第29話 秀吉の決断

秀吉は、また兵士に怒られた。


兵士「なにやってるんですか~!」


秀吉「すいません…」


兵士「長浜城は柴田ファミリーにプレゼントした城ですよ」


秀吉「はい」


兵士「それをどうして奪い返しちゃったんですかぁ」


秀吉「だって、むこうが勝手に降伏してきたんだもん」


兵士「きっと柴田さんはカンカンですよ。たぶん殴りこんできますね」


秀吉「でも柴田さんは今、雪で身動きとれないしょ」


兵士「雪は、いつかとけます」


秀吉「春が来なきゃいいのに…」




春が来た。




兵士「柴田さんが攻めてきました!」


秀吉「ついに来たか」




秀吉は賤ヶ岳のあたりに基地をつくり、柴田勝家とにらみ合った。




秀吉の陣営のようす。


秀吉「うわぁ。柴田さん、大軍だね」


兵士「かなり手強いですね」


秀吉「さてと…」


兵士「なんです?」


秀吉「引退でもするかな」


兵士「は?」


秀吉「あとは頼むよ。じゃ、おれはこれで」


兵士「都合よく引退しないでください」


秀吉「だって柴田さん怖いんだもん」


兵士「司令官がそんなことでどうするんですか」


秀吉「そうだね、司令官がこれじゃ困るよね」


兵士「そうですよ」


秀吉「おれ司令官失格だ。しかたない。引退しよう。残念だ」


兵士「嬉しそうじゃないですか」


秀吉「まあ、そんなわけで、あとは頼むよ」


兵士「本気ですか?」


秀吉「本気」


兵士「引退したあとはどうするつもりなんですか?」


秀吉「おれ、グルメリポーターになる」


兵士「は?」


秀吉「グルメリポーター」


兵士「なんでいきなり…」


秀吉「美味しいものをひたすら食べる仕事だよ。素晴らしいじゃないか」




グルメリポーターになる!

秀吉のこの決断が、やがて柴田勝家を滅亡に追いやることになる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る