「風 純文学」を含む小説

【茶髪の男が言った「うぜえ」も、サラリーマン風の男が言った「うぜえ」も、そのときの私には“う”と“ぜ”と“え”という音が一つに組み合わさっただけのものでしかなかった。】 留学生の…

クラスに一人は、やたら迷路を描いてる奴いましたよね。 っていう話ではあんまりなく、養父と僕の晩年のお話です。 ※なにをもって純文学なのか誰か教えてくだされ……（切実）

中学二年生の戸堂夏鈴は、コンクール曲のソロのオーディションに出ることに。 しかし、中学三年生の先輩を差し置いての選抜ということもあって、紆余曲折が……。 元強豪吹奏楽部員が純文…

「俺」は青空の下、雪の中で暮らしている。概念の雪。冷たくない雪。仕事もある。雪の側に荷物が出現して、それを穴に埋める仕事。そういう風にして毎日過ごしている。しかし、荷物がどこから…

岩蕗という社員は、痩せこけた頬に縁無しの分厚い眼鏡を掛けた、僕の苦手にしている男だ。ある時罰当番かのように任された書類整理の仕事の途中、岩蕗はぽつりと昔の記憶を語り始めた。小学生…

走るなら校舎の屋上がいい。埃っぽいグランドより、正門前のざらざらしたアスファルトの坂よりも、わたしはここがいい。冷たくて、固くて、真っ暗で、何より高いのが気持ちよかった――。

走れない悪夢を見た主人公はそれを払拭するためジョギングをする。

　『アタシは彼女の指をひとくちでいいから食べてみたいと、そう思うのでした』 　珠稀と百合子は美しい桜の木の下で出会った。出逢ったときから運命を感じてしまうほどに似た者同士でいつ…

１番目の詩が最も好きな詩でしたが、今は１８番目の最新作が好きです。 詩の自主企画を知って詩集を作りました。宜しくお願いします。 ほぼ全てが、孤独や哀しみや生きることの辛さから生ま…

陸上競技は才能が全て。天才の隣では努力しても「秀才」が及第点だろう。でも、憧れてしまう。自分にはない強さが欲しい、誰よりも速く、誰よりも遠くに跳びたいと。願ってしまう。もう少しだ…

バッドエンドしか書かない先輩と小説家を殺したい後輩の、二人きりの文学部のお話。

ぼくたちは夜明け前の屋上にいる。団地の屋上から、ぼくたちは明日を見つめる。 さよなら、すれ違いばかりだった、ぼくたちの風たちの日

高層団地の屋上。死を決めたヒロミを思いとどらませることはできるのか。

みずから死ぬことを選んだヒロミを、助けることはできるのだろうか。 いや、助けなければならない。二人のためにも。

マンモス団地の高層屋上でたたずむヒロミ。それを思いとどまらせるには、どうしたらいいか。 そうだ。あれしかない。ぼくが得意とする、あれ、だ。

絶望の中で、一縷の望みがあった。それはヒロミが晩秋の上野公園で話してくれた彼女のこだわりだ。 ヒロミ。早まるんじゃない。ぼくは必ず、おまえを見つけだす。

深夜の環状七号線。ぼくはオートバイを走らせた。 あの日にほんとうの、ピリオドを打ちたくて。

ボタンの掛け違いの恋は、こうして終わってしまうのか。 最後の望みを託して、ぼくはヒロミに告げる。 その言葉とは。

今までの恋は何だったのか。こうして恋は終わるのか。 しかしぼくが残した最後の言葉に、恋は不死鳥のようによみがえる。

あれからの物語を、ヒロミは話し始めた。