皆さまこんにちは。電撃文庫編集部です。
\応募受付期間は8月26日(日)まで!!/
電撃文庫編集部が贈るウェブ小説コンテスト「電撃《新文芸》スタートアップコンテスト」の応募受付もまもなく締め切りです!
「面白ければなんでもアリ」をテーマにエンタメノベルを送り出してきた電撃文庫編集部が、創刊25周年を記念し、新たなメディアとして《新文芸単行本》に挑戦するこのコンテスト。
ラブコメも、SFも、異世界ファンタジーも、現代異能もなんでもアリ!
栄えある大賞受賞者には賞金30万円授与の他、書籍化を確約。コミカライズも実施します!(他、特別賞の可能性もあります!)
電撃文庫編集部が求めているのは、
「これこそが今の電撃に足りなかったモノだ!」と思わせてくれる、新しさに満ちた作品です!
そんな本コンテストの開催にあたって、何か参考になるコメントをお贈りしたいと始まった本企画。
いよいよ応募期間もあとわずか! 最後は独創短編シリーズでおなじみのこの方から届いたコメントをご紹介!!
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「今の電撃に足りないのはコレだ!」最終回:野﨑まど
電撃文庫編集長・湯浅隆明は苦悩していた。長く続く出版不況、ライバルレーベルの台頭、電撃文庫はかつてない苦境の中にある。この状況を打破することこそが編集長の使命である。
しかしそのためには、何かが足りないと感じていた。それが解らなければ電撃文庫は一歩も前に進めないだろうとも。
今の電撃に足りないもの。それはいったい……。
その時であった。湯浅の頭の中に突然声が響いた。
《聞こえますか……私の声が聞こえますか……》
「なんだこの声は。お前は誰だ」
《私は異世界の女神……》
「異世界の女神だって?」
《貴方は誰ですか……》
「私は電撃文庫編集長の湯浅だ」
《湯浅ですか……》
「そうだ」
《湯浅はどこ住み……?》
「埼玉だ。おい何なんだこれは」
《何と言われましても……趣味のアマチュア啓示ですから……適当に繋いでるだけです……》
「用がないなら切ってくれ」
《待って……お話しましょう……悩みとかないですか湯浅……》
「私の悩みは電撃文庫のことしかない。電撃文庫に何かが足りないことが悩みだ」
「足りないとどうなるんです……」
「前に進めないのだ」
「じゃあ足りないのはアレですね……イベ……」
「イベだと?」
「キーイベをこなしてないから進まないのです……消化してからでないと何回挑んでも駄目です……イベを探すのです湯浅よ……」
「探すと言ってもどうやって」
《世界擦り合うも他生の縁……私が力を貸して進ぜましょう……カクヨムカクヨムアルファポリス・ナロウナロウエブリスタ~……》
女神が怪しい呪文を唱えると、編集部を歩いていた編集者が突然直角に曲がるようになった。
《これでメインストーリーと関係ない話は進まなくなりました……さあキーイベを探すのです湯浅よ……》
湯浅は頷き、編集部内の探索を始めた。手近な部員に声を掛けてみる。
「土屋君」
「ガッハッハッハ! 校閲の調子はどうだ湯浅!」
「土屋君?」
「ガッハッハッハ! 校閲の調子はどうだ湯浅!」
「これじゃないな……」
湯浅が別の部員を探す。
「阿南君」
「【loading......】
★2018.08.10
水着アスナが手に入る期間限定イベント実施中! 詳しくは公式サイトをチェックしてくれ!」
「これはトピックスか……」
さらに先を行く湯浅に、若い女性編集・鮫島が近づいてくる。
「わぁ! 素敵な編集長! ちょっと遊んでいきません?」
「仕事中だ」
「ちょっとだけちょっとだけ。とっても気持ちいいですよ……」
「あれ? 話進んだ?」
「遊んでいきます?
【はい】 【いいえ】」
「これなのか女神、これがキーイベントなのか」
《Эта программа - матрешка музыки, отправленная из Владивостока》
「くそ! 肝心な時に電波が!」
湯浅がにわかに考える。だが家庭もある身。選択は限られている。
「【いいえ】だ」
「そんなこと言わないで。
遊んでいきます?
【はい】 【いいえ】」
「雑なイベントめ!」
強制選択イベントに追い詰められた湯浅。物語を進めるためには女性編集と淫らな関係になるしかない。しかし倫理的に許されることでは……。
『いいや、お前はそれを望んでいるのさ』
もう一人の湯浅が不敵に笑った。いつのまにか湯浅は、闇の中で自分自身と向き合っている。
『本当は不倫したいんだろう俺』
「馬鹿なことを言うな!」
『編集長の重圧は辛いよな? たまに快楽に溺れた所で誰も俺を責めやしない……』
「そんな……ことは」
『ほら強制イベだから。消化しないと進まないから。仕方ないって』
「(そうだ……他の選択肢はない……。愛する電撃文庫のためにも、気持ちいい遊びをするしかないんだ……システムに用意されたイベントのレールに乗って、流されるままに進むしか……)」
心が闇に飲まれかけたその時。
「違う!」
湯浅は唐突に気付いた。
「電撃文庫は『面白ければなんでもアリ』! 面白くなくちゃ駄目なんだ! 敷かれたレール通りに進むなんて面白くもなんともないじゃないか! ようやく解った……今の電撃文庫に足りないもの、それは誰も歩んだことのない道を切り開く『フロンティアスピリッツ』だ!!」
湯浅の叫びが空間に亀裂が走らせ、闇の世界が砕け散る。
溢れる光の中に、女神の声が響いた。
《弱い自分を打ち破りましたね湯浅……》
「女神……」
《Это минтай музыки, который течет через Амурский залив》
「電波弱いな……」
《失礼……ええと……貴方はもう以前の湯浅ではありません……。試練を乗り越えた貴方にこれを授けましょう……》
「これはっ!」
湯浅の手の中に眩い光の玉が現れる。
《今の貴方なら使いこなせるでしょう……その力、存分に振るいなさい……》
神々しい光の中から出現したのは、女神の神霊力を宿した聖なる30万円であった……。
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かくして、電撃《新文芸》スタートアップコンテストの大賞賞金は女神から授けられたのであった……!
まもなく応募締め切りですが、まだ間に合います!! 我こそはという意気込みを持った方は電撃レーベル発《新文芸》に是非、お力をお貸しください!!
◆第1回:川上稔氏からのコメントはコチラ◆
【コンテスト応援企画!】「今の電撃に足りないのはコレだ!」第1回:川上稔 - レーベルからのお知らせ
◆第2回:安里アサト氏からのコメントはコチラ◆
【コンテスト応募受付中!】「今の電撃に足りないのはコレだ!」第2回:安里アサト - レーベルからのお知らせ
◆第3回:川瀬浩平氏からのコメントはコチラ◆
【応募作品数・1555作品突破!!】「今の電撃に足りないのはコレだ!」第3回:川瀬浩平 - レーベルからのお知らせ
◆第4回:某書店のラノベ担当氏/『書泉ブックタワー』田村恵子氏からのコメントはコチラ◆
【応募受付期間は8月26日(日)まで!!】「今の電撃に足りないのはコレだ!」第4回:『某書店のラノベ担当』/『書泉ブックタワー』田村恵子 - レーベルからのお知らせ
◆第5回:バーチャルYouTuber・本山らの氏からのコメントはコチラ◆
【応募作品数・2000作品突破!!】「今の電撃に足りないのはコレだ!」第5回:バーチャルYouTuber・本山らの - レーベルからのお知らせ
※「電撃《新文芸》スタートアップコンテスト」の詳細につきましては、カクヨムのコンテストページをご確認ください。
kakuyomu.jp