概要
一番ロックな奴は誰だ!
都道府県を代表するご当地バンドが結集し、トーナメントで最強を争う!
無力な自分が許せない小学生、多田唯(ただゆい)。彼女は九歳で人生をあきらめた。
一度は全てを捨てようとした少女は、しかし、ロックンローラーとして帰ってきた。
ムカつく天才どもに一泡ふかせるために。人生を一発逆転するために。
どうせ投げ捨てるつもりだった命! 全員ブッ殺して、あたしが一番になる!
【キャラクター紹介】
■アフター・スーサイド(山梨県代表)
女子小学生の多田唯を中心に結成。
全員があの「樹海」から生還したと言われる危険なバンド。
■モリノクマサン(北海道代表)
メインボーカルが熊。腹をすかせて地獄の底のようなデスヴォイスを
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!これが、ロック……!
世の中には「意味はよく分からないけれど通じる言葉」がたくさんあります。
例えば「粋」。この言葉の意味を明確に説明できる人間が果たしてどれほど存在するでしょうか。少なくとも僕は出来ません。海外の方に「What is "IKI"?」と尋ねられたら「あー、えーっと……ブレス!ブレス!エアーフロムマウス!」と言葉遊びで誤魔化す以外の術を持っていません。それによって日本人は自らの口臭に誇りを持っているという謎の誤解が発生したとしても。
本作で取り上げられている「ロック」も「粋」と同じように、僕の中では「意味はよく分からないけれど通じる言葉」に分類されます。なんとなくロックっぽいものを「ロック…続きを読む - ★★★ Excellent!!!面白い小説を書くためなら、人はここまで知性を捨てることができるのか
面白いです。とにかく文章全体が野生的なパワーに溢れていて、「これがロックだ!」と言われると「そうか、これがロックだったのか!」と思わず納得しそうになります。
女子小学生の全裸がロックであることは言うに及びませんが、同時に女子高生の全裸がロックであることも揺るがぬ事実です。本小説はこの「全裸=ロック」に代表されるような自明の理を随所に挟むことにより、それ以外のカオスな部分にまで説得力を持たせるという極めて高度な手法で読者の精神を蝕んで来ます。
文句無しに万人にお勧めできる傑作です。特に、ハーブか何かの代用品として一日一読することに適しています。 - ★★★ Excellent!!!ロックなボンクラどもに幸多からんことを!
笑いっぱなしでした。とにかく全要素がクレイジー!
冒頭からして女子小学生がロックな真似をしでかしており、劇中のイベント、ひいてはこの作品が真に何でもありだということを魂で理解させられます。その上で続々と登場するトチ狂ったキャラクターの数々! 一体どうやってこれほど個性的極まる面々を単一の頭脳から生み出せるのか、そして躍動感たっぷりに描けるのか、発想力に脱帽せずにはおれません。
それでいてただ読者を弄ぶだけではない、物語としても面白い! 確かな地盤たる全体の流れがあり、説得力があり、続きが気になる。凄まじいことです。一気に読んでしまいました。