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「おい、まほ子。この料理、三番テーブルに持って行け」

「はい、分かりましたー!」

 真白は元気よく返事をすると、ノワールから出来立てのチキンカレーを受け取り、テーブルに運んで行く。先日の花火ならぬ花びら作戦のおかげだろう。カフェ・プランタンは、それなりに盛況していた。

「お客さんが来てくれるようになって、よかったです。これも黒沢くんのおかげです」

 真白が、へらりと満面の笑みを浮かべさせる。

 そんな彼女の横からノワールが出て来て、

「おい、小僧。ほら、仕事だ」

 ばさばさと書類やら領収証やらを渡してきた。本当に人遣いの荒いネコだ。この野郎っ……!

 そんなオレの心境とは裏腹に、店内には穏やかな時間が流れている。

 カランとまた一つ、扉の上の方についている小さな鐘が鳴った。

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