「菓子」を含む小説

どれほど時間が空いても、彼が戻ってきたとき、変わらぬ微笑みで迎えようと決めている。 目の前のいつ消えるかも分からない幸福を掻き抱く。 ドロドロとした思いが溢れ出て、彼を、私を傷…

　国一番のギルドの幹部だったサビターは裏で小遣い稼ぎのドラッグ販売をしていたせいでギルドから追放されてしまう。 　場末のバーでヤケ酒を煽る彼の元にピンク髪の少女が現れ、二人でド…

文明開化に沸き立つ時代。その波は菓子の世界にも広まっていたが、和菓子職人の父を持つ杏は食べたことがなかった。 使いの途中に出くわした人は五年ぶりに再開した青年だった。礼だと振る舞…

甘菓子のように甘い、関係があったら良いのに

推し短歌です。今まで好きになった歴代の推し達を思い浮かべて書きます。リアコ(リアルに恋する)発言多いです。解説付き。今の推しも何人もいます。

　ミロスラーヴァは、マルシェフ公爵家の嫡女・・つまりは、跡取り娘で次期マルシェフ公爵。 　それなのに、綿菓子思考を繰り広げる婚約者ゲラーシー・ザラメンスキー伯爵子息は、婿入り…

　田所町の廻船問屋亀甲屋の裏長屋に、香具師の元締め藤吉が住んでいた。藤吉には一人息子藤五郎がいた。藤五郎は幼い時に母を病で亡くした。母は亀甲屋の娘だった。藤五郎は父の商いを見なが…

大体1000字前後、最大2000字未満の小説をまとめています。

　貧乏伯爵家の長女デシレアは、菓子作りの才能を生かして生計を支えるべく日々奮闘している。 　そんな彼女には前世の記憶があり、その前世唯一の幸福と言っていい存在が、前世では物語…

そもそも菓子企業が仕組んだこのような商業主義的なイベントに踊らされ、心乱される方がおかしいのだ。 孤独に歩め、悪を為さず、求めるところは少なく、林の中の象のように、と昔の偉い人も…

兄の修介と妹の咲は、夏の終わりの縁日を訪れる。 二人は人混みの中を歩いていたが、いつの間にか咲の姿が消え失せてしまう。 焦る修介は、甘い香りに誘われるようにして見慣れない綿菓子の…

きのこの山”と“たけのこの里”という二種類のチョコレート菓子を巡る些細な対立が、やがて街全体を巻き込む激しい内乱へと変貌する。 仲睦まじい恋人同士や信頼し合っていた家族でさえ、違…

かつての松山藩の藩都、そして今も愛媛県の県庁所在地である城下町・松山に、『たると』と呼ばれる菓子が伝わっている。この『たると』は、洋菓子のタルトにはまったく似ておらず、「カステラ…

仕事が出来るが故に多忙な生活を送る医師・白川亨が、同じ病棟に勤務している看護師・黒野ゆえの優しさと包容力に触れて惹かれていく。（亨の）情緒不安定なセフレからの逃亡やデートなどを通…

女子高生・アマナは交通事故による衝撃で異世界へと転移。彼女に備わった能力は傷と病を癒す大判焼きを作り出すというもの。そして、それを狙う国家オーバーン王国、ゴゾソーロ帝国、蜂楽皇国…

午前三時。真夜中にその幽霊はやってくる。いつでも日だまりのようなバターの匂いを纏って。 幽霊、小手毬ハイネは、この世への未練を断ち切って昇天するためにお菓子作りが必要だということ…

ある年の冬、悠真は行きつけのコーヒーショップで忘れ物の毛糸のマフラーを見つける。生命の木というアラン編みの模様のそのマフラーは、悠真とかつて交流があった晴夏が愛用していた大判スト…

舞台は昭和初期。 出版編集者ド新人である木立は、人気作家であり、〈夢玉堂〉の店主である名義人殿の担当に指名される。 名義人殿に振り回される日々であったが、ある日、〈夢玉堂〉の二階…

自分のことだけ考えて欲しい。 どこにも行かないで欲しい。 貴女だけでいい。 けど、「幸せになって、でもちょっとだけ記憶に私を刻み込んで」 これは恋じゃない。 この感情に名前をつけ…