長編小説３　『限りなく純粋に近いグレイ』

日の本創世の隠れた謎を追い求めるスパイものです。
日本の枠から飛び出して中国の伝説とも絡み合い、占星術や花言葉、そして囲碁にお酒と色々な側面から核となる神道の真相を包み込み、主人公達の恋の行方をメインに盛り込んだ珠玉の一作と言えるでしょう☆

一度だけでは物足りないかも。
読み返す事で、新たな発見や知識を得られる作品です。

約20万字の大長編ながら、後半は一気読みでした。多くの謎が加速してほどかれていく展開に引き込まれてしまった感じです。

ストーリーは、中国側のスパイの青年と神社の娘であり巫女である女性が恋愛関係を結びつつ、伊勢神宮に天照大御神と共に隠れて祀られているもう一柱の神の存在を突き止めていく…というのが表向きの展開です。
隠された神を突き止めていくのもミステリーなのですが、この物語のメインとなるのは、もう一つのミステリーの方でしょう。
スパイである彼の過去、巫女である彼女の過去、スパイとなった彼の目的、お互いのお互いを思う気持ち──。
物語の序盤から数多くの伏線が散りばめられ、読者のミスリードを誘っ…続きを読む

あらすじにある通りのスパイものです。

スパイといえば、映画によくあるような洋風の町並みが思い浮かびましたが、こちらは日本神話を題材としたもので、和風の雰囲気が出ています。
そのギャップに目を引かれて、最後まで読ませていただきました。

複雑に絡み合う人間関係と、主人公たちの過去物語が、とてもおもしろかったです。
ひとつずつ明らかになっていくにつれて、そうきたか！と思わずにはいられませんでした。

また、日本神話をはじめ、様々な雑学が満載です。特に緋色のカクテルとか、意味を知っておおっ、と驚かされました。