「言わない ホラー」を含む小説

人魚のケリルは何も言わず海へ出て行った恋人を追って、仲間たちと共に海を目指す。 そこでケリルが見たものとは……。

　俺がその風変わりな観音像を初めて見たのは京都にある某寺だった。推定築三百年はするだろう古刹のなかで獅子を左右に従えたそれは悠然と鎮座していた。 「子を慈しむ、と書いて、慈子観…

団地と言われる集合住宅は、画一的なデザインのコンクリートが何棟も連なり、圧倒される。 住み慣れているはずなのに、薄暗い玄関や階段は上がるたびに足が重くなる。 ここで体験した不可解…

以前投稿していたサイトに上げていたものをこちらでも投稿させていただきました。 この話のタイトルは友人にこのタイトルでなにか話を書いてくれと言われ、書き上げたものを渡すと意味分かん…

日本のどこかに十の幽霊が住むと言われる洋館があった……。 山中にあるその洋館には誰も立ち入ることはなく存在を知る者すらもほとんどいなかったが、大企業の代表で億万長者の男が洋館の存…

　目の前に置かれた一本のビデオテープ。 　ラベルは無い。 「祝《シュウ》さんこれマジモンっすよ……気持ちはわかりますけど、ガチで良いんすか？」 　僕は無言で首を振って肯定する。 …

富士の樹海に魔法使いが居ると情報を手に入れた新米記者『伊和佐ドウル』は、樹海の中で一人で暮らす『粟島チャミ』という少女と出会う。 ドウルはチャミが縄文時代から富士山の噴火を防ぐ為…

私にとって、「さようなら」という言葉は重い。 それでいて残酷だ。 誰も彼もがその残酷さを胸に止めて生きなければいけないのに、 人はなぜそんなにも軽く「さようなら」と言えるのだろ…

ジャンルがホラーで、タグにもヒントになる単語が入っているので、何を言わんとしているか、おわかりいただけると思いますが……。苦み走ったブラックな笑いを少々。

鶏小屋しか、空いてないよ。 初めての中国旅行で、安岐は、家の女に言われた。 しぶしぶ鶏小屋へ、行ってみると、大勢の鶏が、小屋の隅に固まっている。 その異様さは、しだいに安岐…

　上原は花が好きな高校三年の少女であり、医師から毎日日記を書くように言われている。 　男子である佐藤と女子である渡辺も同じく高校三年であり、佐藤は将来の自分へ向けて日々の事を日…

ある日突然、目の前に現れた謎の白いふわふわしたウサギみたいな球体に「未来を救ってほしいウサ」と言われた私は、魔法少女に変身して、敵と戦うことになったのだがー…。

チントンシャン　トンチンシャン　チトシャン…… 幼かったあの日も、今も、 傷つき追いつめられ寂れた神社に逃げ込んだ詩緒は、祭り囃子の音を耳にした。 だが、必ず言われるのだ。 …

２００８年、時子さんの携帯電話を手に入れてしまったのならば、必ず呪いを解かなければならない。そうしなければ、一週間後に時子さんから電話がかかってきて死ぬ、と言われている都市伝説が…

人の心を読むと言われた。 あまりにも残虐性を含む結果に、ある日、弟子が出来た。 それは、ゲームで知り合った人間からだ。霊能者の様で、どうやら遥かに若い、女の子は期待よりも上の欲望…

俺は急に出かけるはめになって、コンビニでお金を下ろしていた。隣にいた、左腕をギプスしているゴスロリファッションの女に、コピーを手伝うように言われる。コピーされた物とは。

一念岩をも通すという言葉があります。 一念化生という仏語をご存知ですか？フランス語ではなくぶつ語です。 一念の向けようによっては餓鬼にも仏にもなる。 その執念で別のものに生…

神棚の扉は絶対に開けたらいけない。そう母に言われた私は、ついにその扉を開けてしまう。

「目は口ほどに物を言う」なんて言葉がありますが、全く物を言わない目、あるいは何を言っているのか読み取れない目があるとしたらそれはそれで怖ろしいものなのだと思います。アイコンタクト…

主人公の俺・山倉祐介は、昔から無反応&言い返せない性格のため、よくいじめを受けていた。高校生になって、もはやいじめのターゲットにさえされない「完全なる空気」として平和に帰宅部生活…