第一章  終


【邪眼の巫女】


〔かつては悪霊や怨霊を祓い浄化をし人々を救う美しい巫女だった。

 清流眼の一族である巫女は、やがて姿を消した、清流眼の一族は他の人々との関わりを避けていたらしい、全てえてしまうからだ。

 人々の過去や抱いている思い、恨み、妬み、人々の負の感情が自分の心に目を通し流れ混んでくる。


 清流眼の一族にとって恐ろしいのは肉体を持たない悪霊でも怨霊でもない、生きた人間の心こそ恐れていたのかも知れない。

 だから、一族以外の人間との関わりを出来る限り避けていた。 

 だが、何故か巫女だけは一族以外の人間と普通に接する事が出来ていたらしい、人々を救う事を使命だとしていたようだ。

 

 ならば、ならば何故、巫女は現代に現れ、邪眼を持ち人を呪い、人の精神を破壊する恐ろしい悪霊と化したのか? ミラズニシテミルベシ、この言葉の意味を知ることが、邪眼の巫女を浄化できる方法なのかも知れない。

 

 だが、それは同じ清流眼を持った者にしかできないらしい。

 ここまでが私が調べた事だ〕




・・・・・・

 


「これが、父さんが残したノート···」


「はい、貴方のお父さんが邪眼の巫女について調べ書いていたノートです」

 白い着物で緋色の袴の女性が言った。


「何があったの? 邪眼の巫女っていったい? 父さん······」


 翔宏寺で大学生の女性が、寺の住職であり亡くなった父親が残したノートを見ていた······。




      

                 

              第一章 完











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