年。 　様々な世界の創造神たちが手を結ぶ【異世界和親条約】が成立し、人が他の世界へと移住する【異世界転生】が、自治体により執り行われる公務となった時代。 　…

そこは、大樹を中心に、四つの国がある世界。 一本の枝には、夏。涼風渦巻く土地ながら、気温は常に三十度を超える。独特の文化があり、人々は自然に根を張って暮らしている。 一本の枝…

三柱の女神によって創り出された世界。 その世界を滅ぼそうとした破壊の神が封じられて幾万年……―― “鳥籠”と呼ばれる施設に監禁されていた少年少女たちは、自らの意志と力で外…

時は超遠未来。 そこは数百年の間、世界大戦が続く戦争世界だった。 人々のささやかな幸せや愛情や希望が気まぐれ一つで虫けらのように殺される世界。 最悪、最強と呼ばれ怖れられるも、と…