ラストの絶望感が半端ない。目の前が真っ暗になったかと思った。タタリとはかようにも恐ろしいものなのか。終盤までは、記憶を無くした主人公の様子と、ある時から見るようになった不思議な夢の話が続く。時折、人形という無機質なモノへの気味の悪さや、暗闇への恐怖が湧きおこることもあるが、手酷い怪我をする以外、劇的なことは起きない。しかし終盤で一変、とてつもない残酷さが畳みかけてくる。
最初と最後だけ読んでもわかるような作りにはなっているが、ラストに至るまでの話があってこそ、この話は面白い。ぜひ読破して頂きたい。
記憶がないがために一定の客観性が保たれていて、それがとても読みやすかった。痛いことに耐性のない方は注意。
前日譚である続編が公開されている。本編の後に読めば、タタリの恐ろしさをさらに感じることができるだろう。