【コンテスト応援企画!】「今の電撃に足りないのはコレだ!」第1回:川上稔


皆さまこんにちは。電撃文庫編集部です。

7月6日(金)より応募受付スタート!
電撃文庫編集部が贈るウェブ小説コンテスト「電撃《新文芸》スタートアップコンテスト」まで、あと一週間となりました。

「面白ければなんでもアリ」をテーマにエンタメノベルを送り出してきた電撃文庫編集部が、創刊25周年を記念し、新たなメディアとして《新文芸単行本》に挑戦するこのコンテスト。

ラブコメも、SFも、異世界ファンタジーも、現代異能もなんでもアリ!
栄えある大賞受賞者には賞金30万円授与の他、書籍化を確約。コミカライズも実施します!(他、特別賞の可能性もあります!)

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電撃文庫編集部が求めているのは、
「これこそが今の電撃に足りなかったモノだ!」と思わせてくれる、新しさに満ちた作品です!

そんな思いを胸にコンテストを始めるにあたって、何か参考になるコメントをお贈りしたい……!
そんなわけで、電撃文庫で執筆している作家陣をはじめ、様々な方に応援コメントをお願いすることにしました!

今回は第1弾として、カクヨムでも『川上稔がフリースタイルで何かやってます。』を連載中の川上稔氏からのコメントを公開いたします!!

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「今の電撃に足りないのはコレだ!」第1回:川上稔

胸の話?
──あ、すみません。気の早い結論でした。
電撃《新文芸》スタートアップ、おめでとう御座います。
新文芸というものを立ち上げるにおいて、今の電撃に何が足りないのかコメントを、という依頼がありましたが、やはり「デカい話」じゃないのかな、と思います。
そうだ。胸の話だ。違うか。いやありか。どっちだ。まあいい。大きいのはいいことです。

デカい話、どうですかね。ありますかね。
たとえば世界があって、1ページ目から、ああ、この世界は、今立っている場所の裏側、星の真逆側の町でも人が生きているのが解るという、そういう手応えのデカさ。

この一点においては、つまり。
後からくっつけるんじゃなくて。
それをやる必要は無いとか言わなくて。
それが出来る人はごく一部だとか諦めないで。
設定厨とか言って、頭良く笑ってないで。

読んだ瞬間から「ああいつもの」じゃなくて「ヤベえのに触れてる」ってデカさ。
あるんですよ、そういうのが。
胸の話じゃないです。あって欲しいけど。あるか無しかでいえば凄いあった方がいい。
そういうの、今、どーですかね。

続刊出来るのかどうか、という点において、風呂敷を広げるのを書き手が怯えている。
創作の効率化が進んだ、という点において、手を入れるべき事を書き手が忘れている。

後付けしていくと、最初の頃と齟齬が生じていることに、実力の上昇と共に気付いて、そこに触れたくなくなって、最悪、仕切り直し。
地球の真裏の食材や情報で”今ここ”が左右される時代に、視界百メートルくらいで「この世界はデカいです」が通じるとしたら、それは「この程度だから」とナメられているんじゃないのかな、とか。

実はずっと前に、電撃からのアンケートで「電撃に一言」と言われたとき「最近小粒」と書いたことがあります。ホント、今、どうですかねー……。

勿論、手元で転がす話の面白さってのはあって、後からくっつけて世界を広げるのもあるんだけど、でもそれは「既にある」んですよね。
無いものの話。
既にあるものから作られた枠を破壊したいですよね、と。
もう、毎日面倒くさいことばかりだから、いつもとは違う処に連れて行ってくれ。
ハーレム系でもさ、まだ出ない全てのヒロインが”今”何をしてるか。それを想像出来てるだけで、一巻目一ページ一行目の描写は多分変わると思うのです。

実力不足とか、上手くいかないとか、いろいろあるけど、これだけ創作が効率化された現在、差をつけるのは「それをする必要が無い」を敢えてすることかな、とも思います。
これからも効率化は進み、文章ですらちゃんと書いてあることが「古い」と言われるようになると思うんですが、そこでの差はノイズの確度と大きさではないかな的な。
Web小説2.0みたいな。
そういう意味では「デカい話」はオススメです。これは勉強と試行回数で積み上がるものなので、才能の閃き一発では作れない。凡人の技だからでして。
別に後付けせんでも、ある程度組んでおくと、その中での相互作用で変化して行って、延々と回せるようになったりします。
そうなってくると、限界が無いのですが、凡人はそれを無限に追っていいのです。

マーなんですか、胸の話ですよ胸の話、と、そんな感じで「冗談だよ真に受けるなよ」と、そう肩を叩かなくてもいいようにならんかな、とは思いますねー……。
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今後もコメントを続々と公開する予定なので、我こそはという意気込みを持った方は電撃レーベル発《新文芸》のために是非お力をお貸しください!!


※「電撃《新文芸》スタートアップコンテスト」の詳細につきましては、カクヨムのコンテストページをご確認ください。
kakuyomu.jp