概要
フミカは運送業に携わる高校2年生の女の子。自分で長距離大型トラックを運転し、時に自動運転ロボ〈キョウさん〉に運転してもらい、リモート授業を受けつつ日本全国を転々としていた。
フミカはある日、いっぷう変わった少女・シヨウと出会う。彼女はトラックに牽引させたコンテナハウスに住み、車載動画の投稿や短期バイトで収入を得て暮らしていた。
シヨウが旅をする理由──それは、AIが世界中に造ったという謎の巨大碑〈ヌル・モニュメント〉を探すことだった。
やがて、フミカは日本各地で働く様々な人と場所を知り、時に不思議
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この作品でしか癒すことができない気持ちに駆られました
初めてレビューを投稿します。
主人公・フミカが、とびきりチャーミングでキュート!な友人たち(クロちゃんがお気に入りです!)たちと出会い、たまに別れて過ぎていく生活が、とにかく楽しいです。
ときどき「あれがこんなふうに登場するの!?」とわくわくする秀逸な設定(特に、ブックオフまわりの描写には感動…)や、愛らしくも頼もしい『キョウさん』『うんぱんくん』といったすこし未来のガジェット、『ヌル・モニュメント』や恐竜など『ムー』的なイマジネーションの広がりなど、とにかくさまざまな角度からさまざまな美学が繰り出されます。
でも『るる ひょうひょう』の好きなところはそれだけではなくて、未来の話でありながら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!我々はどこから流れ、どこへ漂っていくのか
本作は、作者自らの作品紹介で述べられている通り「ロードノベル」だ。
ただし緑の地を目指したり轢死体を探すような、最初から明確に目的地や目当ての物が設定されていてそこに辿り着くまでの話ではない。
主人公は少し先の未来社会の女子高生兼トラックドライバーとして、仕事で全国のあちこちを巡る。また、その途上で出会う人々の関わりの中でも様々な場所を訪れる。
物語の最後に向かう場所がどこなのかは終盤まで分からない。
そして物語のテーマ的にも「目的地の分からなさ」は重要だ。
主人公は旅の中で「AIが遺す謎のオブジェクト」や「時間を行き来する一族」「古代生物の幽霊」等の不思議な事物にふれ、過去…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読むとお腹がすく(happy)
レ、レビューと感想って違うものですよ、ね…?私に「レビュー」が書けるかどうか分かりませんがDAISUKI!を記したいので頑張ってみます。
まずは執筆お疲れさまでした!
Xやblueskyに更新時添えておられたイメージアートも素晴らしく…えっ ご自身で撮った写真と組み合わせで作成したの?マジで?!
そう、そうなんですよ(どうなんだよ)都市と自意識クンの旅先チョイス&写真から感じ取れる空気の味が大好きでこの視点を持ってる方の書くお話が良くないわけないじゃない。
女子高生がお助けロボをお供にトラックドライバーをしながらリモート授業を受けてる、って状況&状態の説明だけだとオッ戦車道的なジャンルで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!少し未来、高校生たちがロードサイドで出会うヒト・モノ・AI・そして……
「都市と自意識」さんは、一般には省略されてしまうような細部の描写を丁寧に積み重ねてその積み重ねがやがて作品の魅力の中核となっていくような小説の書き手です。本作でも繊細なディテールの描写の積み重ねによって、長距離ドライバーとしての労働と勉学を両立している高校生の主人公が、ロードサイドで同世代の友人たちと出会い、関係を深めていくほんの少し未来の青春模様が生き生きと描かれています。フィンランドの最終処分場オンカロ、防火壁として機能する長大な団地・白髭東アパート、賞味期限切れのオイルサーディンを珍重する食文化、AIが作る記録不可能な巨大モニュメント、山頂の電波塔で記録される恐竜の幽霊、野生の自律型ロ…続きを読む