「（んなわけない）」を含む小説

　神崎美奈子が名刺を渡すとき、相手の反応は大抵決まっている。困ったように眉をひそめ、こういうのだ。 「心霊、相談？」 　はい、と元気よく答えれば、玄関の扉を閉められたり、怪訝…

　大学受験は情報戦だ。特に難関大学受験となるとその傾向は顕著になる。何十年も蓄積された過去問から傾向を調べ上げ、その大学に最適化された授業と学習計画が予備校では提供されている。そ…

おばさんメタラーのカズさんと僕がくらす家に、ある晩一人のおかしな青年がやってきた･･････ 自分でもどうしてこんな話が書けたのかよくわからないブラック・コメディです。 おたの…

――昭和35年、東京。 呪いの蛇を身体に宿したツツミは、和紙を千代紙に染める楠染工の三代目・霧衣に会う。彼は〝この世ならざるものたち〟を花鳥風月の図版で包み、天に贈る〝紙屋〟であ…

僕はどうしようもなく世間一般が好むものは好まず、逆に好まれないものが好き。けれど節操なしにしているわけでなく、そこには僕の信念がある。

高良縊想星はどこにでもいる普通の高校生になりたかった。好きで選んだわけではない「仕事」を隠して学校に通う日常――これが望んだ「普通」なのか。どういうわけかクラス一の美少女・白森明…

タイトルは、ただのダジャレで、そこまで深い意味はありません。 全然すごくないじゃないか！ すみません。ノリと勢いだけで名付けました。 出典を失念してしまいましたが、ドイツの…

　グローバーがいつも異常に意味不明なことを言う。 「大戦があって、中世まで遡ったって言ってたんだから問題ないんじゃないの？」 　アルはグローバーの指摘に質問をする。 『そもそも西…

最強魔導師一族の末裔、ヴァン・スナキア。 たった一人で全世界を圧倒できる彼は国防の要であり、彼を失えば国も滅亡してしまう。 一族の血を絶やさぬようにという国民の願いの元で、ヴァ…

夏休み、小学四年生のフタバは狭いアパートから、同じ学区にある一軒家に家族で引っこすことになった。 友だちのリリちゃんもご近所さんになったし、新しい家ではママの妹であるハスミちゃん…

奈津は小さな市だ。 人口は15万弱で、歴史的遺物も見つからず、これといった観光が存在するわけでもない。 列車の路線と路線を繋ぐ、乗り継ぎ地点の駅に商業施設があるのと、国道沿いの閑…

この小説は2019年から他サイトで投稿していたんですが、諸事情で連載途中に投げ出してしまった作品です。というわけで推敲し直して再度UP、さらに続きも書いてちゃんと完結させてあげた…

お題「文化祭」 勇斗は、まどかの幼馴染だ。 お隣さんで、同級生で、生まれた時からずっと一緒。 高校進学で違う学校に進んだけれど、勇斗はずっと隣にいた。 だけど、付き合っているわ…

会社の低賃金では生きていけないと、小遣い稼ぎ、あわよくば一攫千金を企んでネット配信に手を出した主人公、保本大吾。 しかし現実は厳しく、チャンネル登録者は今もゼロ。 どこかに捨て猫…

完全完璧究極のモブ佐藤亮は、いつもと変わらずモブに徹して日々を送っていた。 が、そんなある日亮は、学校一の美少女である川北莉愛に告白される―― こんな俺が告白されるわけがない。…

―――俺は、女性が愛せないのかもしれない。 別に、男色家だとかそういうわけじゃないけれど、女性を愛そうと思っても、パズルのピースがはまらないようにしっくりこない。 そんなある日、…

　僕、山田太郎がいつものように目覚めると、そこは見知らぬ世界だった。 　藁でできた家。民族みたいな人たち。群馬のとあるゆるキャラ似の（自称）妖精。 「ここは群馬じゃない。グンマ…

　かつて戦場で、サラとジェイコブという負傷兵二人を助けたのは、刑事である赤野周作。周作は、仙石という裏社会の人間から身を隠すことを目的に本名である周(あまね)という名前を捨て、女…

主人公の翼(16歳)はたまに思い浮かぶ謎について真剣にかんがえてみることにした。 これは、翼という個人の意見であって決めつけているわけではない。 ここの文が周りの本の紹介文よりも…

『好き』って言われると好きになる、という話がある。 『んなわけあるかい』、と彼女は思っていたのだが… これは彼女のとある日の日常を切り取った物語。