星の王子さまは、花嫁を求めて日本にゆく

@kakuyoku-no-tate

第1話 星の王子さま、日本に行く決意をする

ーアメリカ・ニューヨークのとあるマンションー


15歳の俺、新條康雄(しんじょう やすお)は、自室のベランダで悩んでいた。悩みの原因は、『お見合い』だった。


俺の父親である新條兼嗣(しんじょう かねつぐ)は実業家で、世界各国で事業展開をして成功させている人物だった。

また、母親の新條セシリア(しんじょう セシリア)はフランス人で、若い頃はファッションモデルとしても活躍していた。

現役を退いたあとは、モデル事務所を設立して若手のモデル達を育成して、活躍させている。

更に、セシリアの実家は、フランスでは五本の指に入る財閥だった。


所謂、セレブ家族の一員である俺だったが、俺だけでなく父さんと母さんは金持ちであることを鼻に掛けず、周りの人達とは普通に接していた。

また、住んでいるマンションはタワマンとかではなく、セキュリティが充実した普通のマンションだった。


勿論、使用人やメイドはおらず、料理、洗濯、掃除などの家事は、父さんと母さんと俺が分担して行っていた。

どんなに忙しくても、父さんと母さんは俺と一緒にいる時間を設けて、家族として当たり前の日々を過ごしていた。

だけど父さんと母さんは、俺を甘やかす事なく、ちゃんとした教育や躾をして俺を育ててくれた。


そんな中で、俺は父親譲りの頭脳明晰を持ち、母親譲りの容姿を受け継いでいた。

更に、幼い頃に出会った剣術と体術の達人である師匠から俺は剣術と体術を学んでおり、智勇兼備な少年として成長した。


そんな俺を周囲の人達は、『星の王子さま』と呼ぶ事が多かった。


そんな俺が15歳の時に、両親からお見合いを持ち掛けられた。

相手は、父親が仕事で取り引きしている会社社長の娘だった。

年は、俺と同じ15歳だった。


一見すると、政略結婚みたいだが両親は恋愛結婚だったから、政略結婚などは嫌っていた。

今回のお見合いについては、俺の父さんと相手の親とは取り引き以外でも親しい間柄だったから「家の娘を息子さんに会わせてみないか?」と相手側から持ち掛けてきた。

それで父さんと母さんは、俺にその見合い話を持ち込んできたのだった。


見合いの話を聞かされた俺は、父さんと母さんに言った。

「父さん、母さん、今の時代でお見合いなんて、勘弁してよ・・・。」

いつもならば、父さんと母さんは俺の意見を尊重しているが、今回は違った。


「康雄・・・、お前の気持ちは理解出来るが、今回は一度でも会ってみないか?」

父さんを援護する形で、母さんも言ってきた。

「1回も会わずに見合いを断ると、相手のご家族も良い顔しないわよ・・・。」

確かに、父さんと母さんの言い分は最もだった。

結局、父さんと母さんの頼みもあって俺は渋々、お見合いをした。

 

結論から言うと、お見合いは失敗に終わった。

というのも、お見合いの場で相手の社長令嬢は、俺から幾つか質問されても「貴方の好きなものなら、何でも好きです。」を繰り返すだけだった。

自分の主張を言わずに、俺に気に入ってもらおうとする様子が出ていて、流石に俺はウンザリした。


見合い後に、父さんと母さんにその事を話した事で父さんと母さんも俺に平謝りだった。

後日、俺の両親が相手の両親に真意を尋ねたところ、やはり俺の思っていた通り俺に気に入ってもらおうとしていた事が分かった。

相手の両親と令嬢も、かなり反省していた為、相手側の取り引きに影響は無かったが見合い自体は無かった事になった。


しかし、今回の見合い話を知った人達が、次から次へと俺に見合い話を持ち掛けてくる日々が続く事態になってしまい、父さんと母さんも対応に苦労していた・・・。


「そもそも、父さんと母さんも俺の事を思って見合いを持ってきていたから、強く言えないんだよな・・・。」

普段から、俺を甘やかしたりしていない父さんと母さんだったが、実際は『超』が付くほどの親バカだった。

俺を大切に思ってくれているから、今も続くお見合いの話については、父さんと母さんに強くは言えなかった・・・。


その日の夜も、俺は自室のベランダで絶えないお見合い話にウンザリしながら、考え込んでいた。

そこで、俺は思い付いた。

「これを機に、日本へ行ってみようかな・・・。」

俺がそんな事を考えたのには理由があった。

父さんと母さんが出会い、恋愛から結婚になった切っ掛けの場所は父さんの祖国でもある日本だった。

また、俺の格闘技と剣の師匠の祖国も父親と同じ日本だ。

(もしかしたら、日本で多くを学ぶだけでなく、自分のパートナーとなる女の子と出会えるかも・・・。)

確かな根拠が有る訳では無いけど、俺の『勘』がそう感じた。


「よしっ!!まずは、父さんと母さんに、俺の決意を話そう。」

俺は、さっそく、行動に移した。


だが、この時点で俺は知らなかった。

俺が決意した日本行きが、新たな出会いと再会、お祭りみたいなドタバタ騒ぎな展開に加えて、俺を巡って複数の女の子達による激しい争奪戦になっていくことを・・・。



____________________


こんばんは<(_ _)>


今回の作品は、過労で療養中に見た1988年にアメリカで製作された映画「星の王子 ニューヨークへ行く」のビデオを見たのが切っ掛けで、療養中の合間に少しずつ執筆しました。


エディ・マーフィが演じる豊かな自然と豊富な資源に囲まれたアフリカの王国ザムンダのアキーム王子が、自分の花嫁を探す為にアメリカのニューヨーク行くという物語です。


それを主人公の新條康雄が、パートナーとなる女の子を探しに日本へ行くことになったらと考えました。


初めてのラブコメ、ハーレム状態、ドタバタを考えて執筆しました。


今後に関しては、未定ですが、読んで頂けたら幸いです<(_ _)>

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