最終話 たった一つのきっかけで
秋奈と付き合い始めてから半年がたった。
特にこれといった問題もなく幸せな日常が続いていた。
「そういえば秋奈はいつから俺のことが好きだったんだ?」
半年間付き合ってきたけどその内容を詳しく聞いたことは無かった。
特に聞くこともなと思ってたけど急に気になったから聞いてみることにした。
「え~それ今更聞くの?」
「だって急に気になったんだからしょうがないだろ?教えてくれないか?」
「別にいいよ。付き合い始めた当初に言った気もするけど初めて私を助けてくれたからかな。その後もずっと私を気遣ってくれて、それなのに手を出そうともしないでずっと誠実に私のことを支えてくれたからだよ。これで満足?」
「ああ。満足だよ教えてくれてありがとう」
秋奈は付き合ってからもやはり恥ずかしがり屋なところは変わっておらず自分からはぐいぐい来るくせにこっちがぐいぐい行くと照れてしまう。
そんなところがやっぱり可愛いと思う。
俺の彼女は最高に可愛い。
「冬真さんだってなんで私の告白OKしてくれたの?」
「簡単だよ。俺はあのまま生きてても何もなせないしずっと灰色の景色をみて過ごしてすぐに自殺するつもりだったからな。そんな俺の人生を変えてくれたのがお前だ。だから俺のほうも好きになって当然って言ったらそうなのかもしれない」
「ふふっ。なんだか私達すごく恥ずかしいこと言ってるね?」
「言うなよ。意識すると余計に恥ずかしくなるだろうが」
もう少しで秋奈と出会って一年。
そんな時期に俺たちが好きになった理由を話し合っていた。
「、、、だね。すごく恥ずかしくなって来ちゃったよ」
「俺もだ。でも俺はお前と会えて本当にうれしいぞ」
「私も冬真さんと会えて本当にうれしい。あの時拾ってくれて本当にありがとうね」
秋奈は満面の笑みで抱き着いてくる。
俺も彼女を抱きしめ返す。
最近は昔のトラウマも消えてきて人間不信や女性不信も治ってきた。
俺は秋奈のおかげで救われた。
「こちらこそ。あの時俺と出会ってくれて本当にありがとうな。絶対に幸せにするから」
再び俺は秋奈のことを抱きしめ返した。
この先どんな困難があるのかわからない。
でも、秋奈と一緒なら乗り越えて行けるような気がする。
暗い人生も何かきっかけがあれば、新しい人と出会えれば人生は大きく変わる。
俺はそのことを実感したのだった。
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