「咲いたので。」を含む小説

娼婦の胸には一輪の薔薇の花が咲いていた。 女はそれを心臓だという。 触れると確かに脈打っているのだった。 吸いついてくるような手触りに、わたしは心を奪われてしまい……

花よ散れ、雨よ降れ。風が吹き荒むと、物哀しげなエピローグ。『The End』が微笑む。エンドロールの始まり。物語の余白に訪れる静寂。 家の裏で勝手に咲いた紫陽花。その中心に見出す…

オリジナル小説「咲く花舞う花巡る季節」のプロローグです。 サクヤとマイの百合物語の始まりの物語です。 この作品は他の小説投稿サイトにも投稿しています。

元ヤンキーのシニア風は、きれいに咲いているチューリップをからかってやろうと企みましたが、返って来た答えは……。

子爵夫人、エレナ・フランフィードにとって結婚は義務だった。 夫とは上手くいっていない。夫はエレナを女として愛さず、外に愛人を作って子供までいる。 家の若いメイドたちは、そんなエレ…

【あらすじ】 　神崎奏多(かんざきかなた)は生前かなり不運な男の子だった。日常生活の中で自転車のパンクは日常茶飯事、バスに乗ればバスジャック、デパートではテロ……。まさに、不運の…

毎年咲いて私を楽しませてくれる『桜』について ちょっとだけ書かせて頂きました。

第四回性癖小説選手権参加作品です。相変わらず短いですが2つ目も書きました。こちらも性別は限定しないので、お好きなように読んでください。 性癖：破滅 性癖：挟まれる幸せだったとき…

『月下美人が咲いたら連絡する』 約束どおり、親友が電話をかけてきた。彼女の実家にたどりつくと、二年前と寸分の狂いもない姿の彼女がいた――遺影とおなじ、朗らかな笑顔を浮かべて。

角川武蔵野ミュージアムでその名を冠した庭園＆代表句（ロダンの首泰山木の花得たり）の句碑に遭遇した美知子は……。

卒業式で、私はもう二度と会えない人に一目惚れした。してしまった。 初恋の呪いは、いつまでも消えない。 もう二度と出会えないのなら、いっそあなたを知らないままでいたかった。 ………

出会ってしまったなら別れたくない。宇宙人だろうと、地底人だろうと、関係の薄い同級生だろうと。 主人公の「私」はそう願って暮らしていた。 高校の卒業式の帰り道、彼女は親友とクラス会…

咲いたばかりの桜は、春は珍しい雪と出会う。友好的な桜に対して、冷たい態度で接する雪だが……。

「あの日助けて頂いたナカツルと申します」 　助けたなんてとんでもない。二〇一九年のある日、都内屈指のゲイ・タウン宿木橋にてノンケながらバー『緑の兎』で雇われ店主を務める上之原承は…

　俺、健(たける)高校生。俺の思い人は従姉の姉ちゃんだが、なかなかに思いはと言うか、伝えてもいない。こんな俺には高嶺すぎて手が出せない上に、姉ちゃんにして見れば俺は弟分だ。 　そ…

詩です。