第23話 赤ちゃん

秀吉は山崎の戦いに勝利した。

だが、おかげで先輩社員の柴田勝家に目をつけられるはめになった。


柴田「おいっ。秀吉」


秀吉「は、はい」


柴田「おまえ、信長さんのカタキを討ったからって調子に乗るなよ」


秀吉「いえ、べつに乗ってませんよ」


柴田「もしかして、信長さんの天下統一事業を継ぐのは自分だ、なんて思ってるんじゃないだろうね?」


秀吉「思ってませんって」


柴田「ウソつけ。思ってるくせに」


秀吉「いやホント違いますって」


柴田「そのうちヤキ入れてやるから覚悟しとけよ。プンプン!」


秀吉「えぇ~…」




秀吉は、柴田勝家を敵に回してしまった。




秀吉「困った。柴田さんに嫌われちゃった」


兵士「柴田さんは織田家の重鎮です。嫌われたら織田家ではやっていけませんよ」


秀吉「織田家でやっていけないってことは、おれ、転職するしかないってこと?」


兵士「そうですね」


秀吉「うっそぉ~。せっかくここまで出世したのに」


兵士「でも秀吉さんほどの人物なら、他のところでも高給で雇ってくれますよ」


秀吉「いや、もういいや」


兵士「いいとは?」


秀吉「おれ、癒されたい。もっとほんわかした仕事がしたい」


兵士「例えば?」


秀吉「例えばベビーシッターとか。赤ちゃんの顔見てたら癒されそうだし」


兵士「でも、いきなりベビーシッターなんてできます?」


秀吉「ちょっとは練習しておいたほうがいいかな」


兵士「もちろん」


秀吉「どっかにいないかなぁ。練習相手になってくれる赤ちゃん」


兵士「練習相手っていう言い方やめて下さい」


秀吉「あ! なぜかあんなところに赤ちゃん発見!」


兵士「あぁ、あれは……」


秀吉「さっそく練習相手になってもらおう」


兵士「あ、ダメですよ。その赤ちゃんは!」




秀吉は兵士がとめるのも聞かず、赤ちゃんと遊んだ。




兵士「赤ちゃんと遊んでる場合じゃないですよ」


秀吉「なんで?」


兵士「もうすぐ会議の時間です」


秀吉「会議?」


兵士「信長さん亡きあとの織田家をどうするか、それを話し合う重要な会議ですよ」


秀吉「いや、おれベビーシッターで喰っていくから、いいや」


兵士「無断欠席したら怒られますよ。顔だけでも出しといたほうがいいですって」


秀吉「じゃ、ちょっと顔出して、みんなの前でベビーシッター宣言して、すぐ帰って来ようかな」


兵士「赤ちゃんも連れて行くんですか?」


秀吉「うん」


兵士「会議に赤ちゃんはマズイですよ」


秀吉「だっておれになついちゃってるんだもん」




西暦1582年6月27日。

秀吉は赤ちゃんを抱いたまま清洲会議に出席した。

この赤ちゃんの存在が、会議の流れを大きく左右することになる。

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