戀の独言

時雨 茉莉花

1/知筈邂逅

00

 暗い夜道を歩いていた。

 小さい頃嫌いだった夜が、今は好きだ。

 立ち並ぶ住宅街を足早に、

 シンとした空間に足音が響く。

 しばらくして、目の前で車が横転した。

 キィーッ。

 というブレーキ音。

 血を流し、一人倒れている。

 地面の凹凸に従い、広がる紅色。

 落ちた亡骸が、わたしにははなに見える。


 ──いつからだろう、見るもの全てがこんなにも美しくなったのは。

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