「純文学 シリアス」を含む小説

＿＿息が、したいな＿＿ そんな君の言葉が聞こえた気がして、僕は久しぶりに君に会いに行くことにした。 とある二人の、甘くて少しだけ切ない愛の物語。 ■ 7/23加筆・修正…

「××」くぐもった声で秋穂が言った。 「なに？」 「私のこと、好き？」 「好きだよ」と僕は言った。 「どのくらい？」 「秋穂が想像しているよりも、ずっと」 「いつから、好き？」 …

　表面上は無関係な世界でも、実は何処かで繋がっている……そんな物語を描こうと思いました。各物語の世界観については、以下の項目をご参考にして下さい。 　この作品は、「小説家になろ…

その昔、チョコレートを食べることを禁じられ、口にしたことがわかると『憎悪』という罰を母親に課せられていた主人公・梨穂子。 時が経ち、大学進学を機に親元を離れ暮らしていた彼女だった…

「アサクラジュリさん、次のお部屋へどうぞ」 受付の女性の無機質な声が白い部屋に響いた。同時にその七音が私の名だと気がついた。 兎にも角にも次の部屋へ進むことになっている。なら行…

「桜の木の下には死体が埋まっている」が信じられない、空想を信じられなくなってしまった引きこもりの話です。1話目がドのつく絶望で2話目はほのぼの。静かなジェットコースターのような読…

コミュ障の大学生が出たくもない文芸部の忘年会に出てしまって後悔する話です。コミュ障あるある詰め合わせ。全く救いがない。

一日分の出来事しか記憶しておけない少年。 その少年は名前も知らない不思議なお姉さんの元で暮らすことに。 ※完結はしていますが、たまに読み返して少し直したりしていま…

散歩中に見つけたアスファルトに書かれた「死にたい」の文字。 それに「わたしも」と返事を書いた。ただ、それだけだった……。

どこにでもいる普通の少女が、普通の復讐を果たして、普通に死んでいく話。 ※「破滅願望のある女子高生が異世界に召還されたようです」の読み切り版です。

あいつのせいで詩を書くことになつてしまつたやうだ。 嫌なら読まなくても良い。 読みたいのなら読めば良い。 ご自由にしてくれ給へ 萩原だけ読んでも 詩だけ読んでも 順番に囚…

だんぼーるに捨てられていた僕はある日、にんげんに拾われた。 その人は、その日から僕の『ご主人』になった。 ご主人はとっても優しくってね。 僕は彼のことが大好きなんだ。 だから、僕…

生きる意味を探さなければならない。焦る私は、訪れた郊外の寂れた湖で、『美』に出会う。

桜がその花を咲かせていたことを、夏になれば人々は忘れてしまう。 誰もが足早に、アスファルトの上を歩み去っていく。 そんな2011年7月の頃、わたしは親友に別れを告げた。 そうせ…

恋愛、人間ドラマ、ミステリー風なものなど。様々なジャンルの短編をまとめたものです。 全てに共通しているテーマは、『心』。 どれか一つでも、読んだ方の心になにかを残せる作品があれば…

「森さん、フクロウ好きなんだよね。うちフクロウ飼ってるんだけど、見にこない？」 同級生の森さんは、俺の誘いを快諾した。話すのは今日が初めてにも関わらず。 でもクラスメートの川上が…

受験生の「僕」が、窓の外の光景に心を奪われるお話です。

自分の機嫌を取るのがへたくそで真面目だった少女は、赤いくちびるに武装して初夏へ黒いガウンを揺らしていく。 高校文芸部の作品を改稿したもの。 私の敬愛するアリスムカイデさ…

「ようちゃんはどこや？」 総合病院に勤める看護師の洋子は、記憶障害の父が口にするこの言葉を呪いと感じていた。 四方八方へと散らばる思考に、まとまりは無い。しかし、そこには確かな人…

これまでなににも現実感を持てなかった彰人は母の命日の叔父を名乗る老人と出会う。誘われるまま中国の山奥へ来て生活を始め、山に馴染んだころに１匹の虎を見かけ――