第14話 星の王子さま、旅立つ
ー 自宅マンション ー
謹慎処分を受けて1週間が経過していく中でで、俺は一人旅の準備をしていた。
あの後、何度か理事長や学園長から今回の一方的な処分についての謝罪がしたいということに加えて、大文字先輩も連れて俺に謝罪したいと言われた。
だけど、俺は丁寧にお断りをしていた。
一方で、時々、クラスメイト達が訪ねてくれたので寂しいことがなかった。
また、天童達には電話で事の一部始終を話した。
電話した日の夜に、天童が代表する形で自宅マンションを訪ねてきて、今回の件を謝罪してきた。
「天童、お前のせいじゃない。悪いのは、外見で天童達を侮辱した大文字先輩だから気にする必要はない。」
「総長・・・・、お心遣い有り難うございまずぅ~~~~(泣)。」
そう言って天童は号泣した。
結構、涙もろいなお前は・・・・・。
天童が帰る時に、近くのファミレスの無料券を人数分渡した。
「何かあったら連絡するよ。ファミレスには連絡しとくから、腹一杯食べろよ。」
俺の言葉に天童は「有り難うございますっ!!」と言って仲間達のところに戻っていった。
謹慎中に俺は学園側に必要な手続きを行うと同時に、理事長と学園長にあることを絶対条件として話した。
「理事長と学園長、大文字先輩には俺のことは話さないで下さい。」
二人とも驚きつつも、
「何故だっ!?孫も反省している。あの娘に謝罪の場を用意してくれないか?」
「私たちも、甘やかしてしまったと反省している。だから・・・・。」
と頼んできた。
だが俺は、拒否した。
「重要なのは、先輩自身で解決しなければイケないんです。貴方たちの行動では、先輩は心底反省しているとは思えません。」
そうハッキリ言って、二人の提案も断った。
これ以上の説得は無理だと悟った二人は肩を落としながら帰っていった・・・・。
(父さんたちから聞いたけど、あの人たちも『爺バカ』&『親バカ』なんだな・・・・。)
両親の話によると、大文字先輩の家庭は理事長、学園長、大文字先輩と5歳くらい下の先輩の妹の4人家族だそうだ。
先輩の妹が生まれた直後に二人の母親は亡くなり、先輩の妹さんは病弱で地方で療養しているとのことだった。
だからこそ、理事長と学園長は先輩と先輩の妹さんを可愛がっているそうだ。
とはいえ、自分と先輩の違いは先輩の親たちは、ここぞという所で親バカになってしまうところだった。
今回の騒ぎも、本来ならば先輩も同じ処分なのに、自宅療養中といって処分をしなかった。
「理事長と学園長に厳しく言ったけど、本当に先輩自身が解決しなければイケないよな・・・・。」
そうして俺は準備を終えてから、就寝した・・・・。
そして謹慎処分の1週間が経過して謹慎が終わった翌朝、用意した荷物を手にした俺は自宅マンションを出た。
そこで俺は最初の目的地を目指すことにした。
「まずは、北海道だな・・・・。将来のパートナーを探しに来たつもりが、全国一人旅とはな・・・・。」
そうは言ったけど重苦しい気分にはならず、むしろ気分は軽やかな気分だ。
「まぁ、なるようになるさっ!!」
そう言いながら、俺は旅立った・・・・。
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花嫁を探すつもりが、全国一人旅をすることになった康雄。
最初の目的地である北海道で、どんなことが起きるのでしょうか・・・・🤔
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