第16話 信長への反乱
秀吉は勝手に戦場を離れて信長の怒りを買い、自宅謹慎となった。
謹慎中の秀吉は、故郷の友達に電話をかけた。
友達「えっ。切腹!?」
秀吉「うん。切腹を命じられちゃった」
友達「死ぬじゃん。どうすんの?」
秀吉「どうすんのって、もうこうなったらヤケクソだ……」
秀吉はある決意を固めた。
一方、ここは京都。
信長と兵士の会話。
兵士「あのぉ、信長さん」
信長「ん?」
兵士「できれば、その、秀吉さんを助けてあげてもらえませんか」
信長「無理。もう決定したことだから」
兵士「でも、このままだと信長さんご自身も危ないと思うんですよ」
信長「なんで?」
兵士「もし、もしですよ、秀吉さんがヤケクソになって反乱を起こしたりしたら……」
信長「反乱!?」
兵士「いや、仮の話ですよ。でも、もしそうなったら信長さん大ピンチですよ」
信長「どうしてさ?」
兵士「だって織田家の主力部隊は全部、北陸で上杉謙信と戦ってますよね」
信長「うん」
兵士「つまり、信長さんご自身の周辺はノーガードってことです」
信長「たしかに」
兵士「そんな状態で反乱が起きたら、一瞬でやられちゃいますよ」
信長「それ、やばいなぁ……」
信長は秀吉のようすをさぐるため、電話をかけた。
秀吉「あい、もひもひ、ひでおしです」(酔ってる)
信長「あ、サル?」
秀吉「へ」
信長「サル、今なにやってた?」
秀吉「誰?」
信長「信長だよ」
秀吉「あー、のぶなーさん。飲んでパーッとやってました。宴会れす。ひっく」
信長「謹慎中にパーッとやってどうすんだよ」
秀吉「すんまそーん!」
信長「テンション高いな……」
秀吉「もうヤケクソで飲んでたんれす。ひっく」
信長「まぁ、その様子だと反乱をたくらんでるって感じじゃないな。安心した。じゃ」
謹慎中に宴会を催すというのは非常識な行動だったが、この時期の秀吉は酒におぼれ、毎日泥酔していた。
電話を切った信長は……
信長「べろべろに酔ってた」
兵士「現実逃避ですね」
信長「反乱の可能性ゼロだよ」
兵士「あ、見てください。テレビ」
信長「テレビ?」
テレビのアナウンサー「番組の途中ですが、内容を変更して、ニュースをお伝えします」
信長「臨時ニュースか」
テレビのアナウンサー「戦国武将・織田信長さんの領内で反乱が発生しました」
信長「えっ!」
テレビのアナウンサー「反乱の首謀者は……」
西暦1577年8月17日。
信長に対する反乱が発生した。
手元にまとまった兵力がなくノーガードの信長は、ピンチに陥った。
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