第13話 星の王子さま、ある『決意』をする
ー自宅マンション 自室ー
大文字先輩との勝負による騒動後、俺は1週間の謹慎処分を学園側から言い渡された。
その際、今回の騒動を聞いて駆けつけた理事長と学園長に対して、俺は尋ねた。
「大文字先輩の処分は?」
これに対して、学園長は歯切れが悪い感じで言ってきた。
「その・・・・、静香は体調を崩してしばらくは自宅療養なんだ・・・・。」
その言葉を聞いた俺は、納得した。
(結局、理事長と学園長も身内が大事なんだな・・・・。)
俺は謹慎処分を言い渡された直後に、卓や凛達クラスメイトに謝罪をして謹慎処分を受けた。
転入初日、天陵学園は素敵な学園だと思った。
だが、大文字先輩の見た目で判断する態度や、理事長と学園長の大文字先輩に対する処分が軽いことを考えたら俺の人を見る目も両親や師匠と比べるとまだまだだと痛感した・・・・。
(卓や凛達クラスメイトのことを考えたら、今後のことを考えた方が良いな・・・・。)
俺は、父さんと母さんに電話で経緯を話した翌日、ある決意をした・・・・・。
その日の夕方、チャイムが鳴ったので出ると卓、凛、翔太がいた。
「その・・・・、康雄元気か?」
「私たちが代表で来たの・・・・。今の康雄君に全員で訪ねるのは、迷惑だと思って・・・・。」
「大丈夫?」
三人だけでなくクラスメイト達も俺を心配してくれているのが嬉しかった・・・・。
俺は居間で三人にお茶を出した。
すると、凛が口火を切った。
「正直、私たちも学園長達にはガッカリよ・・・・。康雄君には謹慎処分で、騒ぎの切っ掛けだった大文字先輩は自宅療養扱いなんて・・・・。」
卓と翔太も同じように愚痴をこぼしていた。
「そうだよな・・・・。発端は大文字先輩なのに・・・・。」
「実際、僕たちのクラスだけでなく他のクラスの生徒達も、今回の対応に疑問視があるから・・・・。」
三人の話を聞いていた俺は、凛たちにある決意を話した。
「凛たちに話したいことが有るんだ。実は・・・・。」
数分後、俺の『決意』を聞いた三人は、何と答えたら良いのか分からない感じだった・・・・。
やがて、三人が帰る時に卓が言った。
「お前らしい考えだけど、悔いを残すことはするなよ。」
卓の言葉に俺は言った。
「ありがとう。」
そして、夜。自宅マンションの電話が鳴った。
相手は、大文字学園長だ。
『その・・・・、康雄君・・・・、今回は済まなかった・・・・。』
『君に処分を言い渡した後、君のクラスメイト達だけでなく多くの生徒達から抗議されたんだ。【騒ぎの発端である大文字静香ではなく、何故、新條康雄だけを処分したのか。】とね・・・・・。』
本当に、クラスメイト達だけでなく抗議してくれた生徒達には、感謝しかないよな・・・・。
「それで、どんなご用件ですか?」
俺は敢えて、感情を抑えた低い声で尋ねた。
『実は、今回の謹慎処分を撤回・・・・【クラスメイト達や他の生徒達からの抗議だけでなく、俺の両親からの抗議を受けたから処分撤回なんて、有り得ないですよね・・・・?】・・・・!?』
言い終える前に俺から指摘されたことに、学園長は驚きを隠せないようだった。
「あの後、すぐに両親に一部始終を話しましたからね。親バカ全開になるのは、容易に想像が出来ました。」
「今回、謹慎処分は予定通り受けますが、処分明けの今後については天陵学園には必要最低限のみ出席して、それ以外は全国各地を一人旅します。」
そう言って俺は、学園には必要最低限のみ出席して、他は全国各地を一人旅するという『決意』を学園長に告げた・・・・。
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前話と今回の話は、重い話になってしまいましたが、次回以降から本来の雰囲気に戻す予定です<(_ _)>
康雄が決意した、全国各地の一人旅、どんなことになるのやら・・・・・😰
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