Lucifer
・選択肢に戻る
https://kakuyomu.jp/works/16818093085371501586/episodes/16818093085373259578
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僕は三つ葉のドアを開いた。
なかは最初の部屋とほぼ同じ構造だった。
正方形、清楚な純白の壁紙、シャンデリア、フローリングの床。
さきほどの部屋とは違い、扉はいま僕が入ってきたところしかなく、ほかの三方向はただの壁だけだった。
つまりは、突き当りだ。
引き返そうとした矢先、ふと、向かって左側の壁にらくがきが書かれているのを見つけた。
S A T A N
英語力が決して高いとはいえない僕だが、それが「悪魔」を意味する言葉だということは分かった。
黒い絵の具が使われていると最初は思ったのだが、目を凝らすと赤が混じっているようだった。
その色は僕を不安にさせた。それは赤くて、黒く、そしてどこか脂ぎっている。この画材の真相について、考えれば考えるほど恐ろしい考えが頭をよぎっていく。
血……。
まさか。
しかし、僕の心はとめどなく妄想の輪を広げていくのだった。
……もと来た部屋に引き返すとしよう。
・もと来た部屋にもどる。
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