「動かない」を含む小説

足が動かなくなって、神さまに仕えている人。 静かなその人は、神様を信じているのだろうか？ 子供だった私には理解できないだろうと思ってその人はポツポツと語り始めた。

高校生の朝日　圭と若宮　恵実とのスマホからはじまる恋愛物語？いや結婚物語だろう！

会社帰りのサラリーマン・秋月大和が目を覚ますとそこは広大な原っぱだった。ここがどこなのか分からずスマホを開いてみるけれど、起動しない。スマホが動かない。どうしたらいいんだ。

やってしまった……。 目の前で動かなくなったアイツを見ながら、俺はこれからどうするべきかを考えていた。 【KAC20214】参加作品「ミステリー」

　義肢装具士を目指す、奥多摩のとある専門学校生、ナカイは、ある日、正体不明のジトーと名乗る巨漢から、障害者・健常者の別なく競技を行うことのできるスポーツ、「ボッチャ」のレクへと誘…

いつも、祖父の仕事場にいた。 背中を丸めてぴたりと動かず、それでも手元だけは精密に動かしていた祖父。 祖父は、細工師だった。 その節くれだった指先から、作品が生まれる瞬間を見る…

　少女に転生した私は憎き相手をこの手で殺した。 　侯爵家の家族全員殺すはずだった。 　しかし、目の前にいる少年は殺せない。剣を持つ手が動かない。 　どうして？ 　―――――――…

駆竜（くりゅう）の里に住まう少女テナは、相棒の竜モーロと共に平原を駆ける！　つもりだったのだが……なんでかこいつ、全然動かない。

少し先かもしれない未来。黄泉柿 読太(よみかき よみた)はすべての道具がデジタルになってしまうのではないかと、不安げに呟いていた。 早起きして仕事にとりかかろうとするも、仕事道具…

　中学二年生の藤咲燈子は、あるとき目が覚めると、自分が見知らぬ病室のベッドで寝かされていることに気付く。 　医者の話によると、自分は父親の運転する車で事故に遭い、三年間眠ったまま…

ある日の朝、世界の時が６時５９分で止まってしまった。俺以外の人たちも止まったまま動かない。そんな世界で俺はまず、全裸になって街を走ってみた。――が、俺以外にも動ける人間がいたよう…

俳優、音尾翔平、35歳。 後にも先にも進めず、立ち止まる日々。 そんなある日、テコでも動かなかった人生の歯車が動き出す……

「いちかのことが、分からなくなったんだ」 私はいつも同じセリフで恋人を失う。 原因は分かっている。 プラスチックのように動かない、仏頂面のこの顔のせいだ。 付き合う人はいつ…

俺の部屋はそんなに広くない。 そもそも賃貸だし。 いい歳して貯金もなければ、 自慢出来る彼女すらいない。 ××××並の社会人と仲良く、 "一生懸命" …

正一は病院で目覚めた。なぜ病院にいるのかはわからない。 また、体は動かないし、言葉も発せられない。しかし、意識はあるし会話も聞こえる。 会話を聞いているのは楽しいが、自分と関わ…

レジに、おにぎりとお茶のペットボトルを置き、尻ポケットから財布を取り出す。 「あと、33番ひとつ」 「合計、900円になります」 　財布から1000円札を抜き、店員に渡す。 「1…

大国ジュダイヤの城に、ナレイという名の少年がいた。 　使用人の中でも使い走りで、取り柄もなければ根性さえもない。 　だが、この大国の姫君、お転婆娘のシャハロとは、実を言うと幼馴染…

龍に人が乗って空を飛び、一着を競い合う競技――競龍。 その若手競龍騎手――戸次親次は危険騎乗を繰り返した果てに墜落した。 本来なら引退しかない大怪我を負うも、親次は地元の地方競龍…

豊臣秀吉の弟、秀長の死を偲ぶ四十九日法要の後、盛大な御伽話（おとぎばなし）が開かれた。 その席の末席には、未来からやってきたアイドルの姿があった。 落語の始祖 安楽庵 策伝と、毛…

　強盗の罪のより、四年の刑期を経て少年刑務所から出所した黒木楓は焦っていた。何故なら、どれだけ探しても仕事が決まらず、とうとう所持金も底を尽き掛けていたからだ。 　そんな状況…