それでも異世界は異世界だ
なさ……( ˊᵕˋ )
第1章 何も変わらない退屈な日々よりも
第0話 絶対に帰ってみせる 4月未明
「おい、神無木!」
エマは力の限りを尽くして神無木の腹部へと拳を振り下ろす。
「いつまで寝てんだよ!」
そうだ、今日は元の世界に戻るんだったな。
戻り方は賢者様に教えてもらった。
「よし!帰りますか、エマ様よ」
発声練習を兼ねて景気づけに1発叫んでみる。
こんな街中じゃやまびこにもならないね。
近所迷惑だね。と日常的な会話が続く。
そんな中、それは突然現れた。
近くで空間転移系の魔法陣の形成を確認し、魔法使いと断定する。
「くそ、こんな時に魔法使いか!」
魔法使いは何も無い空間から拳銃を取り出す。
旧式の日本製の銃のようだった。
「まさか...魔法使いじゃないのか」
「エマ!伏せt...」
重い銃声が鳴り響く。
弾道にはエマが横たわる。エマは無言で動かない。
神無木は言葉が出ない。
「...次...お前...」
魔法使いはゆっくりと照準を神無木に向ける。
神無木はそれに対し盾を形成して体制を立て直す。しかし、エマの容態が気になって集中出来ない。
魔法使いは容赦なく弾を撃ち続ける。
「まずいな...」
神無木はエマを足元で隠しながら戦うことしか出来なかった。
「盾は壊れる心配はない、でも倒す方法も逃げる方法も思いつかない」
最悪だ。
こんな所で。
始まったばっかじゃないか。
心底うんざりだ。
「...帰る、絶対に...!」
重い銃声が鳴り響く。そして少年は力を使う。
魔法使いは神無木の死体を撃ち続ける。
撃ち続ける。
撃ち続ける。
リロードは必要が無いようだ。
撃ち続けられる中、神無木は立ち上がる。顔も身体もグシャグシャになり、中身までグチャグチャになっているのだろうと神無木は想像し、ため息をつく。
3秒後、魔法使いと神無木は動きを止める。
「あ〜あ、これじゃあ帰れないじゃん...」
エマは自分の魔力によって死んではいないようだった。
「これからどうしよう...」
『神無木は1人、想像を創造』する。
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