気が付くと俺は底に居た。
影神
二度寝
水の落ちる音。
ここは、どこか、ひんやりとしている。
身体が動かない。
きっと疲れているんだ。
俺はどうしたのだろう。
そんな心配をしてみる。
"ここは何処だ。"
いや、何を主人公の台詞っぽく言っているんだ。
言葉をキメなくても、ここは自分の部屋だ。
きっといつもの夢だろう。
蛇口がきちんと閉まってなくて、
クーラーも付けっぱなしなんだろう。
"あぁ。
このまま死んでしまえば楽なのに、、"
良い事何て一つもない。
一生懸命努力したところで評価される訳でもない。
いい歳して、陰湿な嫌がらせをする××××。
自分の事を棚に上げて人様に口出しをする××××。
他人をどうとも思わず、自らの我を通す××××。
この世界の人間は酷く歪んでいて、
醜い、意地の悪い奴等しか居ない。
ん、、
そろそろ起きないと。
あれ、何か起きるような用事があったか?
いやいやいや、このまま夢の世界に浸ろうじゃないか。
"あぁ。
ずっとこのままならいいのに。"
「おい、起きろ」
誰だ。
「あんちゃん、大丈夫か?」
俺は家に居るんじゃないのか?
「仕方ねえな、、」
あれ、、俺、担がれてる??
何処に連れてがれるんだ、
身体が動かねえよ、、
「♪♪♪♪♪♪♪」
陽気な人だなあ。
あったけえ。
何か親父に抱っこされてるみてえだ。
実際は担がれてんだけどな。
ってかこの人、力持ちだな。
そもそも俺はどうしたんだ。
人間関係と、職場、その他諸々の、
自分を取り巻く環境に疲れ果てて、
自らの命を絶ってしまったのか??
うん、、
でも、何かの奴で見たけど、
自ら絶つパターンは、ずっとその状況を
無限ループさせられるって奴だった
気がしたんだが、、
状況を整理しよう。
今は身体が動かなくて、
ただ、力持ちのおっちゃんに、
何処かに連れてがれてるんだが、、
大丈夫か?
このおっちゃんは、
いい人なのか?
何故俺を気にかけたのだろうか。
後で金を請求され、
"助けてやったんだから"
とか、そうゆうパターンだよな。
ああ、俺の身体はどうしたのだろうか。
まあ、良いもんも食わせてあげられず、
身体を壊す様なことしかしなかった罰か。
ごめんな。
大切なモノは失ってから気が付くとか言うけど、
本当に、失ってからじゃないと、気付かないんだな。
俺の身体も可哀想だったな。
そりゃ辛いよな。
そりゃ動きたくないよな。
いいよこのまま動かなくても。
俺の身体として、使わせてくれてありがとう。
ごめんな。
使い方荒くて。
「着いたぞ、
ほれ。
まずは、、
とりあえず何か飲ませるか」
あー。
何か、、
飲まされてる!!
冷たくも、飲んだ事のない飲み物は、
俺の体にゆっくりと浸透していく。
うめえ、、
俺、喉乾いてたんだな。
おっちゃん、ありがとう。
「息もしてるみてえだし、
飯でも捕ってくるか、、」
おっちゃんは何処かに行った。
火を付けているのだろうか、
パチパチと燃えるような音がする。
これは、癒し系動画って奴のあれか?
焚き火の音を聞くってやつ
なかなか癒されるな。
うん。
暖かくて、眠くなるよ、、
「はあぁ、良く寝た!」
ん?
おっちゃん「よぉ、、」
何かが変だ。
いや、夢だな。
「すいません、また寝ます。」
おっちゃん「好きにしてくれ。
俺はちょっと出てくるから
あと、なるべく
ここからは動かない方がいいぞ
ここを知らないだろうし。」
おっちゃんの隣、何か居たな、、
ありゃなんだ、、
ドラゴンか??
そもそもなんだここ。
洞窟??
いや、、綺麗だけどさ。
ってか、、おっちゃんに助けられたんに、
挨拶すらしてねえよ、、
あーぁ、、終わったな。
いや、大丈夫。
どうせ夢なのだから。
気が付くと俺は底に居た。 影神 @kagegami
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