桜が咲いた

一ノ瀬 彩音

第1話 壱

桜が咲いた

桜の花びらが、ひらひらと舞っている

僕は、それを眺めている

その景色を、ただ眺めていた

この桜の木の下で、君と出会ったんだよね

もう何年になるのかな?

初めて会ったあの日からずっと、僕らは一緒にいるね

君は、いつも笑顔で僕の傍にいてくれた

僕はそんな君のことが大好きだったよ

でも……でも、別れよう

そう言ったのは、僕の方からだった

だって、いつまでも一緒にはいられないと思ったから

僕には仕事があるし、君にも仕事がある

そして、いつか家庭を持つだろうと思っていた

だから、このままではいけないと思ったんだ

お互いの為にはならないと そう思ったら、居ても立ってもいられなくなって

君を傷つけるかもしれないと思っていながら、言わずにはいられなかったんだ

ごめんなさい

本当に、ごめんなさい

それでも、やっぱり僕は君と一緒にいたかった

こんな気持ちのまま別れたくはなかった

だけど、それも仕方がない事なんだよ

これは、どうしようもないことなんだ

君は悪くないよ

悪いのは全部、僕なんだから

僕は今、幸せだよ

毎日が楽しくてしょうがない

君が作ってくれたお弁当を持って会社に行くのも楽しいし、

仕事をしている時も楽しい

家で待っている君のことを思うだけで、胸が高鳴る

ああ、なんて幸せなんだろうって思ってしまう

ありがとう

君がいてくれるおかげで、僕は幸せになれました

これからもよろしくお願いします

そして、愛しています

心の底から 僕は、とても幸せです

あなたに出会えてよかった

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桜が咲いた 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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