「純文学 花」を含む小説

明るく終わらせるつもりが、いつものパターン。笑

わたしたちは桃缶の、甘ったるいシロップに浸った黄桃にかぶりつきながら、きみのことを考えている。わたしたちの秘密に気づいてしまった、可哀想なきみのことを――。 愛しあえば消えてし…

裕美子は東大卒の独身エリートキャリアウーマン。一流商社でバリバリと仕事をこなしている。しかし最近年齢を重ねて、身体の衰えとともにぼんやりとした寂しさと不安を抱き始めている。 そん…

　好意や勧誘を全てフり続けている、高専生の香月茉莉花は才色兼備と頭脳明晰に、損得勘定を併せ持った人間だった。物心ついたころから、得が見込めない話は合理的に全て断ってきてきた。 　…

主人公である竹中は街を歩く最中、同級生だった吉田と出会う。 昔話に花を咲かせた後、高校からずっと疎遠だった吉田は竹中へと電話番号を尋ねるが、竹中は持っていないと持っていないと首を…

不登校の少女が死んだ祖母の残した雑草の庭をきれいにする話。 Text revolutions8内企画、第8回Webアンソロ「花」の参加作品です。

自分の中だけに罪の意識がある男とその後輩の話。

　ある日月島祐の元に一人の若い女が現れた。それは父親の再婚相手だった。 新しい母親になる人が自分と年も変わらない女。昔好きだった家族の形が完全に無くなることを恐れた祐は家を出る。…

イタリアの小さな村で起こる小さな小さな物語を描いた短編です。どこか現実離れした雰囲気を楽しんでいただければと思います。

種が落ちてくる世の中になってからはもうだいぶ経つ。 種といっても草木や花の種子ではない。そもそもそんな小さな粒ではない。直径二メートルから大きいと五メートルほどある巨大な岩状のも…

気味の悪いほど静かな道を一人の男が歩いている。 鎌首のように曲がった背筋からは男の焦燥が窺え、死の気配に包まれているようである。 男が道を進んで行くと、石畳が土に変化する。そして…

過去作。 いつか、自分に咲き誇れるような花に。

世界最高齢の水口桃花は現役の絵描き。年齢のために来たテレビが放映されると、訪ねて来る人がちらほら、しかし桃花は取り合わない。そこに年齢ではなく彼女の絵に感銘を受けたと言う青年が現…

やはり「桜」と聞いて頭に浮かぶのは美しい和な景色ばかりのせいか、 今回はいつになく、ちょっと純文学的な時代劇です。 太宰治の『走れメロス』を少々パロディにしていたりもします。　

五分くらいで読める短編です。しっとり奥ゆかしい情緒がお好きな人向け

大人になりきれなかった男子高校生と恥ずかしがり屋な女子中学生が織り成す甘酸っぱくも悲しい恋愛話。花言葉にのせて美しい純文学をあなたに。 ～あらすじ～ 青春というものに嫌気がさし始…

わたしは仕事帰りに、決まって花を一輪だけ買う――。

犬のフンを乗せたお皿を百回洗ったら、それでご飯を食べられますか。五年三組の特別授業はそこから始まった。 伝えられたこと、僕達はそれぞれの解釈と日々を経て同窓会で再会する。

国境を挟んだ二国の長く続いた戦争中。戦地の片隅に捨てられた廃墟のホテルを拠点に、両国の中立を保つ子供たちだけの義勇軍「TPC」はあった。ある日、隣国から亡命してきた幼い少女を匿っ…

ーーはるながあめ。ある日、唐突に頭に浮かんできたそれは、過去の青春そのものだった。会社員の翔平は、空を仰いで記憶を辿る。目の覚めるような鮮やかなピンク色の花と薄暗い曇天との対比に…