閑話 大文字静香の後悔

ー 天陵学園 1ーA組 ー


「・・・・、申し訳ございませんが大文字先輩、あなたに教える必要はありません。お引き取り下さい・・・・。」

新條君の連絡先を聞こうとして1-A組を尋ねていた私だったけど、新條君のクラスメイトである神田凛さんから、そう言われて私は返す言葉なかった。

それに、A組の皆からの私に対する目線は、とても冷たかった。

私は軽く一礼してA組を後にした・・・・。

(何であんなことをしてしまったのかしら・・・・。)

私はこれまでの自分がした愚行を悔やんだ・・・・。


最初は彼との出会いとなった下着泥棒退治だった。

あの時、私は下着泥棒を退治してくれた新條君を仲間と決め付けてしまった。

お祖父さまとお父さまに怒られ謝罪しようとしたら、『形だけの謝罪』は要らないと言われてしまった。

次は、私が撃退したナンパ男二人が所属する爆裂団が学校に乗り込んできたことだ。

私は戸惑うばかりで何も出来なかった。

その時も新條君が連中を撃退した。

そればかりか、爆裂団のメンバーは新條君を新しい総長と決めて彼に従うようになった。


思えば、この頃から私は新條君を意識し始めていたんだ。

でも、私は素直になれず言ってはいけないことを言ってしまった。

新條君に爆裂団のメンバーの素行の悪さを見た目だけで判断して、彼に指摘した。

結果、新條君を怒らせてしまい、剣道の勝負にいとも簡単に負けてしまった。

もし、これが真剣ならば私は死んでいた。

私は、自分の自惚れ、甘さ、初めての恐怖を身に染みた。


【大文字先輩、さっきも言った通り外見でしか判断が出来ないのならば、貴方の器も剣道の腕もその程度です。】

【理事長や学園長に泣き付いても構いませんが、まずは貴方が貴方自身を正して下さい。】


彼の言葉は、私の心に深く突き刺さった・・・・。


しかも、お祖父さまとお父さまは今回の騒ぎに関して新條君の処分について一週間の謹慎処分を下した。

なのに、元凶の私については自宅療養だけだった・・・・。

この件でも、新條君のクラスメイト達や他の生徒達から抗議が殺到した。

慌てたお祖父さまとお父さまは、新條君の処分撤回をしようとしたけど出来なかった。


彼は頑なに処分撤回を拒み、謹慎処分を受け入れた。

そればかりか、彼は今後、必要最低限の出席以外は一人旅に出ると言った。

お祖父さまとお父さまは、一方的な処分の後ろめたさからなのか、彼の申し出を許可してしまった。


そして、謹慎処分が終わって間もなく、彼は一人旅に出てしまった。

新條君のクラスメイト達は、彼の連絡先を聞いていたから私は何度もA組を訪ねて連絡先を聞こうとしたけど、今日みたいに取り合ってくれなかった。


「どうして、私は下らないプライドを持ってしまったんだろう・・・・。」



____________________


静香は学校内で孤立してしまったみたいですね・・・・😰


そんな彼女は、康雄に対してどんな謝罪をするのやら・・・・🤔


だた、謝れば良いわけではないからね・・・・🙍

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る