メカクシ様が棲まう村

　東北の山間にひっそりと佇む深谷村では、古くから「メカクシ様」と呼ばれる獣にまつわる掟が、伝統として守られている。この掟は、村人は決して「メカクシ様」の姿を見てはならず、降臨の際は家に籠り、目を覆う仮面をつけなければならない。その正体は外部の者には一切語られない。

　しかし、神聖とされる儀式の裏には、長く隠されてきた血塗られた掟が存在した。村に伝わる掟のもと、犠牲となる者たち。そして、両親を探す少年・千早清美と記者・瀬文純たちがその秘密に触れたとき、村に漂う不穏な空気が一層濃くなる。

「メカクシ様」は果たして村を守る存在なのか、それとも……？