第22話 デートの約束
まさかの告白をされた翌日
朝起きると隣に秋奈がいた。
なんで?
「おい、お前何してんだよ」
12月25日
俗にいうクリスマスの朝から衝撃的な体験をしたわけだがいったいどうしてこうなった?
確か昨日はあの後すぐに寝たはずだ。
もちろん別々の部屋で。
「あ!おはよう冬真さん」
「うん。おはよう。で、なんでお前は俺のベッドで寝てるんだ?」
「なんでって昨日言ったじゃん。この連休中に冬真さんを落とすって」
だからってなぜ隣で寝るのだろうか?
最近の若い子の思考はあまりわからない。
「はぁ~もういいからさっさとベッドから出ろ」
「なんで~興奮しちゃうから~?」
にやにやと口元に手を当てながらいう秋奈は本当に楽しそうだったけど同時に少しイラッと来た。
「なわけあるか」
起き上がって秋奈の両こめかみに拳骨をぐりぐり入れる。
「うぎゃ~暴力反対!」
「お前が変なこと言うからだろ。懲りたらとっととベッドから降りろ」
「は~い」
少し不服そうではあったけどさすがにこれ以上拳骨を入れられたくはなかったのか素直にベッドから降りた。
「昨日言ってたやつ本気だったんだな」
「当たり前じゃん!冗談であんなこと言わないよ!」
頬をぷく~と膨らませながら秋奈は俺の胸をポコポコ叩いてくる。可愛らしい仕草だが少々痛い。
「悪かったって。じゃあ、お詫びに今日は一緒にどこか行くか?」
「それってデート?」
「まあ、そうなるな」
正直全くそんな気はなかったんだがここで変なことを言うと秋奈がへそを曲げそうなので口をつぐんだ。
「やった!どこいくの?」
「行きたいところとかあるか?」
「それはもちろんホテ、」
「それ以上言ったらお前を追い出す」
今、とんでもないことを言おうとした秋奈を全力で止める。
全くこいつはいきなり何を言おうとしてるんだ。
「あ、あはは~冗談じゃないですか~」
「冗談でもいうな。で、本当に行きたいところはあるのか?」
「そうだな~イルミネーションとか見に行きたいかも!そういうの今まで見に行ったことなかったから」
「イルミネーションか。いいな。俺もしっかり見に行ったこととかないから見に行こうか」
「やった!」
駅とか町中にあるイルミネーションなら何回も見てるけどイルミネーションを見るための本格的な施設にはいったことがないから結構楽しみかもしれない。
それに加えて秋奈と一緒というのも関係しているのかもしれないが。
と、ここまで考えてそれはもう好きということではないかという考えが頭をよぎったけどその考えは丸めて新聞紙に包んでガムテープでぐるぐる巻きにしてから捨てた。
「じゃあ、とりあえず朝飯にするか。午前中はどうする?」
「う~ん。思い浮かばないかな~」
「まあ、俺もそんなに思い浮かばないから家でゆっくりしてるか」
「だね。いろんな話しようよ。昨日冬真さんが過去の話をしてくれたから次は私が昔の話するからさ」
「いいのか?」
最初に聞いた限り秋奈の過去は俺以上につらい過去のはずだ。
もちろん辛さを比べることなんてできないけどそれでも相当に苦いはずの過去を聞いてしまったもいいのだろうか?
そんな俺の考えが伝わってしまったのか秋奈は微笑みながら言葉をつづけた。
「冬真さんには知っててもらいたいから。私の過去を。だから気にしなくていいんだよ」
「そうか。秋奈がそういうならわかった。聞くよその話」
「ありがと。でも、まずは朝ごはんだよね!ぱぱっと作るから待っててね!」
秋奈はそういうとすぐに部屋を出てキッチンに向かった。
もう食べれないと思っていた秋奈の手料理を食べれることをうれしく思う。
そう思う時点で(以下略)
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