「怪異」を含む小説

「つまらない死に方を選択するのではなく、百年に一回ある『最後の三分間』で死を迎えるのはどうかと提案しようかと思っただけです。もし気になるようでしたら、私に付いてきてください。次の…

「これから現れる少女の霊はとても気難しい性格をしています。出現したとしたら、不要に立ったりせずにじっとしていてください。彼女はとあるお題を出します。そのお題を無事にクリアできたら…

「用意するのは紙とペン、そして言霊。それだけで十分なのです」 　それは、菊田志郎（きくた　しろう）が開いている自己改革セミナーでの決まり文句であった。 　そんなセミナーを開い…

稲荷原流香は、たまに私に逢いにきてくれるの。 私がいる小さな部屋のような匣の中まで来てくれて。 これは私と流香との逢瀬の一コマなの。 『怪異譚は眼帯の巫女とたゆたう』シリー…

『お店を十時に開くんだけどね。一番目のお客さんが来た時は何にもないんだよ。でもね、二番目のお客さんが来た後におかしな事が起こるんだ。しかも、ここ最近、毎日だよ』 喫茶店『ミライ…

遊園地の廃墟を訪れた刑事二人。 彼らの目的は、怪事件の専門家に会うことで――。 ＜「カクヨム3周年記念選手権～Kakuyomu 3rd Anniversary Champion…

『カクヨム3周年記念キャンペーン、１日目のお題』 　～　言実第二小学校　学園七不思議その四　～ 　夕方以降、誰もいない第二運動場で複数の足音がどこからともなく聞こえてくる。 …

魔法使いを自称する男・嵯峨野正隆が焼死した。 嵯峨野が焼死する二時間前に、嵯峨野が殺人予告をしていた水沼英二もまた焼死した。 どちらの事件も人体自然発火のような状況であった。 …

皮膚が硬化し、異形の姿へと転身してゆく奇病が蔓延している日本。 その病を意図的に進行させ、怪異と相まみえる力を得たのが、旋や馨のような、竜騎兵と呼ばれる存在だった。

日課として、早朝に祝詞を奏上していた稲荷原流香。 そんな流香にとある調査を持ち込んできた初老の男がいた。 その男は言う。 『私を殺そうとして巻き込まれたといったところでしょうか…

ほんの短い、少しヒヤリとするものを中心に。 ふと気づけば隣にある、正体のわからない怪異を 数行で綴ったショートショート集です。

ある日事故で片目を失明しかけた少女、久遠 憐は『意味』を喪ったその目に、『忌味』を宿すことになる。 その魔眼『忌味』は指定の相手に一度だけどんな要求でも必ず実行させるマガンだった…

『あの屋敷には手を出してはならない。あの屋敷が朽ちるまでそっとしておいて欲しい。それさえ守れば、私は安心して逝けるというものだ。これは私の意思であり、最愛の魔女の望みでもある』 …

掌編～短編のオムニバス怪談を集めた百物語です。 最初から読むのがお薦めですが、基本的にどこから読んでもいいようになっています。お好きなところからお読みください。 軽いストーリーめ…

　見えない筈のものが視える……。 　他人の死相が視えるという特異な眼を持つ少年 成瀬蓮司。 　呪術師の祭塚一条は、蓮司の依頼を受け、怪異に巻き込まれた成瀬家の調査へと繰り出す。 …

ドラゴンの事件から一か月、ドラゴンになった少年　南雲一斗は再び怪異譚に巻き込まれる。炎のドラゴン、サラマンダーが彼を燃える炎で妬きつくすとき、彼らの青春は動き出す。 　青春を走り…

〝――二番目に怖いものって何かしら？〟 　市瀬探偵事務所に就職して、早くも半年が経過した。 　やってくる〝奇妙な依頼人〟にも慣れ始めたある日のことである。市瀬探偵事務所に持ち込…

高校進学を機に親元を離れて一人暮らしを始めた少年・剣崎 薫（けんざき・かおる）は、映画を見るために駅前に向かい、そこで迷子の男の子に話しかける着物姿の少女を目撃する。 その後、…

江戸時代初期に千葉県東総地方に実在した湖「椿の海」に伝わる伝説を元にした、ちょっぴり怖いお話です。

化け物退治を生業とする貴族、 ビザール・シアン・ドゥ・シャッス男爵。 口さがない者には「悪食男爵」と呼ばれていた。 故国では歴史が古い家の現当主であり、王家の覚えもめでたいが、…