第18話 秀吉、司令官になる

西暦1577年10月のある日。

秀吉は信長に呼び出された。


信長「サル。おまえに重大な任務をあたえる」


秀吉「なんですか?」


信長「中国地方を攻めてくれ」


秀吉「中国地方?」


信長「広島県とか岡山県とか、あのへん」


秀吉「遠いっすね」


信長「そこにMさんっていう戦国武将がいるんだ。そいつをやっつけてくれ」


秀吉「わかりました!」




こうして秀吉は、中国方面司令官に任命された。




秀吉と兵士の会話。


秀吉「おれね、新しい任務もらったさ」


兵士「信長さんからますます信頼されるようになりましたからね」


秀吉「今度の任務はね、中国地方のMさんっていう戦国武将を攻めるの」


兵士「Mさん!?」


秀吉「うん。サクッとやっつけて、また褒められちゃおっと♪」


兵士「そう簡単にはいきません」


秀吉「なんで?」


兵士「Mさんは超大物です。お城をたくさん持ってます」


秀吉「げっ」


兵士「Mさんをやっつけるには、たくさんのお城を全部攻略しないといけません」


秀吉「うわー」


兵士「早くて10年かかるといわれてます」


秀吉「10年!」


兵士「すごく難しい仕事です」


秀吉「……」


兵士「秀吉さんは、これからどんどん難しい仕事をまかされるようになりますね」


秀吉「え、そうなの?」


兵士「だって今や秀吉さんは織田家の重臣ですよ」


秀吉「まあねぇ」


兵士「仕事もどんどんハードになっていきますよ」


秀吉「……それ、やだな」


兵士「出世するんなら、そのくらいの覚悟がないと」


秀吉「じゃあさ、これ以上出世したら、もっとハードな仕事まかされるってこと?」


兵士「はい」


秀吉「おれ、もう出世しなくてもいいな」


兵士「でも秀吉さんは信頼されてますからね。いやでも出世しちゃったりして」


秀吉「これ以上出世しないためには、どうしたらいいかな?」


兵士「どうって……。失敗でもやらかすしかないですよね」


秀吉「じゃ、おれ、今回の任務で失敗やらかすわ」


兵士「えー。そんな心構えの司令官についていくのいやですよ」


秀吉「ま、いいからいいから」




西暦1581年。


秀吉はMさんのたくさんの城のひとつ、鳥取城を包囲した。


秀吉「さーて、どんな失敗をやらかそうかな~」


兵士「マジメに戦ってくださいよ」


秀吉「あ! いい失敗を思いついた!」


兵士「思いつかないでください」


秀吉「さあ、気合入れて失敗するぞー」


しかし皮肉なことに、秀吉の評価は一段と高まることになる。

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