茂木怪異録

モギハラ

第1話 まえがき あとがき

 茂木教授は、幼少の時分から怪異に魅入られていたという。

 あるいは、怪異の方もまた教授を好いていたのやもしれない。


 茂木教授は、氏が修めていた民俗学の分野ではあまり有名ではない。

 しかし、怪異譚についてとなれば、大家と呼ぶべき人物だった。


 これらの掌編から成る記録は、教授が古今東西を渡り歩き、

 生涯をかけて蒐集してまわった怪異譚の、ほんの一部である。


【茂木怪異録 編者まえがき より】






 彼がこの膨大な怪異録の完成原稿を残し失踪を遂げたことは、

 この書を締め括るのに相応しい怪異と言えるだろう。


【茂木怪異録 編者あとがき より】

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