第二章  弐


 父親が残したノート。

 ノートには、邪眼の巫女に関する事が書かれていた。 

 美咲はノートに書かれている事を読むが、なぜ巫女は悪霊になったのか? ミラズニシテミルベシの意味は何なのか? そして清流眼の一族·····。


 美咲や兄や妹も全く解らない事が描かれているがノートの内容を見る限り邪眼の巫女と言う巫女の悪霊を父親は調べていたようだ。


 ノートを見終えた母が、美咲達に亡くなる前の父親の事を語りだした。


 父は生前、有能な霊能者であり、沢山の人達の御祓いや除霊をしており、一時期はオカルトのたぐいの記者に取材される事もあった。


 その事は、美咲も兄も妹も知っている。そのためか翔宏寺に御祓いをお願いしてきた二人の成人らしき男性が、住職であり霊能者の美咲の父親に頼ってきたらしく、父親は御祓いをしたが、二人の成人男性が帰ったあと、父は母に言ったと言う。

 あの二人には強力な悪霊の呪いがかかっていると言う事を。


 父が二人の成人男性から聞いた話によると、数日前に四人で、ある山にある神社にお参りにいったらしい、そこはパワースポットだと言う噂を聞いた事が神社に言った理由だった。

 だが、神社に何かしら違和感を感じたらしい、何か良くない感じがした。


 実際、その後に四人の内の二人が気が狂い、一人は精神病院に入れられ、もう一人は急死したと言う。

 亡くなった二人は言っていたらしい、恐ろしい巫女の夢を見ると。

 白い着物に緋色の袴、そして奇怪でおぞましい両目。

 やがて夢なのか現実なのか曖昧あいまいになってきて二人は、精神的に追い込まれ発狂するまでになった。

 御祓いを頼みに来た成人男性も悪夢を見る用になり、恐怖を感じた二人は翔宏寺を訪れたと言う事だった。

 

 その後のある日、父は母に成人男性が言っていた山にあるパワースポットと噂される神社に行ってくると言い山にある神社に出向いたらしい。

 その日の夕方には父は翔宏寺に帰ってきたが、母が言うには、その次の日から父の様子がおかしくなっていった。

 ろくに食事も睡眠も取らず寺の仏間で、お経を唱え続け、時おりパソコンに向かっていた。


 父の様子がおかしくなっていったのは、美咲の妹も感じていたらしく、それから程なくして父は心臓発作で亡くなった····



 

 美咲が徒歩で住宅街を抜けると、大学が見えてきた。

 背中まで伸びた艶のある黒髪が風に揺れ、美咲は大学の校門を抜け、校舎へと歩いて行った。











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