概要
こんなに近くにいるはずなのに、私たちの間には違う時間が流れている──
中学二年生の藤咲燈子は、あるとき目が覚めると、自分が見知らぬ病室のベッドで寝かされていることに気付く。
医者の話によると、自分は父親の運転する車で事故に遭い、三年間眠ったままだったという。
両親はそのときの事故で亡くなり、親戚はいつの間にか蒸発していて、孤独と絶望に押し潰されそうになる燈子だったが、想いを寄せていた宗澤浩樹と奇跡的な再会を果たす。
喜び合う二人。しかし燈子が意識を保っていられるのは、一日のうち三時間ほどしかなく、彼女は徐々に互いに流れる時間の密度の違いに気付いてゆく──。
──タイム・ディファレンス
宗澤浩樹は燻っていた。夢を叶えるために進路を決めている友人や、両親との確執、何がしたいのか決めることさえ出来ない自身の優柔不断さに。
「こんなことをしている場
医者の話によると、自分は父親の運転する車で事故に遭い、三年間眠ったままだったという。
両親はそのときの事故で亡くなり、親戚はいつの間にか蒸発していて、孤独と絶望に押し潰されそうになる燈子だったが、想いを寄せていた宗澤浩樹と奇跡的な再会を果たす。
喜び合う二人。しかし燈子が意識を保っていられるのは、一日のうち三時間ほどしかなく、彼女は徐々に互いに流れる時間の密度の違いに気付いてゆく──。
──タイム・ディファレンス
宗澤浩樹は燻っていた。夢を叶えるために進路を決めている友人や、両親との確執、何がしたいのか決めることさえ出来ない自身の優柔不断さに。
「こんなことをしている場
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!その星の軌道は遠すぎて、でも いつか必ず また飛来する
切なく、苦しく、でも限りなく優しくて甘い物語。
喉も胸も裂けてしまいそうなほど強く叫んでも、眠り姫には届かない愛。
やっと伝えられるかと喜んだのに。
少年から青年へ。大人になっていく者は、自分の足場を固めることだけでも、多くの迷いや悩みを抱えていて。
ままならない“自分自身”に歯痒くなっても、誰も代わりにはなってくれない。
相手を想えばこそ、自分には無理ではないかと絶望する。若芽のように柔らかで繊細な心。
いつしか、どちらの想いにも同調していて、読み進めていけばいくほど、ともに もがいてしまう。
この筆力は、凄まじいほどです。
細部まで こだわった、良質の映画を観たときに似た読後感。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!時間の流れは残酷で
事故で闘病生活を送る藤崎燈子と中学時代の友人宗澤浩樹との純愛物語。
事故に遭い目を覚ました時には3年が経ち両親も亡くなっていた。それだけでも酷なのに一日三時間しか起きていられないという制限付き。三年という月日によって現実から孤立し、3時間しか起きられないことにより現在から孤立したことで変わることのできない燈子。一方、浩樹は3年間で進学し、高校生活を送っていた。その間、周りに流され、親の言いなりで変わらなかった浩紀。
ある日、起きた燈子と浩樹が出会い、止まっていた時間が動き出す。
高校生二人が織りなす純愛物語です。“時間”の違いですれ違う思い、それでも互いを大事にしている気持ちは一緒で、それ…続きを読む