壊れゆく日常 高校生達が綴った日記
一ノ清カズスケ
上原の日記
10/6 日曜日
朝起きてまず鉢植えのアイビーに水をあげる。
家でもカーディガンを着ないといけないくらい寒くなってきたけど、アイビーは寒さにも強い植物だから元気一杯だった。
お母さんがあの事故で死んでから今日で丁度一年となった。
まだ家に帰ってきて「ただいま」といえば、お母さんの声が聞こえてくるような気がする。
お母さん。不器用な私だけど洗濯やお掃除、お父さんが帰ってくる日にはお父さんが好きな魚の煮物が作れるくらいに料理も出来るようになったよ。
だから心配しないでね。
事故のあった日からこうしてお医者さんに言われてずっと日記を書いている。
おかげで大分気持ちの整理がついてきた気がする。
明日は12日と13日の学園祭へ向けての準備期間の最終週になるから気合入れなきゃ。
高校生活最後の学園祭だし、思い切って髪を染めてみようかなぁ。
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