第24話 清洲会議

西暦1582年6月27日。

秀吉は赤ちゃんを抱いたまま会議に出席した。


柴田「では、出席をとります。1くん」


1くん「はい」


柴田「2くん」


2くん「はい」


柴田「そして秀吉くん」


秀吉「はい」


柴田「では会議をはじめます。議長はおれね」




こうして、有名な清洲会議がはじまった。




柴田「今日の会議のテーマは……」


1くん「あれですよね、今後の織田家をどうするか」


柴田「そう、さすが1くん。わかってるね~」


2くん「信長さん亡きあと、誰が織田家のリーダーになるか、それを話し合うんですよね」


柴田「お~。2くんもわかってるね~。いいね~」


2くん「えへへ」


柴田「それにひきかえ、秀吉くんは発言がないねぇ」


秀吉「まだ始まったばっかりじゃないですか」


柴田「あ、口ごたえした。はい、マイナス500ポインツ!」


秀吉「ポインツってのが微妙に腹立ちますが」


柴田「おまえ最近、生意気だぞ」


秀吉「そんなことないですよ」


柴田「だいたいなんで会議に赤ちゃん連れて来るんだよ」


秀吉「あ、これは……」


柴田「ウケ狙いか」


秀吉「違いますよ」


柴田「ウケ狙って、織田家を乗っ取ろうとしてるんだろ?」


秀吉「まさか」


柴田「織田家の新しいリーダーの座はゆずらないからな!」


秀吉「そんなつもりありませんよ」


柴田「織田家を継ぐのは、年功序列だからな。たとえば、おれとか」


1くん「あのー、柴田さん」


柴田「ん。なんだね、1くん」


1くん「筋から言うと、織田家を継ぐのは、信長さんのご長男のほうがいいのでは?」


柴田「ふふふ。残念だけどね1くん、信長さんのご長男は、みっちーの乱のどさくさで亡くなったんだよ」


1くん「あ、そうでしたか、すいません」


柴田「というわけで、織田家のリーダーはこのおれということに……」


2くん「あ、でも柴田さん」


柴田「なんだね、2くん」


2くん「織田家の系図を見てください。これによると信長さんにはお孫さんがいますね。しかもまだご健在です」


柴田「あ、ああ。そうだね」


2くん「柴田さんよりも、お孫さんが継いだほうが、筋が通ってますよね」


柴田「でもお孫さんは、まだ幼いはずでしょ?」


2くん「誰かが面倒をみてあげればいいですよ」


柴田「誰かって?」


2くん「柴田さん、いかがですか?」


柴田「赤ちゃんの世話係なんて、いやだよ」


2くん「でも実際には、その世話係が織田家の実権を握ることになりますよ」


柴田「あ、じゃあ、おれが……」


1くん「あーっ!」


柴田「どうした、1くん」


1くん「秀吉さんのだっこしてる赤ちゃん!」


秀吉「え、おれ?」


1くん「よく見たら信長さんのお孫さんだ!」


秀吉「うそぉ?」


1くん「しかも、すごくなついている」


2くん「じゃあ、秀吉さんが世話係になればいい」


1くん「そうだね。秀吉さん、よろしくお願いします」


秀吉「世話係? わかりました。ベビーシッター目指してるんで」


柴田 (-_-;) 秀吉め!




こうして…

赤ちゃん(信長の孫・三法師)の存在を利用した秀吉は、みごとに清洲会議を制した。


途中入社のアルバイトから出発した秀吉が、ついに織田帝国の実権をにぎった瞬間だった。

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