僕の幸せ誰かの不幸せ

八月一日茜香

僕の信念

僕は苦しくないことが嫌いだ。甘くない密が嫌いだ。僕は苦しいことが好きだ。辛いことが好きだ。どうしようもなく甘い蜜が好きだ。こんなぼくだからか、最初は優しくても、いつの間にかみんな離れてしまうんだ。だって

「ねぇ、キミ?こんなところで何をしているの?」

「えっ、えっと…勉強です」

僕はニヤッと口角を吊り上げて

「はい、キミ。こっちに来てね?」

キミは混乱した様子で大人しく僕に連れられ、人気が無い路地裏まで連れ出された。コンクリート造りの壁にキミを、強く押し付ける。少女漫画だったら胸きゅんシーンなんだろうか。そんな場違いなことを考えながら、キミに告げる

「キミは合格!そして不合格。だから僕のストレス発散になってね?」

「はっ?」

キミは胡乱げな顔をして、ハテナを飛ばす。そりゃそうだ。急にあった人物にこう言われたら、僕だってこんな反応になるだろう。僕はキミの反応を尻目に、腹に一発拳を入れる

「がはっ」

重く乾いた音がキミの喉から漏れる。僕はお構い無しに何発も入れる。キミは顔を歪ませて、痛みや苦痛に耐える。その顔が最っ高に可愛くて、面白かった。そしてキミが自分で立っていられなくなった頃

「バイバイ!楽しかったよ?」

そう言ってズルズルと倒れた君を放って、僕は帰路に着く。僕はさっきのことを思い出してニヤニヤした

「それにしても、あの子はありだな〜」

そう、僕の質問にきちんと答えたら合格。だけど、どもったりしたら不合格。不合格の子はそのままにするけど、運良く合格になった子はさっきみたいになる。いや、さっきよりも丁重に扱うかな。それが僕のモットーで、突き通すべき信念だからね。でも、世間一般からは''これ’’はおかしいみたい。それでもいい。だってそれで僕は幸せなのだから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕の幸せ誰かの不幸せ 八月一日茜香 @yumemorinokitune

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ